なぜ洋書多読なのか?多くの英語学習者を魅了するそのメリットとは

多読には様々なメリットがあり、英語力向上に必要な要素ほぼ全てをカバーしているのではないかというほど、とても万能な学習方法です。

今回は多読のメリットについて詳しく解説していきます。

また、人によってはデメリットになり得る事も何点かありますので、こちらも紹介します。

Contents

英語多読を行うメリット

英語多読を行うメリット①【量を稼げる】

なんといっても多読の一番のメリットは量を稼げるということです。

多読を行う際の基本的なルール(多読三原則)として、

  • 辞書を引かない
  • 返り読みをしない
  • 完璧な理解を求めない

というものがあります。

多読三原則については、多読三原則は初心者に厳しすぎる?10年続けてわかった本当の意図を参照してください。

慣れないうちは、集中力が続かなかったり、わからない単語が気になったりして、なかなか進めないということがあるかもしれません。

しかし、一旦慣れるとスイスイ進めるようになり、文章量は多くても1ページあたりの負荷がかなり軽くなるため、結果的にボリュームを確保するのが容易になります。

量をこなしていれば、質は後からついてきます

単語を暗記したり、わからない箇所を逐一調べるということは、多読の目的から外れますので、そのような学習が必要な場合は、別途精読の機会を儲けて行うべきです。

英語多読を行うメリット②【唯一の能動的学習方法】

前章で説明した大量のインプットを実現するには多読が最も適しています。

他にも、

  • Podcastなどでの多聴
  • 映画・海外ドラマでの多観
  • その他海外ラジオなどでのながら聴き(聞き流し)

など、量をこなす学習方法はいくつかありますが、その中でも多読が効果が一番高いと実感しています。

しかし、多読がこれらの学習方法と一線を画すのは、多聴や多観が流れてくる音を聴く受動的な学習方法なのに対し、多読は自分の意思で読み進める必要がある能動的な学習方法です。

多聴・多観では、理解をしている・していないに関わらず、ストーリーは展開していきます。

一方、多読ではわからない単語は飛ばすというルールはありますが、基本的には文章ごとにある程度の理解をしながら読み進める必要があります。

返り読みはしない方がいいですが、読むスピードはその時の理解度によって柔軟に変えながら、ストーリーを見失わないように読んでいきます。

なので、多読と言えど、ある程度丁寧な進め方が要求されます。

英語多読を行うメリット③【未知語をはっきり認識できる】

英語を文字情報で大量に吸収することにより様々な効果があります。

未知語に出会った場合でも、文字から得た情報なのではっきり切り分けができます。

この「自分はこの単語の意味を知らない、しかしこの単語を一つの単語として認識している」という感覚が重要です。

リスニングで未知語に出会った場合、その単語を知らないので、リンキングリダクションも相まって、リーディングに比べて単語単位での認識が困難です。

また音でしか単語を認識できないので、スペルは想像するしかありません。

リンキング
linking
二つ以上の単語が並んだ時、前の単語の語尾と後ろの単語の先頭の音がつながって聞こえること。
例:get in[ゲットイン→ゲディン] put it on[プットイットオン→プリロン]

リダクション
reduction
スペルにある音が、実際に会話で発音する際に、消失したり弱くなってほとんど聞こえなくなること。
例:important[インポータント→インポォゥンッ]get him[ゲットヒム→ゲリム]

リンキング+リダクション例:
in and out[インアンドアウト→イネナウッ]
talk about it[トークアバウトイット→トーカバゥリッ]
※便宜上、カタカナで発音を表記していますが、正確な発音の表現はできないので、必ず発音記号を確認してください。

英語多読を行うメリット④【同じ単語や表現に違う場面で何度も出会う】

小説やビジネス書は基本的に同じテーマを元に内容が書かれているので、難易度に関わらずある特定の単語や表現が頻出します。

多読では、未知語はとりあえず飛ばすというルールですが、10回も20回も同じ単語や表現に出くわしていると、

えいじ

この単語また出てきたな

と、さすがに認識するようになります。

そのうち勝手にスペルを覚えてしまいます。

例えある単語を知らなくても、スペルや前後の文脈の共通性を認識できるので、違う文脈でその単語に何度も出会っていると、脳がサブリミナル的にその単語を重要な情報と位置付けて、意味はわからなくても、既視感となんとなくの情緒的な感覚(ポジティブ/ネガティブ・軟らかい/硬い・褒めている/けなしている等)が伴ってきますので、コアイメージを掴みやすくなります。

この感覚が使える英語を会得する上でとても重要になります。

げん丸

意味を調べるのはこの状態になってからするのが良さそうブヒな!

えいじ

うん、すでに脳はその単語を認識しているから、その後の定着率が全然違うよ!

近いテーマの本や同じ著者の本を読んでいると、似たような単語や表現が出てくるので、単純接触効果という観点からも有効なので、初めのうちは関連性のある本をどんどん読んでいくのが効果的です。

コアイメージ
その単語の持つ根本的な意味や使用上での感覚的なイメージ。なお、[core image]は和製英語。

単純接触効果
繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。対人関係にも使用されるが、この場合は単純接触を繰り返すことによって、自分にとって必要な情報という印象を脳に与えるのが狙い。

英語多読を行うメリット⑤【単純に楽しい】

多読に使用する小説やビジネス書などの書籍は、文章のプロが何度も校正を重ねて、ようやく完成させた1冊です。

例え平易な英語で書かれていたとしても、無味乾燥な文章ということはなく、とても洗練されています。

読者を惹きつけるよう構成や展開を練りに練っていますので、例え100%の理解ではなくても、十分楽しめる内容になっています。

さらに自分の好きなものや、興味のあるテーマのものであれば、なおさらページを進める手が止まりません。

そのうち、英語の勉強をしているという感覚はなくなり、知りたい情報や読みたいストーリーがたまたま英語だっただけ、という状態になっていきます。

この状態になった時、あなたは真のTadokistになったと言えるでしょう。

英語多読を行うメリット⑥【素材が選びやすい】

幸い日本では英語学習の人気が比較的高く、毎年様々な英語関連の書籍やテキストが出版されています。

正確な数字は分かりませんが、多く見積もっても年に数百冊くらいではないでしょうか。

この数字を多いと捉えるか少ないと捉えるかは、個人の感覚によるところかと思います。

では、英語で書かれている書籍は年間何冊くらい出版されているのでしょうか?

スクロールできます
RankCountryYearNumber of titlesNotes
#1China2013444,000New titles and re-editions
#2United States2013304,912New titles and re-editions
#3United Kingdom2020186,000
#4Japan2017139,078New titles and re-editions
#5Indonesia2020135,081
#6Italy2020125,948
#7Russia2019115,171
#8France2018106,799
#9Iran2018102,691New and revised
#10Germany201393,600New titles and re-editions
Number of books published each year per country
https://wordsrated.com/number-of-books-published-per-year-2021/

こちらのサイトのデータによると、アメリカだけで年間30万冊近くの書籍が出版されています。

その他の英語圏の国の出版数も加味すると、年間50万冊以上は出版されているのではないでしょうか。

もはや比べるまでもなく桁が違います。

当然、母数が多いということはそれだけ良書に出会う確率が上がるということですし、どんなにニッチな分野の本でも探せば見つかるということです。

げん丸

じゃあ、自分が読みたい・知りたいと思った題材は、ほぼ無限に選ぶことができるってことブヒな!

えいじ

そうだね!もちろん日本に住んでいる以上、ある程度の制約はあるけどね

日本語で書かれた英語関連の本を読むのも無駄ではありませんが、書いてある内容に大差はないので、続けていくうちに訪れるマンネリ感はどうしても避けられません。

英語を生涯学習と捉えた時に、洋書多読であれば一生素材選びに困ることはありません。

英語多読を行うデメリット

英語多読を行うデメリット①【ボキャブラリーの増えるスピードが遅い】

多読では、基本的に知らない単語は飛ばして読むというルールがありますので、どうしてもボキャブラリーが増えるスピードは遅くなります。

普段ボキャビルを英語学習に取り入れていて、1日に10個や20個の単語を暗記しているというような人は、不安に感じるかもしれません。

しかし、短期間で覚えた単語は短期間で忘れやすいという傾向があります。

どんなに頑張って暗記をしても、実際に使いたい場面で出てこないということが多々あります。

一方、多読では重要な単語は何度も出てきますので、意味を知る前に、自然とその単語がどのような文脈の中で使われるのかをじっくり時間を掛けて、肌感覚で覚えていきます。

なので、意味を確認した後の記憶の定着がまるで違います。

結果的に、長期的なスパンで見ると、単語帳で覚えた時よりも、多読の方が実際に使える単語(アクティブワード)の数は多くなります。

したがって、一見デメリットのように見えますが、総合的にはメリットになっているという側面もあります。

英語多読を行うデメリット②【何となく読む癖がついてしまう】

多読では、100%の理解は求めず、リズムやテンポを重視して読み進めていくのが基本です。

ですが、このルールを履き違えてしまうと、ただ単に文字を追うだけで内容が全然入っていない、という状態になってしまいます。

要するに、「細かいところは気にせずサクサク読み進める」=「集中しないでサラサラ読む」ではない、ということです。

むしろ、集中力をキープするために、細かいところでいちいち引っかからないで読み進めるのです。

どうしても集中力が続かないという人は、適度に精読も取り入れましょう。

精読を定期的に行うことによって、多読を行った時でも、ある程度精読的な読み方ができるようになります。

げん丸

多読での精読的な読み方ってどうゆうことブヒか?

えいじ

多読のペースを保ちながらも、文法的な観点から文章を捉えたり、個々の単語や表現を認識しながら読むことができるようになるってことかな

英語多読を行うデメリット③【洋書は値段が高い】

日本で洋書を手に入れようと思うと、だいたい次のような方法に限られるかと思います。

  1. Amazon.co.jp(アマゾン・ジャパン)などの国内ECサイト
  2. Amazon.com(アマゾン・アメリカ)などの海外ECサイト
  3. 紀伊國屋書店など日本国内の洋書専門店または洋書コーナーがある書店
  4. メルカリなどのフリマアプリ

元々洋書は他の書籍に比べ割高な場合が多いですが、近年は円安の影響もあり、洋書の価格が高騰しています。

電子書籍の方が割安ですが、私は紙の本の方が好きなので、多少割高でも極力ペーパーバックなどを購入していました。

数年前は、アメリカ版アマゾン(Amazon.com)の方が、配送料を加味してもペーパーバックがかなり割安だったので、よく利用をしていましたが、最近ではあまり日本のアマゾンで買うのと大差がなくなってきています。

さらに最近では、原材料費や輸送コストの高騰の影響で、紙の本の価格が電子書籍の2倍くらいになっている場合が多く、さすがに電子書籍を購入する割合が増えました。

また、洋書は日本国内では需要が低いため、出版から時間が経っても価格が下がりにくいです。

ただ、高いと言ってもそれはその他の書籍と比較してということなので、一冊を読み終えるのに1ヶ月程度かかる洋書多読は、オンライン英会話や英会話教室などに比べると、かなりコスパはいいと思います。

洋書多読を始めてみたいけど、
何から読んでいいかわからない


そんな人におすすめなのが、Amazonが提供するサブスクプラン、

Kindle Unlimited

月額980円で対象の本が読み放題!

100万冊以上という圧倒的な数の洋書を取り揃えており、合わないと思ったらどんどん次の本にいくことができるので、多読と非常に相性が良いです。

えいじ

当ブログでも紹介した多読初心者におすすめNo.1のHolesもKindle Unlimited対象作品だよ!

たとえ月に1冊しか読まなかったとしても、通常購入するよりも安い場合がほとんどなので、月に1冊は確実に読むという人にとってはお得でしかありません。

現在、月額無料キャンペーンを行なっており、いつでも解約可能なので、洋書多読をノーリスクで試せるチャンスです。

まずは何冊か試しに読んでみて、洋書多読が自分に合っているかどうか確かめてみましょう。

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実はメリットしかない英語多読

以上、英語多読のメリットとデメリットを紹介しましたが、実際デメリットらしいデメリットは見当たりません。

むしろ、総合的に見て、実はメリットになっていることばかりです。

効果×楽しさ×コスパ=英語多読

こう断言できるくらい、英語多読は最高最善の英語学習方法だと信じています。

英会話教室のような入会金もありませんし、サブスクのように毎月料金が発生することもありません。

気軽に始められて、時には休憩して、また気が向いたらいつでも再開できます。

洋書多読は確実にあなたの人生を豊かにしてくれます。

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