当ブログでは多読を英語学習の最重要メソッドとしています。
しかしながら、多読だけでは語彙力が上がるスピードが緩やかなため、ボキャビルも取り入れて語彙力を強化したいと思う人もいるかと思います。
私も実際に毎日少しずつではありますが、日々の学習にフラッシュカードでの英単語の暗記を行っています。
ちなみに英語ではspaced repetitionと言うよ
ただし、今回紹介する方法は一般的な英単語と日本語の意味を対で覚える方法ではなく、例文の文脈から意味を想起して記憶を定着させる方法を取っています。
また、フラッシュカード作成にはRemNoteというアプリを使用しています。
日本ではAnkiやGoodnotesが有名ですが、RemNoteは比較的新しいサービスのため、まだ認知度は低いですが、とても優秀なアプリなのでぜひ一度試してみてください。
RemNoteのメリット
自動で学習頻度を計算してくれる
その英単語の出現回数や記憶の定着度によって自動的に次に出現するまでの期間を算出してくれます。
例えば、単語を登録して最初の数回は高頻度で出現しますが、回数を重ねて記憶の定着率が上がっていくにつれて次に出現するまでの期間が長くなります。
シンプルで洗練されたインターフェース
RemNoteのインターフェースはほぼNotionではないかと思うほど似ており、Notion愛好家にはたまらない操作感です。
Notionに馴染みのない人には少々癖があると思いますが、一度慣れて終えばかなりストレスフリーで扱えるかと思います。
国産のアプリのような野暮ったさは一切なく、極限までシンプルで洗練されています。
無料で十分な機能が使用可能
RemNoteは比較的新しいサービスのため、当記事を執筆している時点ではほぼ全ての機能を無料で利用可能です。
にもかかわらず広告がないため、煩わしさを感じることがありません。
一応有料プランもありますが、英単語暗記に使用する分には一切必要ない機能ばかりなので、無料で十分です。
マルチプラットフォームで同期が可能
RemNoteは様々なプラットフォームでの同期が可能です。
フラッシュカード作成作業自体はパソコンで作業を行うことを推奨しますが、フラッシュカードをこなす場合はスマホやタブレットでもあまり支障がないので、出先でちょっとしたスキマ時間ができた時などに重宝します。
ただスマホだと意味を調べるのが若干煩わしいので、集中して学習したい時はパソコンをおすすめするよ
回答などもすべて同期されているので、デスクトップ版とスマホ版で結果に矛盾が生じることもありません。
またデスクトップ版はアプリとWeb版があります。
RemNoteのデメリット
操作感に若干癖があり、使いはじめはある程度慣れが必要
RemNoteはNotionに操作感が似ており、馴染みのある人には抵抗なく使用できるかと思いますが、初めて触る人には若干癖があり、ある程度慣れが必要です。
特にそれぞれの単語がRemというページのようなもので管理されており、概念を理解するまで時間がかかるかもしれません。
一旦慣れると最高に使いやすいブヒな!
まだ知名度が低いため、情報が少ない
RemNoteはアメリカ発の新しいサービスのため、まだ日本ではRemNoteに関する情報が少ないため、何か問題があった時は自力で解決する必要が出てきます。
英語であれば結構YouTubeなどに動画が上がっているので、英語の勉強を兼ねて見てみるのも悪くありません。
説明していることは単純なのですぐに理解できるかと思います。
RemNoteを使ったフラッシュカード作成方法
記入する項目
記入する項目は下記の2点のみです。
- 英単語またはフレーズ
- 実際の文章
日本語の意味や英語の定義は記入しません。
単語を習得するのは、実際に出会った文章から意味を想起するのが最も自然で効率的です。
単語やフレーズは文脈の中でそれぞれ役割があるので、単純な意味と対で覚えてしまうと、その言葉の持つコアイメージや自然な使用状況が身につかないからです。
どうしても辞書の定義も一緒に覚えたい人は、後ほど説明するRem内に補足情報として記述する方法をおすすめします。
実際の作成手順
実際のフラッシュカード作成方法として、私が普段行っているTEDによるボキャビルのケースで説明します。
あなたの使用している素材や行っている学習方法によって適しているフォーマットは変わってくるかと思いますので、必要に応じてアレンジしてください。
URLをペーストすると自動的にタイトルが作成され、リンクも設定されています。
この工程は必須ではありませんが、全体が見やすくなるので行っています。
- タイトルを作成したら、エンターキーを押し改行する
- Tabキーを押し一段インデントする
- 「[[」と入力するとRem作成のウインドウが出る
- 検索窓に単語をコピペするか直接入力して「Create Rem」ボタンをクリック
デフォルトの設定だと、Rem作成時に自動的にキャピタライズされてしまうので、気になる場合は設定を変更してください。
Settings > Editor > Capitalize From Search: OFF
- 先ほど作成した単語の右側が選択されている状態で「>>」を入力する
- 自動的に「→」に変換される
- 単語が使用されていた実際の文章をある程度の長さでコピーして貼り付ける
- 改行されたりハイパーリンクが適用されてしまう場合はプレーンペーストする
- Macの場合:Command+Shift+V
- Windowsの場合:Ctrl+Shift+V
- 改行されたりハイパーリンクが適用されてしまう場合はプレーンペーストする
- 例文の中の該当の単語を太字にする(イタリックや色変更でもOK)
- 太字にすることで瞬時に該当の単語を文章中から見つけられるようにするためなので、必須ではありません
そのエピソードの覚えたい未知語を全て登録したら終了です。
- STEP5の最後の行で改行する
- Shift+Tabでインデントを解除する
- 新たなエピソードをSTEP1から行う
Remについて
すべての単語はRemと呼ばれるページのようなもので管理されています。
Rem自体を編集することができるので、後から修正したり、補足情報を追加することも可能です。
また、以前Remを作成した単語に別の文章で出会ったとき、既存のRemに例文を追加する形になるので、一括管理が可能になり、単語が重複して登録されるということがありません。
既出の単語を登録する場合は「Create Rem」ではなく、候補に上がった該当の単語をクリックします。
フラッシュカード自体は別物なので、登録した例文と対で出てきますが、単語そのものはRemで一括管理されているという仕組みです。
この概念は慣れるまで理解が難しいかと思いますが、一度理解すると最高に使いやすいので、諦めずにしばらく使い続けましょう。
Rem作成時のヒント
単語は原形で登録する
Rem作成の特性上、基本的に単語はすべて原形で登録します。
例えば、動詞であれば現在形、名詞であれば単数形といった具合です。
ただし、形容詞に関しては一見過去分詞形の受動態に見えるものでも、単体で登録した方がいい場合が多いです。
その辺は自身の管理しやすい方法で行ってください。
2語以上の句動詞や慣用句はRemを作成しない
複数の単語から成り立つ句動詞(phrasal verb)や慣用句(idiom)などはRemを作成せず、そのまま直打ちします。
または、句動詞の一部の単語のみをRemに登録し、句動詞自体はRemを作成せず、フラッシュカードのみで完結します。
例えば「on the verge of」という句動詞に出会ったときに、実際に意味がわからなかったのは「verge」という単語なので、この単語のみをRem登録します。
しかし、このフレーズは「on the verge of」という形で覚えないと正しく使えないので、セットで覚える必要があります。
気にならなければフレーズごとに登録をしても良いのですが、将来それぞれのフレーズで単語の重複が発生するので、単語単位でのRem登録をおすすめします。
RemNoteを使った英単語暗記学習方法
定着率判定基準
RemNoteの回答ページにはSkipを除き4段階の判定アイコンがあります。
自身の判断でどの程度その単語を覚えているかという記憶の定着率を判定します。
しかし、なんとなくで判定してしまうと結果に揺らぎが生じてしまいますので、ある程度定義づけをして判定するのをおすすめします。
実際の学習の流れ
ここでは、例として私の行っている判定基準を用いて説明します。
単語のみですぐに想起できた場合はEasily recalled
単語のみでは意味を想起できず、例文を読めばすぐに意味を理解できた場合はRecalled with effort
例文を読んでも理解できないが、英英辞書で定義を確認すれば理解できた場合はPartially recalled
英和辞典を使用する必要がある場合はForgot
正解を知っているんだけど、自分の認識が合っているかどうか確認したい場合はどうすればいいブヒか?
その場合は辞書で確認してOKだよ。評価も辞書を使わなかったと想定したものでOKだね
Remnoteでボキャビルをストレスフリーに
私は多読に出会ってからはしばらくはその魅力に取り憑かれ、ボキャビルや精読は軽視していました。
しかし、やはり多読のみだと語彙力の向上が非常に緩やかなのは否めません。
そこで少しはボキャビルも取り入れようと思い、どうにか少ない労力で効果的な方法はないかと試行錯誤して落ち着いたのが今回紹介した方法です。
必ずしもRemNoteを使用する必要はありませんが、その使いやすさに感動したので今回紹介しました。
ボキャビルや精読を行うことで、普段の多読にも好影響を与えます。
ぜひ、少しずつでも良いので、日々の学習に取り入れてもらえばと思います。