Atomic Habitsをわかりやすく解説【洋書要約】

習慣を形成する4つのステップ

フレンチブルドッグと本(アトミックハビット)

では、どのように行動のループが発生し、習慣となるのでしょうか?

習慣形成の4ステップ

  • Cue(きっかけ・動機)
  • Craving(欲求)
  • Response(反応)
  • Reward(報酬)

この4つの段階を経ることによって、習慣のループが形成されます。

そして、この4ステップは全ての習慣の根幹であり、例外はありません。

その前に、まずは習慣の定義を説明します。

  • 習慣とは、ある行動を十分な回数繰り返し行うことで自動化すること
  • 習慣の最大の目的は、ある問題を最小限の労力とエネルギーで解決すること

ある行動が習慣化されていない段階では、常に選択と判断を迫られ、脳の神経回路が活発に動いている状態です。

しかし、同じ行動を一定回数繰り返していると、意識的な判断を必要としなくなり、やがて全ての工程をほぼ全自動で行うことが可能になります。

それでは、どのようにそのループが形成されるのか、それぞれのステップを詳しく解説していきます。

Cue

Cueは、最終目標であるReward(報酬)のヒントとなる情報です。

また、Cravingを起こすトリガーとなるものでもあります。

我々の意識は常に周りの環境から情報を収集し、報酬につながるものはないかと分析しています。

これは太古の昔から我々人類に備わる生存本能で、過去の経験から、

  • 食物
  • 性交渉

など、求めているものが得られる場所のヒントとなるサインを察知する能力です。

これらは極めて直接的な欲求ですが、

  • お金
  • 名声
  • 権力
  • 交友関係

など、現代の間接的な欲求にも適用されます。

なぜなら、Rewardは物理的な対象物ではなく、そこから得られる状態感覚だからです。

Craving

Cravingは、Cueを察知して、実際に感情が動くフェーズです。

あくまでも感情なので、実際の行動そのものを欲しているわけではなく、そこから得られる感情や感覚を欲しているということです。

例えば、

  • タバコを吸いたくなるのは、タバコを吸う行為をしたいのではなく、一服してホッとする感覚を欲しているため
  • 歯を毎日磨くのは、その行為自体がしたいのではなく、磨いた後の口の中がさっぱりした感覚を欲しているため
  • テレビをつけるのは、テレビ自体ではなく、そこから得られる楽しみを欲しているため

というように、Cueそれ自体に意味はなく、Cravingに紐づくことによって初めて意味を持ちます

Response

Responseは、Cravingが原動力となって、実際に行動(または思考)に移すフェーズです。

実際に行動するかどうかは、Cravingの大きさによりますが、次の条件を満たさなければResponseに移行しません。

  • そのRewardを得るために費やす労力やエネルギーが自身の許容範囲内である
  • そのRewardを得るための能力が自身に備わっている

習慣化をする上では、特に1つ目の条件をマネージメントするのが鍵となります。

Reward

Rewardは、あらゆる習慣の終着点です。

また、

  • CueはRewardを察知すること
  • CravingはRewardを欲すること
  • ResponseはRewardを獲得すること

というように、他の3つのフェーズの出発点でもあります。

あなたはそのRewardで欲求を満たすと同時に、どのようにして獲得できたかということを成功体験から学習し、Cueとしてあなたの脳に保存されます。

そして、今後似たような条件下に置かれると、そのCueがトリガーとなって、

Craving → Response → Reward

という一連の流れが再現されます。

げん丸

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習慣のループ

人間の脳は常にどの行動(Response)報酬(Reward)に繋がったかモニタリングをしながら、サイン(Cue)を見つけたらどのように行動すれば成功するのかを記憶しているので、次に行動に移すときは前回よりも少ない労力とエネルギーで実行することが可能です。

このようにして習慣のループがどんどん加速していきます。

習慣のループ(Habit Loop)

一度ハマると抜けられそうにない習慣のループですが、実は脆弱性があります。

この4つのフェーズのどれか1つでも不十分な状態に陥ると、ループが解消される

ということです。

具体的に説明すると、

  • Cueが取り除かれると、アクションが起こらない
  • Cravingを小さくすれば、アクションを起こす気にならない
  • 行動自体(Response)を難しくすれば、アクションを実行できない
  • Rewardで満足できないと知れば、それ以上アクションを起こそうと思わない

ということになります。

したがって、この法則を知っていると、

  • 悪い習慣を断ち切りたいときは、意図的にどれか一つのフェーズを機能不全にする
  • 良い習慣を継続したいときは、それぞれのフェーズを強化または維持するように努める

というように、対処方法を明確にすることができます。

では、どのように習慣をコントロールすればいいのでしょうか?

ポイントは4つ

  • Make it obvious明確にする)
  • Make it attractive魅力的にする)
  • Make it easy簡略化する)
  • Make it satisfying楽しみにする)

本書では、具体的な方法をこの4つの法則に基づいて提唱しています。

それでは、それぞれの法則を見ていきましょう。

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