今回紹介する洋書はこちら、Atomic Habits。
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前回の記事で、習慣はなぜ大きな結果を生み出すのか、どのようにして習慣は形成されるか、という習慣の基本的な概念について解説しました。
習慣のループが形成されるプロセスには4つのフェーズがあります。
- Step 1:Cue(きっかけ・動機)
- Step 2:Craving(欲求)
- Step 3:Response(反応)
- Step 4:Reward(報酬)
このループは習慣の良い・悪いにかかわらず、全ての習慣に例外なく当てはまります。
この仕組みを理解していないと、悪い習慣からなかなか抜けられず、何か新しい習慣にチャレンジしてもすぐに挫折してしまうということが起こります。
では、どうすれば負のループから抜け出し、新たな習慣を身につけることができるのでしょうか?
習慣には脆弱性があり、この4つのフェーズのどれか1つでも不十分な状態に陥るとループが解消されるという性質があります。
なので、
- 悪い習慣を断ち切りたいときは、意図的にどれか一つのフェーズを機能不全にする
- 良い習慣を継続したいときは、それぞれのフェーズを強化する、または維持するように努める
というシンプルな方法で解決できます。
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オラは意思が弱いからいつも三日坊主ブヒよ…
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大丈夫、習慣を変えるのに意思の力は必要ないよ!
その通り、習慣を変えるのに意思の力は必要ありません。環境を整えるだけです。
本書では、習慣をコントロールする方法を以下の4つの法則に基づいて提案しています。
- 第一の法則(Cue):Make it obvious(明確にする)
- 第二の法則(Craving):Make it attractive(魅力的にする)
- 第三の法則(Response):Make it easy(簡略化する)
- 第四の法則(Reward):Make it satisfying(楽しみにする)
今回は第一の法則(Make it obvious)について解説していきます。
- 無意識で行っている習慣を顕在化する(Habits Scoreboard)
- 良い習慣
- 悪い習慣
- ニュートラルな習慣
- 習慣と条件を紐付ける(Habit Stacking)
- 時間と場所に紐付ける
- 今行っている習慣と連動させる
- 環境を整える
- Cueを明確にする
無意識で行っている習慣を顕在化する(Habits Scoreboard)
まず初めに、現在行なっているすべての習慣を洗い出し、次の3つのカテゴリーに分類します。
- 良い習慣
- 悪い習慣
- ニュートラルな習慣(生活する上で必要不可欠な習慣)
例えば、下記のように分類します。
- 良い習慣(+)
- 体重を測る
- 入浴する
- フロスをする
- 緑茶を飲む
- 悪い習慣(ー)
- スマホをいじる
- スナック菓子を食べる
- タバコを吸う
- 酒を飲む
- ニュートラルな習慣(=)
- アラームを設定して起床す
- トイレに行く
- 洗濯をする
- 着替える
習慣の良し悪しは人によるので、実際には「良い習慣」や「悪い習慣」というものはありません。
ここでいう、良い・悪いというのは、厳密にいうと効果的かそうでないかという基準です。
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目指している人物になるためにプラスになるかマイナスになるかってことブヒな
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うん、例えば同じお酒でもソムリエを目指している人にはワインを飲んで勉強することはプラスになる習慣だからね
現在行っているすべての悪い習慣を急に止めるのは現実的ではないと思いますが、このようにして良い習慣と悪い習慣を改めて認識することによって、自分の行動を客観視することができ、今後の行動指針の手助けになります。
習慣と条件を紐付ける(Habit Stacking)
新しい習慣を身につける際に、まずはその行動のトリガーとなる条件を決めてしまいます。
私は[X]という状況で[Y]という行動を起こします
という式に当てはめられれば、どのような条件でも構いませんが、おすすめの方法は、時間と場所に紐付けるか、今行っている習慣と連動させるです。
- 時間と場所に紐付ける → 私は[いつ][どこで][なに]を行います
- 今行っている習慣と連動させる → 私は[A(現在の習慣)]のあとに[B(新しい習慣)]を行います
例えば、
- 私は[朝6時]に[リビングルーム]で[10分間の瞑想]を行います
- 私は[夕方6時]に[カフェ]で[英語の勉強]を行います
または、
- 私は[洗顔をした]あとに[10分間の瞑想]を行います
- 私は[コーヒーを一杯飲んだ]あとに[英語の勉強]を行います
というような感じで、Cueを意識的に設定し、それを一定回数行うことで、意識しなくてもその状況に置かれた時に自動的に習慣が発動するようになります。
環境を整える
人が何か行動を起こそうと思う時、その何かをしようというモチベーションが行動のすべてを決めていると思われがちですが、実は必ずしもそうではありません。
我々がこれから起こす行動を選択する時、対象が「なに(what)」があるかではなく、「どこ(where)」にあるかで結果が左右されます。
そこに何があるかはあまり重要ではなく、そこにあるから行動に移すということです。
例えば、
- 読書をしたいと思っていたのに、目の前にスマホがあったのでSNSをだらだら見続けてしまった
- 平日は禁酒すると決めたのに、冷蔵庫を開けたらビールがあったので飲んでしまった
というように、どうしても目に映ったものに意識が引っ張られるという性質があります。
なので、良い習慣を行いたい場合はその対象物を常に目の前に置いておき、逆に悪い習慣をなくしたい場合は目の前から消し去れば良いということです。
上記の例であれば、
- 読書をすると決めたら、机の上に本を置いておき、スマホは引き出しの中にしまう
- 平日は禁酒すると決めたら、ビールの買い置きはせずその都度購入する
というように、環境をコントロールする方がモチベーションを維持するよりはるかに簡単です。
習慣を制する第一歩は環境を整えること
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新しい習慣に取り組む際、意思の力で自分を律するセルフコントロールも当然必要ですが、人間の性質上、いわゆる根性だけでは長続きしないようにできています。
長期的な戦略としては、やはり環境を整えるのが効果的です。
YouTubeでモチベーションアップの動画を見たり、自己啓発書を読み漁ったりして、必死に己を奮い立たせるよりも、単純に部屋を掃除して整理整頓した方がよっぽど効果があります。
どうやってもそれをやらざるを得ない、それをやらないことに違和感がある、という状況を作ることができれば、ほぼ成功を手中に収めたといっても過言ではありません。
何かを変えたいと思ったら、まずは外側から変えていきましょう。
外側が変わればおのずと内側も変わってきます。
- 無意識で行っている習慣を顕在化する(Habits Scoreboard)
- 良い習慣
- 悪い習慣
- ニュートラルな習慣
- 習慣と条件を紐付ける(Habit Stacking)
- 時間と場所に紐付ける
- 今行っている習慣と連動させる
- 環境を整える
- Cueを明確にする
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