洋書で英語多読をするときはKindleとペーパーバックどちらがいいのか?
最近は電子書籍で本を読むことが増え、紙の本を買う機会が減った…
という人も多いかと思います。
実際、利便性だけを考えれば、電子書籍に軍配が上がります。
しかし、紙の本にも捨てがたい魅力があります。
私は洋書多読を10年以上続けていますが、今でもKindleと紙の本を状況によって使い分けています。
では、どうすれば両者をスマートに使いこなせるのでしょうか?
そこで、今回お話しするテーマがこちら、
- Kindleで洋書の小説を読むメリット
- 紙の本で洋書の小説を読むメリット
- Kindleと紙の本の使い分け方
それでは、始めていきましょう。
Kindleで洋書の小説を読むメリット
Kindleで英語の小説を読むのはどのようなメリットがあるのでしょうか?
ポイントは4つ
- すぐに読める
- 紙の本より安く買える
- 辞書がすぐ使える
- ボキャビルに使える
詳しく解説していきます。
すぐに読める
電子書籍の最大のメリットは、本を買ったらすぐに読めるということです。
- 手持ちの本を全て読み終えてしまい、今日読む本がないとき
- 紙の本が売り切れていて再入荷を待たなければならないとき
- 出先で不意に時間ができて本を読みたくなったとき
など、急を要する時にありがたみを感じますが、特に恩恵を受けるのは、アメリカのAmazon.comなど海外のAmazonからKindle本を購入するときです。
紙の本を海外のAmazonで買った場合、商品が届くまでにどうしても1週間くらいかかってしまいます。
積読するならいいのですが、手元に読む本がない場合、1週間の学習機会を損失してしまうことになります。
また、洋書の場合、国内のAmazonだと紙の本が品切れの場合が結構あり、そもそも国内のAmazonでは取り扱い自体がない場合もあります。
そのようなストレスをいちいち感じる必要がなく、スマートに購入できるのはKindleの大きな魅力です。

紙の本より安く買える
Kindle本はペーパーバックよりも割安な価格で販売されている場合がほとんどです。
特に最近では、円安の影響による輸送コストの高騰で、価格に2倍以上に差があることも珍しくありません。
Amazon.comですと、割とペーパーバックが値崩れを起こしてることがありますが、日本に輸入する場合は輸送費が掛かるので、結局Kindleの方が安く済みます。
多読中心で英語学習をしていて、洋書を月に何冊も読む…
という人にとって、この価格差は軽視できない問題です。

辞書がすぐ使える
基本的に、多読をしているときは辞書を使わないことを推奨していますが、それでもストーリーの流れの中でどうしても意味を調べる必要が出てくる場合もあるかと思います。
Kindleであれば、ワンクリックで辞書が開くので、物語の世界観への集中を極力切らさずに、最低限の意味や定義を調べることができます。
また、Kindleには難しい単語の上に簡単な意味を表示してくれるWord Wiseという機能があります。
この機能は自転車の補助輪みたいなものなので、いずれはオフにして読みたいところですが、多読初心者の人は挫折しないで1冊の本を読み切ることが最優先なので、難しいと感じた場合は積極的に使っていきましょう。
しかし、基本的には辞書を使わないで読み進めるというのが多読のルールなので、辞書をすぐ使えてしまうということがデメリットになる場合もあります。
人間はどうしてもあるものは使ってしまうので、多読をストイックにやりたい場合はあえて紙の本で行うというのも悪くありません。

ボキャビルに使える
コンテンツが全てデジタルのテキストデータなので、本文の一部を例文として暗記アプリにコピペすることができます。
多読で使った素材を精読にも使う場合は非常に便利です。
また、KIndle自体にもボキャビル機能(単語登録・フラッシュカード)が付いているので、多読をしながらでも、あまり集中を切らさずに語彙を増やすことが可能です。

紙の本で洋書の小説を読むメリット
では、紙の本で英語の小説を読むメリットはあるのでしょうか?
ポイントは3つ
- モチベーションが上がる
- 記憶が定着しやすい
- 売れる・貸し借りができる
詳しく解説していきます。
モチベーションが上がる
洋書を紙の本で読む最大のメリットであり、この一点で電子書籍のすべてのメリットを凌駕する可能性があるのが、モチベーションの上がり方です。
主な理由は4つ
- 洋書を読んでいる状況での己陶酔
- 物理的な重さによる読後の達成感
- 本棚に本が増えていく積み重ね感
- おしゃれな装丁
まず、洋書を読んでいるという状況に自己陶酔できます。
センスのいいカフェなどでスマートに英語の本を開く姿は、それだけでセルフイメージを上げてくれて、気分が良くなります。
また、日本の文庫本に比べ、ペーパーバックはサイズも厚みもあるので、
えいじ一冊読み切ったぞ!
という達成感が大きく、かなりの自信になります。
印象的な装丁は潜在意識に記憶として定着しやすく、その本を読んでいた時の周りの雰囲気や物語の世界の空気感が五感を通して蘇ります。
そして、思い出深い本が本棚にだんだん並んでいくのを眺めることによって、地道に英語学習を続けているという積み重ね感が自己肯定感となり、モチベーションを常に高い状態に維持できます。
さらに、洋書は装丁がおしゃれなものが多いので、手元にあるだけでウキウキしますし、読んだ後もただ本棚に収納しているだけでインテリアとして成立します。


記憶が定着しやすい
最近の研究では、電子書籍よりも紙の本で読んだときの方が記憶の定着率や内容に対しての理解度が高くなるというデータがあります。
私も電子書籍と紙の本を両方使っていて、実際にそのような感覚があります。
私の体感や妄想的仮説も交えますが、主に3つの理由が考えられます。
- ページをめくるという行為
- 進捗が直感的に把握できる
- 情報媒体としての歴史の長さ
それぞれ説明していきます。
ページをめくるという行為
まず、ページをめくるという物理的な行動により、五感を通して様々な感覚を一度に感じることができます。
- 指先で感じる紙の質感
- インクや紙自体の匂い
- ページをめくる時に発する音
- 本を持っている時に感じる重み
などの原始的な感覚が複雑に絡み合った結果、潜在意識に情報として記憶され、その時読んでいる内容との紐付けがより強固なものになっているのではないかと考えます。

進捗が直感的に把握できる
また、物理的な紙の本の厚みが現在地の座標になり、進捗が直感的に把握できるということもあります。
電子書籍でも残りのページ数や進捗度を示す数値は表示されますが、やはり数字のみで示されるのと物理的なページの位置で感じるのでは、意識に入ってくる情報量が違います。
残りのページ数が少なくなってくると、
えいじそろそろクライマックスだな
えいじ残り数ページでこの展開だけど、こっからどうやってエンディングに持っていくの?
というように、電子書籍では感じにくい肌感覚のようなものを持ちながら読み進めることができ、物語への印象度も多少変わってきます。
情報媒体としての歴史の長さ
あとは、情報媒体としての歴史が長いというのもあります。
紙の本に比べ電子書籍の歴史は浅く、DNAレベルだと我々の脳はまだスクリーンに映し出された文字を情報として認識する回路が弱いのではないのでしょうか。
もちろん、顕在意識では文字として認識しますが、潜在意識レベルだと情報として意識に入ってきにくいのではないかと感じています。
一方で、印刷物の歴史は長く、紙に書かれた文字は我々のDNAにとって情報と認識するのに抵抗がないので、すんなり内容が入ってくるということが考えられます。
結局は慣れの問題の可能性も
ここまで色々仮説を並べ立てて説明してきましたが、結局は慣れの問題という可能性もあります。
実際、電子書籍を使い始めた頃はスクリーンで読書をするということに慣れておらず、なかなか集中できなかったのですが、毎日使っているとだんだんと抵抗がなくなっていき、今では紙の本とあまり変わらない感覚で読むことができています。
ただ、体感的に集中力をより長く持続できるのは、やはり紙の本を読んでいる時です。

売れる・貸し借りができる
紙の本は電子書籍より割高ですが、読み終わったら本を売却できるというメリットがあります。
ただし、洋書は一般の人には需要がないので、街の古本屋に持って行っても値段がつきません。
一方で全国を見渡せば、我々のような洋書Tadokistが一定数おり、メリカリやAmazonマーケットプレイスなどで売り出せば、そこそこの値段がつきます。
全国的に中古洋書の流通は極めて少ないので、洋書を少しでも安く買いたいと思っている層の人たちとっては、半額でも大変魅力的です。
本によっては、新品より数百円安い値段でも十分競争力のある価格になります。
あとは、物理的な本なので、他の人とシェアできるというのもあります。
げん丸けど、洋書を貸し借りできるような人が周りにいないってゆう問題はあるブヒな!
洋書を読む時のKindleと紙の本の使い分け方
では、Kindleと紙の本はどのように使い分けていけばいいのでしょうか?
ここでは例として、実際に私がKindleと紙の本をどのように使い分けているかという基準を紹介します。
ポイントは2つ
- Audibleと併用する時はKindle
- 単体で読む時は紙の本
詳しく解説していきます。
Audibleと併用する時はKindle
私が電子書籍を使うのは、Audibleと同時進行で読み進めるときです。
理由は3つ
- どちらかというとトレーニング目的
- スマホ一台で完結する
- Kindle端末とスマホの同期ができる
まず、私がAudibleと並行してKindleを読むのは、読書というよりは、英語のトレーニングという意識で行っているので、紙の本で得られるような情緒的な感覚はそこまで重視していないというのが理由です。
あとは、スマホ一台で完結するというのもひとつの要因です。
実際の本を持ち歩かなくても、スマホとイヤホンさえあれば、いつでもどこでも学習を行うことができます。
おそらく多くの人は、外出時にはスマホとイヤホンは持ち歩いているかと思うので、特に意識せずに思い立った時に学習ができるというのが魅力です。
さらに、Kindle端末とスマホの同期ができるというのも便利です。
私は普段Kindle書籍を読むときは、Kindle Voyage(生産終了:現在のKindle Oasisに相当)を使っているのですが、外出時に端末を持っていくのを忘れることがあるので、そのときは仕方なくiPhoneのKindleアプリで読みます。
そして、その後KIndle端末を開いたときに、前回iPhoneで読んだ箇所の続きから表示させることが可能なので、いちいちページを手動で進める必要がありません。
この機能は地味に助かっており、英語学習への心理的障壁を低くしてくれています。
Audible×Kindle同時進行での学習方法については、
の記事で詳しく解説しているので、興味があれば読んでみてください。
単体で読む時は紙の本
一方、私が紙の本で小説を読むのは、多読を単体で行うときです。
理由は3つ
- 没入感が得られる
- 勉強というよりも趣味
- じっくり読みたい
電子書籍に比べ、紙の本の方を読んでいる時の方がじっくり本と向き合うことができ、物語の世界観に奥行きが生まれ、まるでその世界の住人になったかのような深い没入感を得られます。
これは非常に感覚的なことなので言葉では説明しづらいのですが、電子書籍の方が感じる世界がフラットになり、情緒的な感覚よりも情報としての状況説明というような印象が少し強くなります。
特にファンタジー色の強い作品や児童向けの小説などを読んだ時に顕著です。
また、先ほどのAudibleを併用した学習方法とは反対に、こちらは勉強というよりも純粋な趣味に近い感覚なので、利便性や効率を求めるのではなく、いかにその作品を楽しめるかというのを重視しています。
装丁のデザインや本のサイズなど、あらゆる要素を含めてその作品を堪能したいのです。
趣味というのは、
- 普段しないことをする
- 普段していることから離れる
- 不便を楽しむ
という側面もあります。
そのため、普段仕事でパソコンの画面を一日中見ている私にとっては、便利さよりもページをめくる動作であったり、光を発していないものを見て内容に没頭するという方が価値があるということになります。
また、過去のストーリー展開やキャラクターの心情を改めて確認して、理解を深めながら作品をじっくり読みたいというのも理由の一つです。
紙の本であれば、過去のページをさっと確認して、また元のページに戻ってくるということが一瞬でできます。
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おわりに

結論としては、洋書の小説を読むときは、
- 利便性やコストを重視するなら電子書籍
- より作品に没頭する、情緒的な感覚を味わうという目的なら紙の本
ということになります。
しかしながら、Kindleで読むにせよ、紙の本で読むにせよ、洋書多読の面白さは変わりません。
ぜひ、あなたの使い心地がいいと思う方法で読書を楽しんでもらえればと思います。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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