当ブログでは多読を最も重要な英語学習メソッドとしています。
しかしながら、普段全く読書の習慣がない人や、よりリアルな会話で学習したいという人など、人によっては一概にお勧めできない場合もあります。
そんな人にお勧めなのは、映像作品を使った英語学習です。
映像作品というと、大きく分けて映画か海外ドラマの2種類になります。
人それぞれどちらが好きという好みはあるかと思いますが、両者を英語学習ツールとして捉えた場合、映画よりも海外ドラマの方に分があります。
厳密にいうとドキュメンタリーやリアリティショーなどもありますが、今回は映画か海外ドラマかというところに焦点を当てて、解説していきたいと思います。
なぜ海外ドラマが優秀な英語学習ツールと言えるのか?
英語学習において継続のしやすさというのは最も重要な条件のうちの一つです。
いくら効果的な学習ツールでも継続して行うことができなければ、優秀とは言えません。
では、なぜ海外ドラマは継続しやすいのか?
理由は主に4つあります。
- 一話の長さがちょうどいい
- エピソード数が多い
- 会話のシーンが多い
- 同じ単語・フレーズが何度も出てくる
それぞれ解説していきます。
一話の長さがちょうどいい
海外ドラマの一話の長さは作品によってまちまちですが、だいたい30分前後、45分前後、1時間前後のものが多く、毎日継続的に行うにはちょうどいい長さです。
ただ作品を楽しむために鑑賞するのであれば長さはそこまで影響はありませんが、英語学習ツールとして集中して視聴する場合は、あまり長いものだと集中力が持ちません。
そのうち続けることが苦痛に感じてしまうので、少し物足りないくらいの長さのものを毎日継続することお勧めします。
エピソード数が多い
海外ドラマは日本のドラマと違い、ある程度人気が出ると、何シーズンにもわたって展開されていきます。
なので、一度お気に入りのドラマを見つけてしまえば、しばらくは作品選びに時間を割く必要がないので、毎日スムーズに学習に取り掛かれます。
ただし、10シーズン以上ある作品などは逆に始めるのにハードルが高いと感じることもあるので、最初のうちは短いシーズンの作品を観ていくのがいいでしょう。
3シーズンくらいのものがバランスが良くておすすめだよ
会話のシーンが多い
海外ドラマ(特に30分ドラマ)は、限られた時間の中で起承転結をコンパクトにまとめる必要があるため、全体的に会話のシーンの割合が多くなり、テンポよくどんどん場面が切り替わっていくので、短い時間で効率よく英語をインプットすることができます。
また、ほぼ会話のシーンで構成されていることによって、映像にあまり集中していなくてもストーリーを追うことができ、英語字幕で視聴した場合でも今何が起こっているか状況を把握しながら進めることができます。
会話のシーンが多く、映像への依存度が低いので、一度視聴したエピソードはながら聴きでの多聴の素材に再利用できます。
一度視聴しているため、2回目以降はそこまで集中して聴かなくても、ある程度内容を理解しながら進めることができます。
しかし、2回、3回と聴くことによって、毎回新たな発見があったり、前回聞き取れなかった箇所が聞き取れるようになったりするので、効果は確実にあります。
日々の学習に多聴を取り入れたいんだけど、PodcastやAudibleはハードルが高いんだよなぁ…
という人は一度試してみる価値はあります。
同じ単語・フレーズが何度も出てくる
海外ドラマはほぼ毎回同じキャラクターが登場し、同じようなシチュエーションでストーリーが展開されることが多いので、特定の言い回しや表現がシーズンを通して何回も出てきます。
そのようなフレーズはリアルの会話でも流用できるものが多く、自然とナチュラルな会話が身に付いていきます。
ある単語やフレーズを実際に使えるレベルで習得するには、様々な場面で何度も出会う必要があるため、英語学習とは抜群の相性です。
基本的に海外ドラマを使った英語学習では同じエピソードを2、3回視聴することを推奨しますが、たとえ毎回エピソードを1回しか観なくても、シーズンを通して重要なフレーズは何度も出てくるので、毎回初見でありながら、ある程度反復練習と同じような効果を得ることができます。
正直僕も同じエピソードをもう一回観るのはあまり気が進まないのでほとんど1回しか観ないよ
次のエピソードが早く観たくてそれどころじゃないブヒな!
英語学習に海外ドラマを使うなら動画配信サービスは必須
月額料金のみで見放題
NetflixやAmazonプライムビデオなどが普及していなかった時代(といってもほんの十数年前)は、海外ドラマを観るにはレンタルビデオ店でDVDを借りるか、AmazonなどでDVDボックスを購入するしか方法がありませんでした。
映画一本借りるならそこまで負担にはなりませんが、海外ドラマを1シーズン借りるとなると、結構な金額になります。
延滞料金が痛かったブヒよ…
しかも一回も観ないまま返してたな…
しかし現在は、ほとんどのVOD(ビデオ・オン・デマンド)サービスが月額料金のみで見放題(サブスク)なので、心置きなく海外ドラマを一気見することができます。
1話だけ試しで見てみて、合わなそうだったらやめて、また違う作品を試すということも気兼ねなくできます。
または、複数の作品を並行して視聴し、その日の気分で観る作品を決めるということも可能です。
近頃は各サービス年々月額料金が上がっていきてはいますが、英語学習のツールとして捉えるとかなりコスパのいいサービスです。
オリジナル作品のクオリティが高い
海外のドラマは映画並みの予算で制作されていることも稀ではありません。
特に各動画配信サービスのオリジナル作品は本気度が伝わってきます。
日本のエンタメの感覚で、ドラマは映画の廉価版と考えていると、そのクオリティの高さに度肝を抜かれることもあるでしょう。
派手さはないけど日本のドラマもまた違った良さがあるから好きブヒな
映像や音楽がすばらしいのはもちろんですが、何よりどの作品も脚本が練りに練られていて、視聴者を飽きさせません。
作品にハマるというのは、英語を上達させるのに重要なことなので、英語学習に向いているかどうかよりも、自分が好きだと思った作品を選びましょう。
実際に、英語学習におすすめの海外ドラマとしてまず筆頭に挙げられるフレンズ(Friends)を試したことがあるのですが、どうしても肌に合わず視聴の継続を断念した経験があります。
ちょっともう、あの電話のデカさは気になっちゃうかな…
動画配信サービスの選択肢が豊富
現在、動画配信市場は成熟期に入り、どのVODサービスも作品のクオリティは高く、ラインナップも豊富です。
新しい作品はもちろん、過去の名作ドラマもどんどん追加されているので、見たいと思った作品は大概あるのではないでしょうか。
また、月額制なので気軽に退会することができ、見たい作品によってサブスクをその都度切り替えるということも可能です。
英語字幕対応の動画配信サービスを選ぶ
海外ドラマを英語学習ツールとして使用する場合、字幕なしで見るケースを除いて、英語字幕は必須です。
しかし、現在英語字幕に対応している動画配信サービスは数社に限られています。
サービス名 | 英語字幕対応 | 備考 |
---|---|---|
Netflix(ネットフリックス) | ほぼ全ての作品で対応 | |
hulu(フールー) | ほぼ全ての作品で対応 | |
Disney+(ディズニープラス) | ほぼ全ての作品で対応 | |
Amazonプライムビデオ | オリジナル作品のみ対応 |
どのサービスも英語字幕対応作品は再生中の字幕切り替え可能だよ
地味に大事な機能ブヒな
この中で現在無料体験が可能なサービスはhulu(フールー)とAmazonプライムビデオのみです。
観たい作品が特に決まっていないという場合は、まずは上記のサービスを試して見て、海外ドラマでの英語学習が自分に合っているかどうか判断するのも悪くありません。
\英語字幕で海外ドラマを観る人におすすめ!/
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英語学習ツールとしての映画の欠点
ここまでなぜ海外ドラマが英語学習と相性がいいのかを説明しましたが、ではなぜ映画は英語学習にあまり向いていないのでしょうか。
映画が英語学習素材としてはあまり適していない理由は主に4つあります。
- 英語学習素材としては長すぎる
- セリフ以外のシーンの割合が多い
- 毎回作品を選ぶ必要がある
- ディズニー映画をはじめ子供向けアニメを選びがち
それぞれ解説していきます。
英語学習素材としては長すぎる
一般的な映画の長さは大体2時間前後です。
短いものでも90分くらいはあります。
娯楽としてリラックスしながら鑑賞するのであれば問題はありませんが、英語学習素材として集中して視聴するには長過ぎます。
そもそも、忙しくて毎日ストレートで2時間確保すること自体が難しいという人も少なくないと思います。
なので、1本の作品を一気に観るのではなく、何回かに分けて視聴する分割再生でも気にならないという人であれば、なんとか実行可能かと思います。
しかし、そこまでするなら素直に海外ドラマを毎日1エピソードずつ視聴した方が精神衛生上いい気はします。
セリフ以外のシーンの割合が多い
映画はどちらかというと映像やサウンドを楽しむという側面が強いため、表情の演技のみの情緒的なシーンやアクションシーン、または音楽やダンスシーンなどの割合が多く、英語学習ツールとしては効率があまり良くありません。
作品によっては、2時間の映画1本のセリフ量が30分ドラマ2話分相当ということも十分にあり得ます。
ただ、30分ドラマのあのテンポの速さとセリフの詰め込み感は見ていて疲れるという人は、効率はあまり気にせず、じっくりと映画で学習を行うのも悪くありません。
毎回作品を選ぶ必要がある
何シーズンもある海外ドラマと違い、映画は基本的に単発なので、毎回作品を選ぶ必要があります。
この作品選びというのは、意外にエネルギーと時間を消耗します。
しかも、時間をかけて悩んで選んだ作品が駄作だった場合、その後のメンタルのリカバリーが大変です。
なので、観たい映画がある程度すでに決まっているという人であれば問題ありませんが、私のような慎重派の人で毎回作品選びで疲弊してしまう人はあまりお勧めできません。
作品選びで30分くらい使っちゃう時があるよ…
散々悩んだ挙句、結局何も観ないで寝ちゃうこともあるブヒね…
ディズニー映画をはじめ子供向けアニメを選びがち
映画を英語学習に取り入れようとしている人の多くは、まずはディズニー作品など子供向けのアニメから始めようと思うかもしれません。
おそらく、ディズニー作品は使われている英語が平易で、セリフもはっきりと喋っているので、英語学習に最適と聞いたことがあるからかと思います。
しかし、世間で言われているほど、難易度が低いわけではありません。
結構早口で喋りますし、ディズニーアニメ独特の台詞回しとテンポに癖があり、人によって合う合わないがはっきりしています。
また、多くの作品がファンタジーな世界が舞台なので、ヒューマンドラマよりも豊かなイマジネーションと寛容性を求められ、初見だとなかなか状況を把握するのが難しいということがあります。
個人的にはディズニー節はあまり肌に合わなかったよ…
ピクサー作品はまだリアルに近く自然な印象ブヒな
意外に思うかもしれませんが、実は大人向けのドラマの方が難易度が低い場合が多いです。
確かに使われている英語や内容は大人向けなので難しいかもしれませんが、リアルに近い分、状況把握が容易で、英語を英語として理解するにはむしろアニメより簡単な場合が多いです。
子供向けだからと安易にアニメ作品を選ぶと、実は難易度が高かったということが多々あります。
映画鑑賞の使い所
では、映画鑑賞が英語学習ツールとして全く向いていないかと言うと、必ずしもそうとは限りません。
使い所を工夫すれば、映画も学習素材になり得ます。
映画を英語学習に適用できる例を2つ紹介します。
以前観たお気に入りの作品
どうしても映画で英語学習をしてみたいという人は、まずは以前に日本語字幕または吹き替えで観たことのあるお気に入りの映画で行うことをお勧めします。
すでにストーリーはわかっているので、英語がわからなくても置いていかれることはありません。
しかも、お気に入りの作品なので、何度見ても飽きません。
なんといっても、日本語字幕(または吹き替え)で観た映画を今度は英語で理解できるというのは、かなり新鮮な感覚で、さらにその作品を好きになることは間違いありません。
英語の実力試しとして
日々の海外ドラマでの学習で培った英語力の実力試しとして、定期的に映画を字幕なしで観るのはアリです。
毎日行う学習ではなかなか成長を実感することができませんが、たまに息抜きでリラックスしながら映画を観てみると、意外にも内容を理解できている自分に気付きます。
この時ばかりは英語学習ということはひとまず置いておいて、単純に娯楽として作品を楽しみましょう。
映画は英語字幕で見ない方がいいブヒか?
うん、映画は映像主体だから字幕に集中してるとあまり楽しめないからね
英語学習ツールとして海外ドラマを使う場合の注意点
実は30分ドラマの方が難易度が高め
海外ドラマ(特に30分ドラマ)は時間の制約があるため、全ての要素をコンパクトに凝縮する必要があり、どうしても会話のスピードとテンポがリアルの会話よりも速くなりがちです。
しかも、セリフとセリフの間に余白がなく、会話のキャッチボールが延々と続いているという感じです。
45分ドラマや1時間ドラマは比較的リアルの会話に近く、ちゃんとセリフの間に自然な間を取っているので、意外にすんなり入ってきます。
30分ドラマの方が短いので難易度は低いと思いがちですが、実はセリフ量にあまり差がなく、凝縮している分難易度は高めです。
また、ほとんどがセリフ中心でシーンが構成されているため、視覚的な補助が少なく、英語を理解できないとストーリーを理解しにくいという難点もあります。
なので、時間に余裕があるという人は、1時間ドラマを選んだ方がストレスなく継続できるかもしれません。
30分ドラマで時短を取るか、1時間ドラマでリアルを取るかの選択になります。
実はシットコムの方が難易度が高かったりするブヒな
うん、日常を描いた1時間ドラマの方が簡単かもしれないね
急な打ち切りや設定変更がある
海外ドラマは視聴率や人気度によってシーズン継続が決まるので、低視聴率が続くと急に打ち切られたりエピソード数が縮小されるということがあります。
また、シーズンごとに俳優との契約があるので、契約満了の俳優が演じているキャラクターがシーズン最終話で急に死んだり、遠くに引っ越したりして、ストーリーとしてはかなり不自然な展開になる場合が多々あります。
続きを楽しみにしていたドラマが急に終わったり、好きなキャラクターが急に死んだりした時に、なんとも言えない喪失感を味わうこともあるので、海外ドラマあるあるとして心の準備をしておきましょう。
中毒性がある
海外ドラマは脚本のクオリティが非常に高く、視聴者を離さない工夫が随所に散りばめられているので、毎話終わるたびにもう一話だけ観るかという衝動と戦わなければなりません。
おそらく「一気見(いっきみ)」というのは海外ドラマが普及して生まれた言葉ではないでしょうか。
ちなみに一気見は英語ではBinge-watchingと言うよ
特に30分ドラマは1エピソードが短くテンポがいいので、かなり中毒性があり、止まらなくなる危険性があります。
英語学習ツールとして適度な中毒性はメリットになりますが、睡眠時間を削ったり、やるべきタスクを先延ばしにしたりするほどハマってしまうのはよろしくありません。
あくまでも学習の一環として行なっているということを忘れずに、節度を持って取り組みましょう。
また、ロングシーズンのドラマを完走した後などは達成感と共に激しいロスに襲われる場合があります。
今度は字幕なしで2周目も悪くないブヒよ!
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勉強はしたくないけど英語を上達させたい人におすすめ
海外ドラマを使った英語学習は正しい方法で行えば非常に効果があります。
残念ながら、ただ観て楽しむだけではあまり上達を実感できないでしょう。
今回の記事では詳しく説明していませんが、本当に海外ドラマのみで英語を上達させたい場合は、別途スクリプトを確認し、内容をある程度のレベルまで理解する必要があります。
また、1回の視聴のみではなく、できれば各エピソード2回は見ると効果が倍増します。
あくまでも英語学習ツールとしての海外ドラマなので、もちろん普通に視聴するよりは負荷が高く手間もかかりますが、洋書多読やTEDを使った学習はどうも続かないという英語学習者にとっては、救世主となり得る逸材です。
英語は上手くなりたいけど勉強はもうしたくないという人にとっては、まさにうってつけの学習ツールなので、うまく活用して楽しみながら英語を上達させてほしいと思います。