映画や海外ドラマを英語字幕で観るだけで英語の勉強になるのか?
映画や海外ドラマを使った英語学習をしようと思った時、
字幕なしはまだハードルが高いけど、英語字幕ならなんとかいけそうだ…
という人も多いかと思います。
では、あえて英語音声に英語字幕をつけて視聴することによって、実際どのような学習効果があるのでしょうか?
また、英語字幕で勉強することによる弊害はないのでしょうか?
そこで、今回お話しするテーマがこちら、
- 英語字幕で映画や海外ドラマを観ることによる学習効果
- 英語字幕を使った学習方法
- 英語字幕で英語を勉強するデメリット
それでは、始めていきましょう。
英語字幕で映画や海外ドラマを観ることによる学習効果
英語字幕で映像作品を観て勉強することの強み・メリットはなんでしょうか?
効果の特徴は3つ
- 音声と文字を同時にインプットする効果
- 大量の英語を効率よくインプットする効果
- ストーリーの流れの中で文脈を捉える効果
それぞれ解説していきます。
音声と文字を同時にインプットする効果
英語字幕を使った学習の最大の特徴が、英語音声・英語字幕の同時進行ですが、それぞれ単体で行う時には得られない効果がいくつかあります。
ポイントは3つ
- 聞き取れない箇所があっても文字で補完できる
- 発音とスペルを一致させることができる
- ナチュラルスピードで英文を読む訓練ができる
詳しく解説していきます。
聞き取れない箇所があっても文字で補完できる
リスニングで聞き取れない最大の理由は、何と言っているかわからないからです。
なので、字幕なしでは聞き取れないセリフも、文字を読んで何と言っているか分かった上でリスニングすると、聞き取りが簡単になります。
全く聞き取れなかったとしても、字幕でセリフを追えるので、内容の理解に影響を与えません。
これにより、字幕なしでは内容が理解できないような難易度の高い作品にも挑戦することができます。
発音とスペルを一致させることができる
英語音声と英語字幕を同時進行でインプットすることによって、その場で発音とスペルをリンクさせて覚えることができるので、効率的に語彙を増やしていくことができます。
リスニングやリーディングを単体で行なう場合、わからない単語のスペルや発音はある程度想像しながらになるので、この効果は大きいです。
ただし、スペルに注目しすぎると、流れについていけなくなるので注意が必要です。
ナチュラルスピードで英文を読む訓練ができる
リアルな英語音声に合わせて英語字幕を読んでいくので、必然的に読む速さもナチュラルスピードになり、いつのまにかリーディング力が上がるということが起こります。
この効果は、洋書などで多読をしている時にも効果を発揮します。
英語音声がない状態でもリーディングスピードが上がっているので、時間あたりのインプットの量が増え、必然的に全体的な英語の成長スピードが上がるという副次的な効果も期待できます。
大量の英語を効率よくインプットする効果
映画や海外ドラマを使った英語学習は、量を重視した多観という部類に入りますが、英語字幕を使った多観で英語を大量にインプットすることによる効果がいくつかあります。
ポイントは3つ
- 2倍のインプット量を稼げる
- 英語体力がつく
- 楽しいので苦にならない
詳しく解説していきます。
2倍のインプット量を稼げる
英語字幕多観では、リスニングとリーディングを同時に行なっているので、単純計算で同じ時間で得られるインプットの量が2倍になります。
ただ、それぞれ単体で行なっている時にくらべると、個々の情報に対しての集中度は下がっているので、純粋に2倍になるわけではありませんが、それでもかなり効率よくインプット量を稼ぐことができる学習方法です。
英語体力がつく
一度の学習で得られるインプット量が増えるということは、それだけ負荷が上がっているということにもなります。
筋トレで負荷を上げると筋肉が成長するように、英語もある程度負荷を掛けてトレーニングを続けていると、英語体力が向上します。
英語体力が上がると、
- 英語持久力が上がる
- より長い時間リスニングやリーディングに取り組むことができる
- 英語瞬発力が上がる
- より素早く英語を理解できる
- より素早く英語で返せる
- 英語筋力が上がる
- 一度により多くの英語を処理できる
という効果が現れます。
英語体力を上げるとは、すなわち英語脳を鍛えるということになります。
このように、英語字幕多観は英語脳を鍛える英語のレジスタンストレーニングと言えるでしょう。
楽しいので苦にならない
負荷を高めて、効率よくインプット量を稼ぐのが良いと分かっていても、苦痛を感じるような勉強では長続きしません。
英語学習では負荷の高さよりも、いかに継続してできるかということの方がはるかに重要です。
その点、映画や海外ドラマなどのエンタメ作品で英語学習を行うことは、勉強感が全くなく、楽しんで英語を学んでいくことができます。
さらに、英語字幕で観ることによって、英語へのハードルが下がり、選べる作品の幅も広がるので、自分が本当に観たい作品を観ることができるというメリットがあります。
ストーリーの流れの中で文脈を捉える効果
映画や海外ドラマには、作品やエピソードごとに一つの大きなストーリーの流れがあります。
英語を学ぶ上で重要なことの一つに、文脈の中で単語やフレーズの役割を認識するということがあります。
したがって、映画やドラマの大きな流れの中で文脈を捉えながらインプットするということは非常に効果があります。
ポイントは3つ
- 自然に語彙が増える
- 映像があることによって記憶の定着が促される
- 没入感を得られる
詳しく解説していきます。
自然に語彙が増える
語彙は文脈の中で覚えるのが自然です。
参考書や単語帳でも例文はありますが、それはただの文章であり、文脈ではありません。
文脈とは、そのシーン毎、エピソード毎、場合によってはシーズンを通して流れる共通認識です。
そのような大きな流れの中で特定の単語やフレーズを何回も認識することによって、徐々に自然で正しい表現を吸収していきます。
そのため、脚本がしっかりしている映画や海外ドラマのストーリーの流れの中で英語表現を学ぶことは理にかなっています。
映像があることによって記憶の定着が促される
英語字幕多観では、英語音声と英語字幕に加え、映像という重要な情報があります。
英語音声と英語字幕は言語情報なので左脳で処理していますが、映像やサウンドは非言語情報なので右脳で処理しています。
右脳で処理した情報は、写真記憶のように一枚のイメージで記憶するので、潜在意識に刻まれやすいという特徴があります。
そして、インプットした英語とその時観た映像が脳内で紐付き、英語情報の記憶も定着しやすくなります。
没入感を得られる
英語学習で重要な要素のひとつに、没入感を感じながら英語を吸収するということがあります。

ちなみに英語では、Immersive Learningと言うよ
イマージョンを得るために必要なのは、臨場感と感情移入です。
まるで自分がその世界の住人かのように感じ、シーンが目の前で起こっているという錯覚を起こさせることがポイントです。
キャラクターの感情を感じながら、当事者意識を持って英語を吸収していくことによって、脳の中で緊急度や重要度が上がり、英語の吸収率が高くなります。
英語字幕を使った学習方法
では、実際に英語字幕を使ってどのように学習すればいいのでしょうか?
手順は4つ
- 英語字幕で作品を鑑賞する
- スクリプトを確認する
- 暗記アプリに単語を転記する
- 字幕なしでもう一度視聴する(推奨)
詳しく解説していきます。
英語字幕で作品を鑑賞する
まず、英語字幕で作品を鑑賞し、純粋に楽しみます。
この時、わからないところでいちいち再生停止したり、巻き戻してもう一度再生する必要はありません。
多くのサイトでおすすめされていて、一見効果的に見える方法ですが、実際には勉強感がかなり強くなり、ほとんどの人が挫折します。
没入型の英語学習では流れを止めないということが重要です。
英語の細かいところを気にするのではなく、全体的な内容把握を意識しましょう。
スクリプトを確認する
作品を観終わったら、スクリプトを確認します。
スクリプトはGoogleで検索すれば、大概の作品は出てきます。
この時、全てのセリフを完璧に理解する必要はありません。
感覚としては、英語字幕でリアルタイムで観ている時に理解ができなかったストーリーの流れを補完するような感じです。
固有名詞や専門用語などは無視して構いません。
暗記アプリに単語を転記する
ボキャビルを同時に行う場合は、覚えたい単語やフレーズを暗記アプリに転記していきます。
この時、わからない語彙を全て転記する必要はありません。
頻出単語や使ってみたいおしゃれなフレーズなど、現実世界で役に立ちそうなワードだけをピックアップしていきます。
当ブログでは、RemNoteという無料暗記アプリをおすすめしています。
RemNoteの詳しい使い方については、
の記事を参照してください。
字幕なしでもう一度視聴する(推奨)
最後に仕上げとして、同じエピソードを字幕なしで視聴します。
すでに、英語字幕での視聴とスクリプト確認を行なっているので、字幕なしでもすんなり英語が入ってきます。
また、字幕なしで観ることによって、英語に対してのメンタルブロックが外れるという効果も期待できます。
この時の意識としては、映像と英語音声をリンクさせて、より物語への理解度や没入感を深めていくことです。
英語字幕で観ている時には気付かなかった新たな発見もあり、2回目でも有意義な視聴ができます。
ただ、この工程は必須ではなく、あくまでも推奨です。

どうしても2回連続で同じエピソードを観るのはつらい…
という人は、無理して行う必要はありません。
英語字幕で英語を勉強するデメリット
英語字幕で英語を勉強することによるデメリットはあるのでしょうか?
英語字幕多観にはさまざまな効果やメリットがありますが、いくつか弱点となりうるデメリットや注意点があります。
デメリットは3つ
- 映像に集中できない
- 実は聞き取れていないことがある
- 字幕と実際のセリフが違うことがある
詳しく解説していきます。
映像に集中できない
映画やドラマのような映像作品には、
- 表情での演技
- ちょっとした仕草
- 間の取り方
など、映像に情報の大部分が含まれている場合がありますが、このような機微の変化は映像を集中して見ていないと感じることができません。
しかし、英語字幕と英語音声を同時にインプットすることに精一杯で、映像は何となくでしか見ることかできず、ストーリー上重要なヒントやサインを見逃してしまいます。
先ほどの手順で説明したように、最後に字幕なしでもう一度視聴することで、この弱点をカバーできます。
実は聞き取れていないことがある
英語音声を英語字幕で補完しながらリスニングできるのが、この学習方法の強みですが、字幕に頼り過ぎてしまうと、セリフが聞き取れた気になってしまう場合があります。
これを防ぐには、英語音声を聴くことをメインにして、英語字幕はあくまでも補助としての役割をキープすることです。
つまり、英語音声がちゃんと聞けていれば、英語字幕は必ずしもしっかり読む必要はないということです。
また、この問題も字幕なしで再視聴することによって解決します。
英語字幕で視聴して、スクリプトまで確認しても、まだ聞き取れないということは、その部分が自分の弱点だということがわかります。
なので、最後にその部分を重点的に聞き取りの練習をするのも有効です。
字幕と実際のセリフが違うことがある
英語字幕は元々聴力障害者のために作られているものなので、必ずしも実際のセリフと一致するとは限りません。
- 違う単語が使われている
- ある文言が省略されている
といったことが稀にあるので、英語字幕を過信しすぎるのは注意しましょう。
逆に、この違いに気がつけるということは、リスニングができているという証拠でもあるので、その違いを楽しむというのも悪くありません。
おわりに

英語字幕での学習は、全英語学習者にお勧めできる効果的な学習方法です。
しかし一方で、いつまでも続ける方法ではないとも考えています。
我々英語学習者の最終目標はやはり、字幕なしで映画や海外ドラマを楽しむことではないでしょうか。
英語学習においての英語字幕は、いわば自転車の補助輪のようなものなので、英語字幕ありで作品の内容を理解できたとしても、それは本当の意味で作品を楽しめたとは言えません。
なので、英語字幕多観である程度の英語体力が付いてきたら、徐々に字幕なしでの視聴にシフトしていくことが重要かと思います。
なぜなら、字幕なしで作品を観れるようになるには、字幕なしで観る練習をしないとできるようにならないからです。
その際、字幕なしで観てから、最後の確認として英語字幕でもう一度視聴するという、今回とは逆のサブ的なステップにしてもいいでしょう。
いずれにせよ、作品を楽しむということを忘れずに、英語学習に励んでもらえればと思います。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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