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習慣のループと4つのステージ|『Atomic Habits』徹底解説

の記事では、習慣を変えられないのは、間違った順序で習慣を変えようとしているからだというお話をしました。

そして、習慣を変えることが難しいもう一つの理由は、

習慣のループが形成されると、そこから抜け出せなくなる

ということです。

げん丸

ループにハマったらどうすればいいの…?

鉄壁に見える習慣のループですが、決定的な弱点が一つあり、その脆弱性を突くことによって、ループを解消することが可能です。

そこで、今回は、

について、詳しく解説していきたいと思います。

それでは、始めていきましょう。

今回紹介する本はこちら

習慣で人生を変えたい人へ

Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results

英語の難易度:

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ページ数:319ページ

著者:James Clear

発売日:2018年10月16日

日本語訳版はこちら

ジェームズ・クリアー式
複利で伸びる1つの習慣

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ページ数:328ページ

著者:ジェームズ・クリアー

翻訳:牛原 眞弓

発売日:2019年10月12日

本記事の内容は、本書を読んで私自身が解釈・要約したものであり、著者の意図や原文を忠実に再現したものではありません。また、理解を深めやすくするため、一部の実例などに変更・補足を加えている場合があります。

Contents

習慣のループを形成する4つのステージ

習慣のループ(イメージ)
習慣のループ(Habit Loop)

習慣のループは次の4つのステージをループすることで形成されます。

習慣形成4つのステージ

  • Cue(きっかけ・動機)
  • Craving(欲求)
  • Response(反応・行動)
  • Reward(報酬)

この4つのステージは全ての習慣の根幹であり、例外はありません。

その前に、まずは習慣の定義を説明します。

  • 習慣とは、ある行動を十分な回数繰り返し行うことで自動化すること
  • 習慣の最大の目的は、ある問題を最小限の労力とエネルギーで解決すること

ある行動が習慣化されていない段階では、常に選択と判断を迫られ、脳の神経回路が活発に動いている状態です。

しかし、同じ行動を一定回数繰り返していると、意識的な判断を必要としなくなり、やがて全ての工程をほぼ全自動で行うことが可能になります。

それでは、習慣のループを形成している4つのステージをそれぞれ解説していきます。

Cue(きっかけ・動機)

Cueは、最終目標であるReward(報酬)のヒントとなる情報です。

また、Craving(欲求)のトリガーとなるものでもあります。

我々の意識は常に周りの環境から情報を収集し、報酬につながるものはないかと分析しています。

これは太古の昔から我々人類に備わる生存本能で、過去の経験から、

  • 食物
  • 性交渉

など、求めているものが得られる場所のヒントとなるサインを察知する能力です。

これらは極めて直接的な欲求ですが、

  • お金
  • 名声
  • 権力
  • 交友関係

など、現代の間接的な欲求にも適用されます。

えいじ

Rewardは物理的な対象物ではなく、そこから得られる状態感覚だからね

Craving(欲求)

Cravingは、Cue(きっかけ・動機)を察知して、実際に感情が動くフェーズです。

あくまでも感情なので、実際の行動そのものを欲しているわけではなく、そこから得られる感情や感覚を欲しているということです。

例えば、

  • タバコを吸いたくなるのは、タバコを吸う行為をしたいのではなく、一服して「ホッとする感覚」を欲しているため
  • 歯を毎日磨くのは、その行為自体がしたいのではなく、磨いた後の口の中が「さっぱりした感覚」を欲しているため
  • テレビをつけるのは、テレビ自体ではなく、そこから得られる「楽しみ」を欲しているため

というように、Cueそれ自体に意味はありません。

えいじ

CueがCravingに紐づくことによって初めて意味を持つよ

Response(反応・行動)

Responseは、Craving(欲求)が原動力となって、実際に行動(または思考)に移すフェーズです。

実際に行動するかどうかは、Cravingの大きさによりますが、次の条件を満たさなければResponse(反応)に移行しません。

Responseに移行する条件

  • そのRewardを得るために費やす労力エネルギーが自身の許容範囲内である
  • そのRewardを得るための能力が自身に備わっている

習慣化をする上では、特に1つ目の条件(労力・エネルギー)をマネージメントするのが鍵となります。

げん丸

つまり「めんどくさい」をコントロールするってことブヒな!

Reward(報酬)

Rewardは、あらゆる習慣の終着点です。

また、

  • CueはRewardを察知すること
  • CravingはRewardを欲すること
  • ResponseはRewardを獲得すること

というように、他の3つのフェーズの出発点でもあります。

Reward(報酬)を得たあなたの脳内では次のようなプロセスが進行しています。

習慣のループ発生のプロセス

  • Rewardによってあなたの欲求が満たされる
  • 「どうやったら獲得できたか」という成功体験を学習する
  • Cueとしてあなたの脳に保存される

そして、今後似たような条件下に置かれると、そのCueがトリガーとなって、

Craving → Response → Reward → Cue

という一連の流れがループとなって繰り返し再現されます。

げん丸

おやつの装を破る音だけでよだれが出てくるブヒ…

えいじ

完全にCueになってるね!

This four-step pattern is the backbone of every habit, and your brain runs through these steps in the same order each time.

Atomic Habits, P47

習慣のループから抜け出すには

では、どうすれば習慣のループから抜け出せるのでしょうか?

人間の脳は、どの行動(Response)報酬(Reward)に繋がったかを、常にモニタリングをしながら、

サイン(Cue)を見つけたらどのように行動すれば成功するのか

という報酬までの道筋を記憶しています。

そのため、次に行動に移すときは、前回よりも少ない労力とエネルギーで実行することが可能になり、習慣のループがどんどん加速していきます。

一度ハマると抜けられそうにない習慣のループですが、実は脆弱性があります。

それは、

この4つのフェーズのどれか1つでも不十分な状態に陥ると、ループが解消される

ということです。

それぞれのステージに置き換えると、

  • Cueが取り除かれると、アクションが起こらない
  • Cravingを小さくすれば、アクションを起こす気にならない
  • 行動自体(Response)を難しくすれば、アクションを実行できない
  • Rewardで満足できないと知れば、それ以上アクションを起こそうと思わない

ということになります。

したがって、悪習慣のループから抜け出すには、意図的にどれか一つを機能不全にすることです。

えいじ

逆に、良習慣を継続したいときは、それぞれのフェーズの強化・維持すればいいんだね

If a behavior is insufficient in any of the four stages, it will not become a habit.

Atomic Habits, P49

まとめ

習慣のループ【まとめ】

  • Cue(きっかけ・動機)
    • Reward(報酬)のヒントとなる情報
    • Craving(欲求)のトリガーになる
  • Craving(欲求)
    • Cue(きっかけ・動機)を察知して、実際に感情が動くフェーズ
  • Response(反応・行動)
    • Craving(欲求)が原動力となって、実際に行動・思考に移すフェーズ
    • Responseが実行される条件
      • 費やす労力・エネルギーが許容範囲内である
      • 十分な能力が自身に備わっている
  • Reward(報酬)
    • あらゆる習慣の終着点であり、他の3つのフェーズの出発点
      • Cue = Rewardを察知すること
      • Craving = Rewardを欲すること
      • Response = Rewardを獲得すること
  • 4つのフェーズのどれか1つでも不十分な状態に陥ると、ループが解消される
    • 悪習慣のループから抜け出すには、意図的にどれか一つを機能不全にする

習慣のループは、太鼓の昔から我々のDNAに刻まれてきた人間の本能的な機能なので、意志の力では太刀打ちできません。

そのため、習慣を変えるには、戦略的に環境を調整していく必要があります。

本書では、習慣を変えるための戦略を、次の4つのアプローチから提案しています。

習慣を変える4つのアプローチ

  • Make it obvious明確にする)
  • Make it attractive魅力的にする)
  • Make it easy簡略化する)
  • Make it satisfying楽しみにする)

次回からは、この4つのアプローチに基づいた具体的なテクニックを詳しく解説していきます。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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