小説を読む時は電子書籍と紙の本どっちがいい?【洋書多読】

今では書籍をデバイスにダウンロードしてデジタルで読むということが当たり前になってきていて、紙の本を買う機会が減ったという人もいるのではないでしょうか。

実際、利便性だけを考えれば電子書籍が有利です。しかし、紙の本にも捨てがたい魅力があります。

私は洋書多読を10年以上続けていますが、今でもKindleと紙の本をシチュエーションによって使い分けています。

今回は、それぞれの長所を踏まえ、特に洋書多読で小説を読む時は電子書籍と紙の本どちらがいいかを検証していきたいと思います。

この記事で説明する電子書籍についての項目は主にKindleを使用することを想定しています。

Contents

電子書籍(Kindle)で洋書の小説を読むメリット

すぐに読める

電子書籍の最大のメリットは、本を買ったらすぐに読めるということです。

  • 手持ちの本を全て読み終えてしまい、今日読む本がないとき
  • 紙の本が売り切れていて再入荷を待たなければならないとき
  • 出先で不意に時間ができて本を読みたくなったとき

など、急を要する時にありがたみを感じますが、特に恩恵を受けるのはアメリカのAmazon.comなど海外のAmazonからKindle本を購入するときです。

紙の本を海外のAmazonで買った場合、商品が届くまでどうしても1週間くらいかかってしまいます。

積読するならいいのですが、手元に読む本がない場合、1週間の学習機会を損失してしまうことになります。

あと、国内のAmazonだと紙の本が品切れの場合が結構あります。

また、海外のAmazonに売られているものでも、国内のAmazonでは取り扱い自体がない場合があります。

そのようなストレスをいちいち感じずにスマートに購入できるのは電子書籍の大きな魅力です。

ただし、海外のAmazonでKindle本を購入する場合、アカウントを新規作成するか、Amazon.jpのアカウントと統合しなければなりません。

また、Kindle端末を使用する場合、いちいちログアウトをしてアカウントを切り替えなければいけないのが少々不便です。

また、海外のAmazonと取引することに抵抗があるという人もいるかと思います。

そんな人には紀伊国屋書店が提供する電子書籍Kinoppyというサービスも選択肢に入ってきます。

中にはAmazonよりも低価格な商品もあるので、洋書を買う場合は常に比較するというのもアリだと思います。

紙の本より安く買える

Kindleの場合、ペーパーバックよりも割安な価格で売られている場合がほとんどです。

特に最近では、円安の影響による輸送コストの高騰で、価格が2倍以上違う場合も珍しくありません。

Amazon.comですと、割とペーパーバックが値崩れを起こしてることがありますが、日本に輸入する場合は輸送費が掛かるので、結局Kindleの方が安く済みます。

多読中心で英語学習をしていて月に何冊も読むという人にとっては、何千円という差が出てくるので、この価格差というのは軽視できない問題です。

辞書がすぐ使える

基本的に多読をしているときには辞書を使わないことを推奨していますが、それでもストーリーの流れの中でどうしても意味を調べる必要が出てくる場合もあるかと思います。

Kindleであれば単語をワンクリックすればすぐに辞書が開くので、物語の世界観への集中を極力切らさずに最低限の意味や定義を調べることができます。

また、Kindleには難しい単語の上に簡単な意味を表示してくれるWord Wiseという機能があります。

この機能は自転車の補助輪みたいなものなので、いずれはオフにして読みたいところですが、多読初心者の人は挫折しないで1冊の本を読み切ることが最優先なので、難しいと感じた場合は積極的に使っていきましょう。

しかし、基本的には辞書を使わないで読み進めるというのが多読のルールなので、辞書をすぐ使えてしまうということがデメリットになる場合もあります。

人間はどうしてもあるものは使ってしまうので、多読をストイックにやりたい場合はあえて紙の本で行うというのも悪くありません。

ボキャビルに使える

コンテンツが全てデジタルのテキストデータなので、本文の一部を例文として暗記アプリにコピペすることができます。

多読で使った素材を精読にも使う場合は非常に便利です。

また、KIndle自体にもボキャビル機能(単語登録・フラッシュカード)が付いているので、多読をしながらでもあまり集中を切らさずに語彙を増やすことが可能です。

紙の本で洋書の小説を読むメリット

モチベーションが上がる

小説を紙の本で読む最大の(人によっては唯一の)メリットであり、この一点で電子書籍のすべてのメリットを凌駕する可能性があるのが、モチベーションの上がり方です。

理由は主に4つあります。

  • 洋書を読んでいる状況での己陶酔
  • 物理的な重さによる読後の達成感
  • 本棚に本が増えていくことによる積み重ね感
  • おしゃれな装丁

まず、洋書を読んでいるという状況に自己陶酔できます。

センスのいいカフェなどでスマートに英語の本を開く姿は、それだけでセルフイメージを上げてくれて、気分が良くなります。

げん丸

天気のいい日にきれいな公園のベンチでのんびり読むのもおすすめブヒよ

日本の文庫本に比べ、ペーパーバックはサイズも厚みもあるので、読後に得る「一冊読み切った!」という達成感が大きく、かなりの自信になります。

また、印象的な装丁や重みは潜在意識に記憶として定着しやすく、その本を読んでいた時の周りの雰囲気や物語の世界の空気感が五感を通して蘇ります。

そのようにして思い出深い本が本棚にだんだん並んでいくのを眺めることによって、地道に英語学習を続けているという積み重ね感が自己肯定感となり、モチベーションを常に高い状態に維持できます。

さらに、洋書は装丁がおしゃれなものが多いので、手元にあるだけでウキウキしますし、読んだ後もただ本棚に収納しているだけでインテリアとして成立します。

実際の本棚

記憶が定着しやすい

最近の研究では、電子書籍よりも紙の本で読んだときの方が記憶の定着率や内容に対しての利害度が高くなるというデータがあります。

参考文献:Don’t throw away your printed books: A meta-analysis on the effects of reading media on reading comprehension

私も電子書籍と紙の本を両方使っていて、実際にそのような感覚があります。

私の体感やの妄想的仮説も交えますが、理由は主に3つあります。

  • ページをめくるという行為
  • 進捗が直感的に把握できる
  • 情報媒体としての歴史の長さ

ページをめくるという行為

まず、ページをめくるという物理的な行動により、五感を通して様々な感覚を一度に感じることができます。

  • 指先で感じる紙の質感
  • インクや紙自体の匂い
  • ページをめくる時に発する音
  • 本を持っている時に感じる重み

などの原始的な感覚が複雑に絡み合った結果、潜在意識に情報として記憶され、その時読んでいる内容との紐付けがより強固なものになっているのではないかと考えます。

進捗が直感的に把握できる

また、物理的な紙の本の厚みが現在地の座標になり、進捗が直感的に把握できるということもあります。

電子書籍でも残りのページ数や進捗度を示す数値は表示されますが、やはり数字のみで示されるのと物理的なページの位置で感じるのでは意識に入ってくる情報量が違います。

残りのページ数が少なくなってくると、

えいじ

そろそろクライマックスだな

えいじ

残り数ページでこの展開だけど、こっからどうやってエンディングに持っていくの?

というように、電子書籍では感じにくい肌感覚のようなものを持ちながら読み進めることができ、物語への印象度も多少変わってきます。

情報媒体としての歴史の長さ

あとは、情報媒体としての歴史が長いというのもあります。

紙の本に比べ電子書籍の歴史は浅く、DNAレベルだと我々の脳はまだスクリーンに映し出された文字を情報として認識する回路が弱いのではないのでしょうか。

もちろん、顕在意識では文字として認識しますが、潜在意識レベルだと情報として意識に入ってきにくいのではないかと感じています。

一方で印刷物の歴史は長く、紙に書かれた文字というのは我々のDNAにとっては情報と認識するのに抵抗がないので、すんなり情報が入ってくるということが考えられます。

結局は慣れの問題の可能性も

ここまで色々仮説を並べ立てて説明してきましたが、結局は慣れの問題という可能性もあります。

実際、電子書籍を使い始めた頃はスクリーンで読書をするということに慣れておらず、なかなか集中できなかったのですが、毎日使っているとだんだんと抵抗がなくなっていき、今では紙の本とあまり変わらない感覚で読むことができています。

ただ、体感的に集中力をより長く持続できるのは紙の本を読んでいる時です。

売れる・貸し借りができる

紙の本は電子書籍より割高ですが、読み終わったら本を売却できるというメリットがあります。

ただし、洋書は一般の人には需要がないので、街の古本屋などに持って行っても値段がつきません。

一方で全国を見渡せば、我々のような洋書Tadokistが一定数おり、メリカリやAmazonマーケットプレイスなどで売り出せば、そこそこの値段がつきます。

全国的に中古洋書の流通は極めて少ないので、洋書を少しでも安く買いたいと思っている層の人たちとっては、半額や新品より数百円安いだけでも十分競争力のある価格ではないでしょうか。

あとは、物理的な本なので、他の人とシェアできるというのもあります。

げん丸

けど、そもそも洋書を貸し借りできるような人が周りにいないってゆう問題はあるブヒな!

電子書籍と紙の本の使い分け方

電子書籍と紙の本、それぞれ捨てがたいメリットがあるので、どちらか一つということではなく、できれば状況によって使い分けていきたいところです。

では、どのように使い分けていけばいいのでしょうか?

実際に使ってたどり着いた私の電子書籍と紙の本の使い分け方を紹介するので、参考になれば幸いです。

Audibleと併用する時はKindle

私が電子書籍を使うのは、Audibleと同時進行で読み進めるときです。

理由は主に3つあります。

  • どちらかというとトレーニング目的
  • スマホ一台で完結する
  • Kindle端末とスマホの同期ができる

まず、Audibleと並行して読み進める場合は、どちらかというと読書というよりは英語のトレーニングという側面が強いからです。

一度の学習でリスニングとリーディング、さらには副次的にシャドーイングの効果も得られる非常に効率の良い学習方法ですが、効果が高い分負荷も高いです。

物語の世界にどっぷりと浸かるというよりは、投げかけられた英語にリアルタイムで反応して情景を描いていくという感覚なので、背後にあるキャラクターの心情や著者の意図などをじっくり咀嚼しながら読むということにはあまり向いていません。

あとは、スマホ一台で完結するというのもひとつの要因です。

実際の本を持ち歩かなくても、スマホとイヤホンさえあれば、いつでもどこでも学習を行うことができます。

おそらく多くの人は、外出時にはスマホとイヤホンは持ち歩いているかと思うので、特に意識せずに思い立った時にできるというのが魅力です。

さらに、Kindle端末とスマホの同期ができるというのも便利です。

私は普段Kindle書籍を読むときは、Kindle Voyage(生産終了:現在のKindle Oasisに相当)を使っているのですが、外出時に端末を持っていくのを忘れることが多々あるので、そのときは仕方なくiPhoneのKindleアプリで読みます。

そして、その後KIndle端末を開いたときに、前回iPhoneで読んだ箇所の続きから表示させることが可能なので、いちいちページを手動で進める必要がありません。

この機能は地味に助かっており、多読多聴への心理的障壁を低くしてくれています。

単体で読む時は紙の本

一方、私が紙の本で小説を読むのは、多読のみを単体で行うときです。

理由は主に3つあります。

  • 没入感が得られる
  • 勉強というよりも趣味
  • じっくり読みたい

まず、没入感を得られるということです。

紙の本の方がじっくり本と向き合うことができ、物語の世界観に奥行きが生まれ、まるでその世界の住人になったかのようにすんなりと入っていくことができます。

これは非常に感覚的なことなので言葉では説明しづらいのですが、電子書籍の方が感じる世界がフラットになり、情緒的な感覚よりも情報としての状況説明というような印象が少し強くなります。

特にファンタジー色の強い作品や児童向けの小説などを読んだ時に顕著です。

また、先ほどのAudibleを併用した学習方法とは反対に、こちらは勉強というよりも純粋な趣味に近い感覚なので、利便性や効率を求めるのではなく、いかにその作品を楽しめるかというのを重視しています。

装丁のデザインや本のサイズなど、あらゆる要素を含めてその作品を堪能したいのです。

趣味というのは、

  • 普段しないことをする
  • 普段していることから離れる
  • 不便を楽しむ

という側面もあります。

なので、普段仕事でパソコンの画面を一日中見ている私にとっては、便利さよりもページをめくる動作であったり、光を発していないものを見て内容に没頭するという方が価値があるということになります。

また、時には過去のストーリー展開やキャラクターの心情を改めて確認して、理解を深めながら作品をじっくり読みたいというのも理由の一つです。

紙の本であれば、過去のページをさっと確認してまた元のページに戻ってくるということが一瞬でできます。

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えいじ

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個人的には紙の本が好き、でも電子書籍の割合が高くなってきた

結論としては、洋書の小説を読むときは、

  • 利便性やコストを重視するなら電子書籍
  • より作品に没頭する、情緒的な感覚を味わうという目的なら紙の本

ということになります。

個人的には今でも紙の本が好きです。

しかし最近では、Kindleで購入することが増えてきました。

まず、ペーパーバックの価格が高騰し、Kindle本との価格差が看過できない大きさになってきたということがあります。

また、Kindle端末で本を読むことに対して違和感がなくなってきたことも影響しています。

さらに、最近では音楽もCDからサブスクのストリーミングで聞くようになったように、本も所有するということにこだわらなくなってきたということもあります。

今回は洋書の小説を読むときにフォーカスしてそれぞれの特徴を説明しましたが、最後に一般的なメリット・デメリットを簡単な比較表にまとめました。

電子書籍(Kindle)紙の本
暗い場所でも読める 照明がないと読めない
スマホがあれば読める 持ち運びが煩わしい
別の端末で続きから読める 本を忘れると読めない
世界中のAmazonから購入可能 手軽に入手できない
進み具合が感覚的に掴みづらい 現在の位置を直感的に把握できる
バッテリーが切れると読めない 電力を必要としない
目が疲れやすい 目に優しい
電子書籍(Kindle)と紙の本の一般的なメリット・デメリット
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