英語学習において、インプット理論とアウトプット理論、相反する考え方が蔓延っています。
ある程度英語を学んできた英語中級者の人が今後上級者を目指すにあたり、どちらを優先して学習を行えば良いのか迷っている人も少なくないと思います。
結論から言いますと、圧倒的にインプットの方が重要です。
割合としては、9:1くらいでしょうか。
それでは詳しく説明していきます。
- 中級者の壁を超えてブレークスルーを経験したい英語学習者
- 楽しみながら英語力を維持をしていきたい上級者
- 使える英語を本気で会得したいと思っている人
- 英語を生涯学習として継続して行うと心に誓った人
- 趣味で英語学習を続けている人
- 1日の学習時間が限られている社会人
英語学習でアウトプットよりもインプットを優先すべき理由
それではアウトプットは全くしなくて良いのかと思うかもしれません。
確かにしないよりはした方が良いということは間違いありません。
しかしながら、アウトプットの優先度は低く、インプットを犠牲にしてまでやる必要性はあまり高くありません。
それにはいくつか理由があります。
アウトプットでの英語力向上はあまり見込めない
日々の継続的なインプットがあってこそのアウトプットです。
アウトプット自体には英語力アップの効果はあまり期待できません。
例えば、野球が上手くなるには、素振りやキャッチボールなど、日々の基礎練習が欠かせません。
毎日試合ばかりしていても下手にはなりませんが、能力は現状維持か極めて緩やかに向上するかです。
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アウトプットは試合みたいなもんってことブヒな
試合(アウトプット)を通して、
- 何が足りなかったか
- 明日からの練習で何を意識して、どのようなことに取り組めば良いのか
という、具体的な課題を洗い出すにはすごく効果的です。
また、アウトプットを持続的に行う効用として、
- 対人での緊張感の低減
- レスポンスの向上
- 自分の考えがまとまる、言いたいことが明確になる
- 生身の人間と英語を話しているという高揚感が得られ、モチベーションアップに繋がる
ということが挙げられます。
実力(インプット)以上のものは試合(アウトプット)では出せない。
必ずしもアウトプットに昇華させるのが目的でなくても良い
大人になってから英語を勉強する人の理由はそれぞれです。
もちろん仕事でどうしてもTOEICのスコアを取らなければならないという人もいるかと思います。
ただ大半の人はなんとなく、
- 英語がペラペラになって、外国人と流暢に会話がしたい
- 急に街中で道を聞かれても、慌てず答えられるくらいにはなりたい
- 単純に英語が喋れた方がかっこいいから
など、英会話の上達をイメージしてる方が多いのではないでしょうか?
私も最初はそうでした。
しかし、英語学習を長く続けていくうちに、
- 英語を英語のまま理解したい
- 小説を原著で読みたい
- 映画や海外ドラマを字幕なしで楽しみたい
と思うようになり、
必ずしも英会話が上達することだけが英語学習の目的ではないのではないかと考えるようになりました。
ソロキャンプがあるようにソロ英語もあっていい。
オンライン英会話や英会話教室はやった気になるので注意
正直、洋書多読や多聴は続けていても、すぐに効果を実感しにくいという性質があります。
一方で、オンライン英会話や英会話教室で1時間レッスンを受けた後は、誰かと英語で話したという高揚感と、軽くジョギングした後のような爽快感・疲労感に満たされます。
脳が1時間フル回転していたため、それはものすごく「やった感」が出て、
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いやー、今日も英語学んだなー
と満足してしまい、他のやるべき地道なタスクが疎かになる危険性があります。
英会話はあくまでも息抜きや趣味の範囲に留めておきましょう。
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週5で英会話レッスンを受けているのに、なかなか上達しないな!
という状態に陥る危険性が高いです。
もちろん、純粋に英会話が好きで、
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上達うんぬんは抜きにして、ただ楽しいからやってるんだよ!
という場合は全然OKです!
日々の学習の成果を実際の会話で発揮することをモチベーションにしょう。
英語で読書や映画を楽しむことが目的の場合はアウトプットは不要
特に私のようなやや内向的な性質を持っている人間には、英会話以前の問題として、単純に人と会話するのが億劫に感じることがしばしばあるということです。
お金と時間を掛けて英会話教室やオンライン英会話をだらだらやるくらいなら、今読んでいるこの本の続きが早く知りたいと思ってしまうのです。
アウトプットはあくまでもインプットで培った能力を駆使して、他者とコミュニケーションを取ること。
無理にアウトプットに時間を割かなくても英語力は問題なく向上します。
仮に他者とのコミュニケーションが必要になった場合も、大量のインプットとそれによって得た知識や考察によって、普段会話の練習をしていなくても、自分の言いたいことをより深く的確に伝えることができると実感します。
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SNSでの投稿やスピーチなど一方通行の発信もアウトプットなのブヒ?
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うん、コピペではなく、ちゃんと自分の言葉で発信したなら、それは立派なアウトプットだよ
![](https://gen-log.com/wp-content/uploads/2023/08/英語上級者になるための必須学習法【洋書多読】で大量のインプットを実現《導入編》-1.jpg)
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洋書・洋画・海外ドラマなどで得た知識や表現は、知らないうちに自分でも使っていることに気付く。
流暢に話せるようになることはおまけ程度
誰しもネイティブ並みのアクセントと流暢さで話せたらと夢見ているかと思います。
あなたがまだ10代半ばで、英語圏の国に留学してそのまま大人になれば可能かもしれません。
しかし、日本で生まれ育った我々にとって、それはものすごく高いハードルです。
一生実現できないと言っても過言ではありません。
また、日本人アクセントが抜けないために、自信を持って人前で英語を話すことができない方もいるかもしれません。
ですが、心配無用です。
ゴリゴリのサムライアクセントでも、自信を持って、大きな声で淀みなく話せば、必ず伝わります。
むしろ自信なさげに、合っているかどうかを気にしながらボソボソしゃべったり、文法的に完璧な構文を求めてしまい、変な間を開けてリズムが悪くなる方がよっぽど伝わりません。
むしろネイティブの人たちにとって、個性的なアクセントは魅力的。
一番の目的は内容や相手の言っていることを理解すること
他者との会話において一番重要なことは、相手の言っていることを理解し、思いを共有することです。
流暢に話すことではありません。
そして、理解をすれば必ず返せるようになります。
完璧な英文で返せなくても、自分の知っている単語や表現を駆使して、相手との会話を続けることができます。
必ずしも会話のみで伝え切る必要はありません。
時にジェスチャーや図・イラストを用いて、足りない部分を補ってあげればいいのです。
日本語で話している時も自然とそのようにしているはずです。
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オラなんかだいたいアイコンタクトで伝わるブヒよ
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げん丸くんはだいたいおやつかおもちゃだからね笑
会話力は人間力。心を込めて伝えれば必ず伝わる。
音読やシャドーイングはアウトプットではない
音読やシャドーイングなどの発声練習は確かに出力(アウトプット)していますが、
本来の意味でのアウトプットではありません。
感情を込めず、自分以外の誰かが作成した文章をただ音読しても、それは英文をうまく発声する練習にはなりますが、英会話が上達するわけではありません。
現に私は音読やシャドーイングは個別の学習としては行なっていません。
あくまでも、本当の会話をする前の準備として、ストレッチ感覚で5分から10分程度の短時間で行うのみです。
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いきなり声を出すと上手くしゃべれないことがあるブヒな
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喉を開いて息をたっぷり使って発声するように意識するといいよ
音読やシャドーイング、口や喉の筋肉を「英語モード」にシフトするのには効果的。
具体的な学習プラン例
では、実際にどのような内容で学習を進めていけばいいのか、一例として私の学習ルーティンを簡単にご紹介します。
- リーディング(多読)… 小説・ビジネス書・サイエンス・雑誌など
- リスニング(多聴)… ポッドキャスト
- リーディング + リスニング(多読 + 多聴)… 小説 + オーディブル
- リーディング + リスニング(精読 + 精聴)… TED Talks
アウトプットに関して、以前は週1〜2回程度、オンライン英会話のレッスンを30分または60分受講していました。
現在、可処分時間が限られており、インプットの時間を確保するため、定期的なアウトプットの練習は行なっていません。
不定期で会話する機会がありますが、以前よりも理解度やレスポンスが向上していると実感しています。
![](https://gen-log.com/wp-content/uploads/2024/06/1724_90min-learning-plans-2.png)
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英語学習はインプットのみでも全く問題なし
![](https://gen-log.com/wp-content/uploads/2024/06/Conclusion-7.png)
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以上の通り、語学習得には何と言ってもインプットがなければ話になりません。
確かなことは、インプットしたことしかアウトプットできないということです。
アウトプットがインプットを超えることはあり得ません。
それどころか、アウトプットの練習を一切しなくても、インプットを正しい方法で継続して行なっていれば、アウトプットが勝手に引っ張られて底上げされます。
なので、特に会話の練習をしていなくても、潤沢なインプットの泉から水が湧き出るように、滑らかに、自然に、無意識的に口から出てくるようになります。
結果的に、絞り出す回数が格段に減ります。
また、直訳する癖が無くなるので、もし特定の単語が出てこない場合でも、代替案の候補がすぐに思い浮かびます。
英語学習におけるインプットとは文法や単語を暗記することではありません。
あくまでも、英語を使用して、新しい知識を得たり見解を広げることです。
その際に、副次的に単語や文法や表現方法などが、自然に蓄積されていくというイメージです。
その積み重ねが肥やしとなり、自分の考えや思いを、より深く的確に伝えること(アウトプット)ができるようになるのです。
- 学習時間の確保はまずインプットから
- 余った時間や休日の息抜きにアウトプットをするくらいでちょうど良い
- 特にアウトプットの練習をしなくても問題ない
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