小さな習慣(アトミックハビット)はなぜ人生を大きく変えられるのか?
洋書要約シリーズ記念すべき第一弾はこちら、
Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results
日本語訳版は、
というタイトルで出版されています。
出版は2018年ですが、自己啓発書のベストセラーとして現在でも売れ続けています。
新しいことを始めてもなかなか続かない…
悪習慣とわかっていてもやめられない…
自分は何て意思が弱いんだ…
と自己嫌悪に陥ることはありませんか?
安心してください。
それはあなたの意思が弱かったのではありません。
あなたのやり方が間違っていただけです。
そこで、今回お話しするテーマがこちら、
- Atomic Habitsに学ぶ ⎯ 成功に導く習慣の使い方
なお、本書の内容が非常に濃く、今回の記事はかなりのボリュームになってしまったので、下記のリンクからそれぞれの章に飛べるようにしました。
大変長くなりますが、ぜひ最後までお付き合い頂ければ幸いです。
それでは、始めていきましょう。

Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results
英語の難易度:
- ページ数:319ページ
- 著者:James Clear
- 発売日:2018年10月16日
- Audible会員なら30%OFF
- 再生時間:5時間35分
- 著者:James Clear
- ナレーター:James Clear
- 配信日:2018年10月18日
習慣とは

習慣で人生を変える前に、まずは習慣というものを正しく理解する必要があります。
ポイントは3つ
- 習慣は複利で増えていく
- 結果は小さな習慣の集合体
- 正しい順序で習慣を変える
詳しく解説していきます。
習慣は複利で増えていく
なぜ小さな変化は大きな結果を生むのでしょうか?
- 英語学習
- 筋トレ・ダイエット
- 楽器の演奏
など、継続的な努力や技術を要するアクティビティには次のような共通点があります。
- 最初のうちは変化を感じる事ができない
- ある地点を境に急に変化する
例えば、
- リスニングを毎日続けていると、急に英語がクリアに聞こえるようになる
- 筋トレを数ヶ月続けていると、如実に身体が変化し始める
- 難しいギターのフレーズを毎日練習していて、急にコツを掴んで弾けるようになる
といったブレークスルーが起きるのは、習慣の積み重ねは株式投資の複利の原理と似ているからです。
まさに、習慣の積み重ねとは自己投資なのです。
辿り着きたい未来があるのであれば、1日1%成長する事を意識して、それを毎日継続する事です。
最初のうちはほとんど変化が見られません。
しかし、複利の原理が働いているので、毎日コツコツと1%の成長を続けていれば、雪だるま式に成長の塊が増大し、1年後には約38倍成長している計算になります。
今日の時点を1とすると、
1 × 1.01 = 1.01
になります。
すると、明日は1.01から1%成長するので、昨日の1%よりも成長度が若干上がっています。
1.01×1.01 = 1.021
1.021×1.01 = 1.030301
1.030301×1.01 = 1.04060401
1.01365 = 37.78
このように、最初の数ヶ月は誤差の範囲を出ませんが、半年後あるいは1年後には変化が顕著になっていきます。
こちらの表は期待される成長線と実際の成長線のギャップを表したものです。

このように、最初のうちはポテンシャルの潜伏期間があるので、忍耐が必要です。
しかし、腐らずに継続していれば、いつか臨界点に達して、ブレークスルーが起こり、そこからの成長は加速度的に伸びていきます。
私たちの成長は、1本の木に例えられます。
木を植えるには、まず種を蒔いて、水をやり続ける必要があります。
最初のうちは見た目に何の変化もありません。
しかし、根は着実に地面の下で成長しています。
そして、一度芽が出ると、今までの沈黙が嘘だったかのように、ぐんぐんと天に向かって伸びていきます。

ただし、この法則はネガティブな変化にも作用します。
例えば、
- 読書をしようと思ったが、このショート動画を見終わってからと繰り返しているうちに1時間が経過していた
- ジムに行こうと思ったが、「雨が降っている」「外は寒い」など言い訳をしてサボっているうちに段々行かなくなる
- ボディメイクのため自炊に挑戦していたが、段々面倒になり、結局はウーバー生活に逆戻り
といったように、習慣は、良い行動を選択し続ければ大きな結果につながりますが、望まない行動を選択し続けてしまうととことん落ちてしまうという諸刃の剣のような強力な性質を持っています。
我々は日々を生きていく中で、常にどちらの1%を選択するかということを試されています。
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結果は小さな習慣の集合体
多くの人はどうしても甘い誘惑に抗えず、楽な方や今までの悪習慣の方に押しやられてしまうでしょう。
しかし、ここで意識してほしいのは、
- 能力
- 見た目
- 収入
など、私たちが今経験している結果はすべて、
数ある小さな習慣の集合体から創り出されている
ということです。
まさに、この本のタイトル「Atomic(原子・最小単位)Habits」に、この概念が集約されています。
私たちの肉体は無数の原子から構成されていますが、私たちの精神・アイデンティティ・能力も小さな習慣から形成された塊です。
また、個々の習慣は、あなたという人間を動かしているオペレーションシステムの一部でもあります。
目標を立てることは大事ですが、一度目標を定めたら、あとはどうすれば今日1%成長できるかということに集中し、それを達成するためのシステム作り(環境設定)に注力すべきです。
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習慣を変える正しい順序
では、なぜ悪習慣を断ち切り、良い習慣を継続するのが難しいのでしょうか?
主な理由は2つ
- 変えようとしているものが間違っている
- 間違った方法で変えようとしている
私たちは何かを変えようと思った時、闇雲に行動だけを変える努力をしてしまいがちですが、それだとほとんどの場合うまくいきません。
まず、習慣とは何かを理解する必要があります。
人が変わる時、変化のレベルは次の3層に分けられます。
- Outcome Change:望む結果に対する変化
- 体重を落としたい
- 本を出版したい
- 大会で優勝したい
- 目標設定はこのレベルで行われる
- Process Change:行動やプロセスの変化
- ジムで新しいトレーニングメニューを追加する
- 仕事の生産性を上げるために机を整理整頓する
- 習慣化はこのレベルで行われる
- Identity Change:セルフイメージの変化
- 自分はどういう人間か
- どのように世界を見ているか
- どのように自分自身と他人を判断しているか
- 根本的な観念の変化はこのレベルで起こる
それぞれの変化のレベルはすべて重要であり、どのレベルを重視すべきということではありません。
問題はその順序です。
ほとんどの人は、「こうしたい」「これが欲しい」という目先の結果(Outcome)から行動(Process)を変えようとし、もしこのまま続けていればいつかこうなれるだろうという未来への希望(Identity)を抱きます。
しかし本来は、「私は何になる」「こういう人間になる」という理想の自分(Identity)になることを決めてから行動(Process)を変え、結果的に目先の目標(Outcome)を達成するというのが正しい流れです。
- 目先の結果(Outcome)
↓
行動(Process)
↓
未来への希望(Identity)
- 理想の自分(Identity)
↓
行動(Process)
↓
目先の目標(Outcome)
すなわち、行動を変えるということは、アイデンティティを変えるということです。
例えば、
- 本を読むのが目標ではなく、読書家になるのが目標
- マラソンをするのが目標ではなく、ランナーになるのが目標
- 楽器を演奏するのが目標ではなく、ミュージシャンになるのが目標
というように、まずは何になりたいかを定める必要があります。
そうすれば、
おのずと行動が変化し、気づいた頃には求めていた結果を手に入れている
という状況になります。
さらに、
行動を変えて習慣にすると、アイデンティティも変わる
という逆方向の性質もあるため、変化のスピードが加速度的に増えていく正のループが発生します。
逆に、あなたのアイデンティティに変化がなければ、いくら行動を変えようとしても、古いセルフイメージに引き戻されてしまうので、何かと理由をつけて自分を正当化し、元の生活に戻されます。
これが、悪い習慣を断ち切るのが難しく、良い習慣を続けるのが難しい理由です。