なぜ今Podcastなのか?リスニングツールとしての魅力を改めて語る

当ブログではメインの英語学習として洋書多読を推奨しています。

非常に効果の高い多読ですが、それだけになかなか気軽にできないという側面もあります。

  • 常に高い集中力を必要とする能動的活動なので、長時間行うことが難しい
  • 物理的に本(またはデバイス)を持たなければいけないので、他の作業をしながら行うことが難しい
  • 出先などで不意に時間が空いた時に本がないと何もできない(紙の本の場合)
  • 副次的なリスニングへの効果はあるが、実際のリスニングには及ばない

そこで、多読の弱点であるリスニングをカバーしつつ、インプットの量を稼ぐことのできるサブの学習方法として、Apple Podcast(ポッドキャスト)による多聴をおすすめします。

今回は、なぜ英語のリスニングにPodcastによる多聴が良いのか詳しく解説していきます。

Contents

英語の多聴にPodcastをおすすめする理由

スキマ時間を有効活用できる

Podcastによる多読の一番の利点は、場所や環境を選ばず、いつでも好きな時に、準備なしで始められるので、ちょっとした時間に気軽に行えるということです。

例えば、洋書を使った多読ですと、ある程度まとまった時間を予定に組み集中して行う必要があるため、不意に時間が空いた時などはあまり効率的に行うことができません。

また、疲れている時、食後で満腹の時、運動直後で息が上がっている時などはパフォーマンスが著しく落ちるといったことがあるので、状況やタイミングが思いのほか限定されてしまいます。

しかし、サブの学習法としてのPodcastでのリスニングであれば、そこまで気張ってやる必要がありません。

えいじ

スマホをダラダラいじっているよりかはよっぽど生産性があるな

くらいの気持ちで取り組めますので、始めるまでの心理的ハードルが低いです。

時には多読やその他のメインの学習を行うモチベーションがどうしても湧かないこともあるでしょう。

しかし、英語学習は継続が命なので、やる気が起きないからといって何もしないという選択はできるだけ避けたいところです。

そこで、やる気は出ないけどとりあえす何かしたいという時の軽めの代替トレーニングとしても活用できます。

げん丸

一度完全にサボるとそのままフェードアウトする危険があるブヒな

チャンネルがたくさんある

Podcastには数え切れないほどのチャンネルが存在しています。

2023年現在、全体で約300万のポッドキャストチャンネルがあり、そのうちの60%の約180万が英語のチャンネルとのこと。

その他のメディアに比べ、参入障壁が低く、コストも高くないため、プロ・アマ含め世界中の様々な人たちがPodcastを配信しています。

また、取り扱っているジャンルもニュースやビジネスなどメジャーなものから専門的・マニアック・ニッチなものまで多岐に渡ります。

逆に数が多すぎて選べないという悩みはありますが、素材探しには事欠きません。

最初は色々なチャンネルを試してみて、自分に合うチャンネルを何個かピックアップするといいと思います。

多くのチャンネルは大体週に1エピソードはアップしているので、お気に入りのチャンネルを見つけたら、習慣的に継続して聴くことができます。

げん丸

犬に関するチャンネルも結構あるブヒな!

えいじ

うん、僕もよく聴いてるよ!げん丸くんのためにもなるからね

Podcast言語別チャンネル数ランキング

RankLanguageNumberProportion
1English1,786,26960.38%
2Spanish346,99011.73%
3Portuguese205,3816.94%
4Indonesian141,7714.79%
5German78,9042.67%
6French59,9612.03%
7Chinese50,2391.7%
8Italian29,7351.01%
9Japanese29,2080.99%
10Hindi26,7080.9%
11Russian24,8990.84%
12Dutch19,8910.67%
13Swedish14,6790.5%
14Arabic12,5700.43%
15Turkish11,2720.38%
16Polish10,2450.35%
17Danish9,8150.33%
18Norwegian8,6130.29%
19Farsi7,7490.26%
20Tamil6,7990.23%
Others76,9342.6%
Podcast language distribution

EXPLODING TOPICS

Podcastジャンル別ランキング

RankGenreNumberProportion
1Society & Culture496,37913.75%
2Education450,95212.49%
3Arts341,7739.47%
4Business321,3858.91%
5Religion & Spirituality302,3908.38%
6Comedy258,6087.17%
7Health & Fitness222,4406.16%
8News186,4145.17%
9Leisure178,1364.94%
10Music171,3614.75%
11Sports159,4624.42%
12TV & Film112,9133.13%
13Technology89,5942.48%
14Kids & Family78,2062.17%
15Science77,3162.14%
Others161,8814.49%
Podcast distribution by genre
EXPLODING TOPICS

トピックが明確なので理解しやすい

Podcastのチャンネルは一つのジャンルに特化しているものが多く、自分の興味のある話題や得意な分野の話をピンポイントで選ぶことが可能です。

さらに、各エピソード毎にトピックを絞っている場合が多いので、さらに理解がしやすいです。

えいじ

素材を選ぶときは、英語の難易度ではなく、そのテーマへの興味の高さ・得意度を優先しよう

また、特定の分野の話をしているため、何度も同じような表現や単語が出てくるので、単純接触効果が得られます。

なので、ある箇所が理解できなかったとしても、前後の文脈から意味を推測しやすくなります。

単純接触効果
繰り返し接すると好意度や印象が高まるという効果。対人関係にも使用されるが、この場合は単純接触を繰り返すことによって、自分にとって必要な情報という印象を脳に与えるのが狙い。

コンテンツの長さがちょうどいい

Podcastのエピソードは短めのものだと大体10〜15分、長めのものだと大体40〜50分で、平均して30分前後のものが多い印象です。

スキマ時間に行うリスニング素材としては短すぎず、長すぎず、絶妙な長さなので、テンポよく進めることができ、なおかつ少し間が空いてもある程度内容を覚えていられます。

げん丸

もし内容を忘れちゃったら、また最初から聴いた方が良いブヒか?

えいじ

いや、その時はそのまま続きからスタートしてもいいよ
理解度を完璧にしようとすると負担になって継続できないからね

デバイス間で同期ができる

Podcastは様々なデバイスでの再生が可能です。

さらに、デバイス間で同期ができるので、例えば、さっきまでMacで聴いていたエピソードの続きをiPhoneで聴くというようなことが自動でできます。

げん丸

いちいち再生時間をメモらなくてもいいブヒな!

Podcast対応デバイス一例
  • iPhone
  • iPad
  • iPod touch
  • Mac
  • Windows
  • Android
  • その他Podcast対応スマートスピーカーなど

また、エピソードの共有も可能なので、アプリから直接SNSでシェアしたり、リンクを各種メッセージアプリで個別に送ることも簡単にできます。

ダウンロードでのオフライン再生が可能

PodcastはiPhoneやMacなどの端末に音声データを直接ダウンロードして、オフラインでの再生が可能です。

普段は(よっぽど山奥や地下など電波の届かない場所でない限り)ストリーミング再生で問題ありませんが、飛行機の中や、トンネルが多い高速道路を運転中などはダウンロード再生が活躍します。

げん丸

長いフライトのお供にも相性がいいブヒな!

えいじ

うん、目を使わないから長時間聴いててもそんなに疲れないし、バッテリーの消費も少ないからね

様々なプラットフォームでの再生に対応

Podcastの再生にはApple純正のアプリ[Apple Podcasts]を使うのが一般的ですが、その他複数のプラットフォーム(アプリ)での再生も可能です。

Apple Podcasts以外はiOS・Android両方に対応しています。

機能面に大差はないので、UIや操作感の好みで選んで大丈夫です。

げん丸

最近はGoogle Podcastsの評判が上がってきてるみたいブヒな

基本的に無料で聴き放題(一部有料のサブスクリプションあり)

ポッドキャストは基本的に全ての機能を無料で利用できます。

一部有料のサブスクリプションチャンネルがありますが、どうしてもそのチャンネルが聴きたいという場合以外は特に選ぶ必要はありません。

有料のチャンネルを利用したことはないので比較はできませんが、無料チャンネルだからといって番組が途中までしかなく課金を促されたり、クオリティが著しく低いといったことはなく、十分満足できる内容である場合がほとんどです。

えいじ

もちろん、その道のプロや専門家もいれば、個人の趣味レベルで配信しているチャンネルもあるので、すべてが高品質というわけではないよ

げん丸

ほう、YouTubeに近いブヒな

無料なのに広告がない

現代ではYouTubeやInstagramなどの無料SNSやその他無料アプリの普及により、特に若い世代の人たちは、広告に対する抵抗がなくなってきているかもしれません。

ただそうは言っても、アプリを開いた時にデカデカと広告が表示されるのは気分がいいものではありません。

また、リスニングに集中している時に、全く関係のない日本語のコマーシャルが唐突に流れてきてしまうと、確実に学習効率は下がります。

Podcastは無料のアプリにも関わらず、アプリ内に広告はなく、エピソードを再生中も途中で突然CMが流れることはありません。(Spotifyは低頻度ですが再生中にCMが入ります)

ただし、エピソード内に他のPodcastチャンネルの告知が入ることがあります。

しかし、すべて英語で、興味深いチャンネルが結構あるので、全然不快ではなく、むしろリスニングの練習にもなり、新たなチャンネルの開拓にもなるので、デメリットにはなりません。

Podcast多聴は多読の弱点をカバーするスーパーサブ

今回紹介したPodcastによる多聴のメリットは主にハードの部分が中心でしたが、もう少し根本的なメリットとして次のようなものが挙げられます。

  • 単純に楽しい
  • 英語以外の知識や教養が得られる
  • 音声情報のみなのでリスニングに集中できる
  • ラジオ感覚で聴ける
  • YouTubeのように派手な効果や演出がないため、落ち着いて聴ける

しかしながら、Podcastによる多聴はメインの学習法にはなりにくいです。

なぜかというと、

  • 文字情報が無いため、未知語を認識しにくい
  • 無料が故に集中力やモチベーションを維持しにくい
  • 小説や映画・ドラマのように綿密に練られたスクリプトではなく、フリートークに近いのでやや効率が悪い
  • 聞き流しの状態になりやすく、確実な効果を得にくい

ということがあるからです。

特に気をつけて欲しいのが、多聴は聞き流しではないということです。

聞き流しの効果については次の記事で詳しく解説しますが、現時点での私の見解としては、聞き流しの効果はほぼ無いに等しいというところに落ち着いています。

なので、多聴といえど、一日中ずっとBGM的に流したりするのはあまり得策ではありません。

あくまでもスキマ時間を利用して、ある程度の集中度と理解度を伴って行うべきです。

最後にPodcastによる多聴をする上でのポイントをおさらいして終わりたいと思います。

Podcastで多聴をする上でのポイント
  • 興味のあるテーマを選ぶ
  • 内容を理解しようとする
  • あくまでもスキマ時間を有効活用するための方法として捉える
  • メインの学習法にはなりにくい
Contents