前回の記事、洋書多読を今すぐ始めよう!基本的なルールと初心者におすすめの一冊を読んでくれたあなたはきっと、今すぐ多読を始めたくてウズウズしていることでしょう。
では実際に多読を始めようと思っても、選択肢が多すぎるし、「多読と言えばこれさえ読んでおけば良い」というものが存在しないので、どこから手を付けて良いか悩んでしまう人もいるでしょう。
悩んだ挙句、なんだか面倒になって、結局多読を諦めてしまうのは非常にもったいないです。
今回は、私が実際に行った方法から特におすすめの素材3つを紹介します。
また、あまりおすすめしない素材も紹介していますが、あくまでも私には合わなかったということですので、興味があれば一度試してみる価値はあります。
それでは解説していきます。
英語多読におすすめの素材3選
多読において、素材(コンテンツ)選びは非常に重要です。
素材の良し悪しで、多読ヘのモチベーションや得られる効果が著しく変わってきます。
例えばペーパーバックの場合ですと、大体200〜400ページほどになります。
毎日10ページ読み進めたとしても、1ヶ月前後掛かる計算だね
結構長い付き合いになるブヒな!
なので素材選びにはある程度じっくり時間を使っても良いと思っています。
どうしてもつまらなかったり、難しすぎる場合は、途中で読むのをやめても良い、という気軽さが多読の良いところでもあります。
しかし、洋書は比較的高額なため、やはり素材選びはある程度慎重に行った方が良いでしょう。
おすすめの素材①【小説】
まずはじめにおすすめしたいのは小説です。
私が英語をインプットする上で最も大切だと思っている没入感が他のコンテンツに比べダントツで高いです。
フィクション・ノンフィクションは特に違いが無いので、好みで選んでもらって大丈夫です。
大事なのは、いかに臨場感を持ってその英語に触れているかということです。
その世界に深く入り込んで読むことによって、脳はその情報を今目の前で起こっている事と認識し、その瞬間のイメージや感情、さらには言語表現を通して感じた匂い・味・音など五感を刺激することによって、記憶の定着が促されます。
うまそげなもんが出てきた時はよだれが止まらないブヒ〜
はは、げん丸くんはうまくイマージョンできているようだね!
これは無味乾燥な単語帳を読んで無理やり暗記することでは得られない、右脳的な写真記憶のような定着の仕方です。
このように身に付けた単語や表現は、後に自分が似たような状況に置かれた時、反射的に自分の言葉として出てきます。
一度日本語で文章を組み立ててから、頭の中の引き出しを一つずつ開けていって該当の単語を引っ張り出してくる、という従来の回路では実現できないスピードで口から出てきます。
しかも、そのようにして出てきた言葉は、ネイティブの人が聞いても違和感がない場合が多いです。
不自然に聞こえるのは大抵、無理やり引っ張り出してきた時や意味をそのまま直訳しただけの時です。
ただし、小説は少々人を選びます。
普段小説を読む習慣のない人や、物語では感情移入しにくいという人には、ストレスになる可能性があります。
そのような人には、伝記や歴史小説など、実際にあった話または史実に基づいたリアルなフィクションの方が夢中になれるかと思います。
いずれにしても、文章がある程度ナラティブな方が、没入感を得やすく、三次元(空間)または四次元(時系列)で状況を認識できるので、記憶が定着しやすくなります。
難易度がそこまで高くなく大人でも楽しめる小説一例
おすすめの素材②【ビジネス書・自己啓発本・ハウツー本・実用書】
次におすすめなのが、ビジネス書・自己啓発本・ハウツー本・実用書(以下総称してビジネス書)です。
ビジネス書では、難しいことや新しいアイデアを誰にでもわかるように説明する必要があります。
そのため、表現がストレートで、使われている英語も非常に平易です。
もちろん内容によっては見慣れない専門用語が出てきますが、その章において1つのテーマがはっきりしているので、対応がしやすいですし、そもそも覚える必要性が高くないレア単語ばかりです。
レア単語って例えばどんなものブヒか?
例えば病気の名前や動物・植物の名前、その他固有名詞なんかはそういうものがあるんだなって思う程度で、基本スルーで大丈夫だよ
まず、本のタイトルが内容そのものを表していることがほとんどなので、自分の読みたい内容のものを選びやすく、小説よりは当たり外れ(合う合わない)が少ない傾向があります。(もちろん内容の良し悪しはありますが…)
また、テーマが絞られている分、頻出単語はより出現頻度が高くなります。
ビジネス書は大概、最初の3章くらいまでに大事なことの8割くらいは説明を終えてしまっており、残りの章では、実例紹介や同じ内容を少し表現を変えた形で繰り返し説明している場合が多く、ページ数の割には内容が薄いということが多々あります。
これは通常デメリットになるのですが、英語多読という観点から見ると実はメリットになります。
英語学習において、同じ内容・単語・表現などを似たような場面で何度も目にするのが非常に重要だからです。
この似たような場面というのが肝です。
同じセンテンスを何回も読むのは効果がないってことブヒか?
効果がないわけではないけど、同じセンテンスを20回読むのと、似たような場面だけど別のセンテンスで同じ単語に20回出会うのとでは、効果に雲泥の差があるよ!
なので、前後の文脈から予測がつきやすいですし、その後意味を調べたとしても、以後何度も出てくるので、単純接触効果が高まります。
ビジネス書を好んで読む人は、いかに必要な情報を短時間で必要な分だけ取り入れるかを重視する傾向があるため、速読や斜め読みをする人が多いです。
そのため、一番伝えたいことや要点が段落の一行目に書かれていることがほとんどです。
なので、小説ほどの集中力や想像力を必要としません。
さらに、文章が体系的に構成されているため、ある一定のリズムを保ちながら、テンポよく読み進めていくことができます。
また、必要がないと思えば、その章を飛ばしても、後の章にあまり影響がありません。
小説は冗長すぎる・ベネフィットを感じない、もっと実生活に直結するものを読みたい、という人にはビジネス書がおすすめです。
おすすめの素材③【雑誌・ムック本】
英語多読には基本的に小説かビジネス書が最もおすすめですが、
- 小説やビジネス書はちょっと重すぎる
- もっとカジュアルにパラパラとページをめくれるものが良い
- ビジュアルも楽しみたい
という人には、雑誌やムック本(以下総称して雑誌)がおすすめです。
雑誌には写真やイラスト・図が多く、ページ全体がデザインされているため、余白をたっぷり取ったり、文字の大きさに変化をつけています。
その結果、1ページあたりの文字数は少なくなり、読書の負荷を下げてくれます。
確かに文字ばっかりだと頭がパンクしそうになるブヒ〜!
写真やイラストは適度に脳を休ませる効果もあるからね
プロのカメラマンが何枚も撮った写真の中から厳選したハイクオリティな写真が多いので、見ていてワクワクしますし、クリエイティブ系の仕事をしている人には、アイデアやインスピレーションのインプットにもなります。
視覚的な補助があることによって、より本文の理解が得られますし、また本文を理解することによって、そのビジュアルの理解も深くなるという相乗効果があります。
また、小説やビジネス書とは違い、独立したテーマやコーナーが数ページごとに展開されているフォーマットなので、読んでいて飽きにくいですし、飛ばしても後のページの理解に影響を与えません。
なので、毎日定期的に多読の時間を取れない人や、空き時間にサクッと読みたいという人には、雑誌がおすすめです。
英語多読にはあまり向いていない素材3選
あまり向いていない素材①【新聞・WEBニュース】
英語を学習している人の中には、英字新聞を読めるようになることに憧れている人もいるかと思います。
そして、多くのサイトではおすすめの多読の素材として英字新聞が挙げられています。
確かに最新の情報を効率よく得る方法としては優秀です。
また、雑誌と同じように読みたい記事だけをピックアップしたり、見出しのみをさらっと見てから気になる記事だけじっくり読むということもできるので、その人のレベルや興味に合わせて柔軟に活用できる方法です。
しかしながら、私は下記の理由から、多読の素材として新聞(WEBニュース)はあまりおすすめしません。
- 感情移入しにくい
新聞という媒体の特性上、情報を簡潔に最小単位で伝える必要があり、どうしても文章が無味乾燥になります。情緒性に欠けるので、感情移入がしにくく、没入感(イマージョン)を得にくいです。 - 新聞固有の表現・文法
新聞では見出しや記事ごとに使用できる文字数が限られているため、文字数を限りなく抑えるよう新聞独特の表現や文法(過去形はすべて現在形に・未来形はTo不定詞に・Be動詞は省くなど)があり、慣れていないと非常に読みづらく、そのまま日常会話に適用しにくいという特徴があります。 - メディアの影響を受けやすい
新聞はその他の媒体に比べメディア色が強いため、どうしても恐怖や不安を煽られやすく、知らずにネガティブな感情に支配される危険性があります。
※これに関しては直接英語に関わることでは無いのですが、私個人の意見として、「新聞を読んで世の中の情勢を知ることがビジネスパーソンとして欠かせないこと」としている風潮には懐疑的です。また、人間はどうしてもインプットした情報に影響されてしまう生き物なので、メディアの情報からはある程度距離を置いた方が精神衛生を保ちやすいと思っています。
私も英字新聞に何度か挑戦したことがありますが、どうも興味が湧かず、読むことが苦痛になっていました。
よく考えたら、普段から日本語の新聞も読む習慣がなく、そもそも新聞を読むこと自体があまり好きでは無いということに気が付き、
日本語でもやりたくないことは英語でもやらないことにしよう
と決心しました。
「英語学習のために」と、あえて新聞を読む必要はないということです。
政治、世界情勢、環境問題などには明るくないため、内容が頭に入ってきません。
なので、普段から新聞を読む習慣がある人やニュースが好きな人は、割とすんなり入れるかもしれません。
特に最初はThe Japan TimesやJapan Todayなど、日本のことを取り扱っている新聞・ニュースが良いでしょう。
また、最初から英語オンリーはハードルが高いという人は、まずはThe Japan Times Alphaのような英語学習者向けの英字新聞で新聞特有の語彙や表現に慣れていくというのもいいかと思います。
あまり向いていない素材②【絵本】
多読をお勧めしている人のサイトなどを見ると、最初は絵本など、文字数が少なく、小児向けの英語で書かれた本をお勧めしている場合が多いです。
確かに難易度は低いので、高校レベルの英語に自信がない英語初心者の人や小さい子供には良いかもしれません。
難易度が低いっていっても、それなりの文法や単語は使われてるから歯応えは結構あるブヒよ
「良い」というよりも、それしか選択肢がないので、絵本を選ばざるを得ないと言った方が適切かもしれません。
しかし、いくら英語の勉強のためと言えど、大人の我々が純粋に絵本に熱中する、というケースはなかなかないと思います。
もちろん、絵本を読むと童心に帰れるから癒される、メルヘンな世界観が大好き、という人であれば楽しめるでしょう。
また、子供と一緒に英語を学びたい、という人にはうってつけの素材ではないでしょうか。
もう一つ絵本をおすすめできない理由は、詩的な表現が多いということです。
使われている単語は簡単で、一行の長さも短いのですが、ポエムのようなリズムや表現のため、なんとなくの理解しかできない場合があります。
そもそも、ポエムの意味や意図を論理的に理解しようとすること自体が無粋なのかもしれません。
なので、英語学習の素材としては、絵本はあまりおすすめできません。
あくまでも絵本は、趣味として、気晴らしに読む程度でちょうど良いと思います。
あまり向いていない素材③【興味のないジャンル・題材】
英語多読の素材として小説を選ぶ時、まずは難易度があまり高くない児童書や恋愛ものがおすすめです。
使用されている単語の数も少ないですし、専門用語などの難解な単語もあまり出てきません。
しかし、人によっては、どうしても肌に合わない題材になってしまう可能性があります。
例えば、あなたが30代・40代の男性だった場合、
- 子供同士の友情や学校の話
- 動物や架空の生き物が主役のゆるいファンタジー
- ティーンの甘酸っぱい恋愛ストーリー
のような題材のものを楽しむのはさすがに厳しい、という人もいるでしょう。
そのような場合は、無理に難易度を優先して、興味のない題材を選ぶ必要はありません。
例え内容が難しく、仮に理解度が50%程度だったとしても、興味のあることや好きな題材であれば、十分に楽しむことができます。
そして、
難しくて半分くらいしか理解できなかった、、、まだまだこの本を読むのは早すぎたかな、、、
と落ち込む必要は全くありません。
むしろ、
とても難しかったけど、なんとか半分くらいは理解できたぞ!
と、自分が興味のある内容・知りたかった情報を50%も理解できたと喜ぶべきです。
私自身も、多読を始めた頃はセオリー通りに児童書から始めましたが、ある程度英語の本を読むことには慣れたと感じてからは、本当に自分の興味のある題材を選ぶようにしました。
当然難しいですが、心から読みたいと思う内容なので、途中で挫折しにくいですし、内容自体が自分にとって価値があるのものなので、英語以外のベネフィットが得られ、結果的にモチベーションアップにつながっています。
洋書多読を始めてみたいけど、
何から読んでいいかわからない
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100万冊以上という圧倒的な数の洋書を取り揃えており、合わないと思ったらどんどん次の本にいくことができるので、多読と非常に相性が良いです。
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まずは何冊か試しに読んでみて、洋書多読が自分に合っているかどうか確かめてみましょう。
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個人的には小説がおすすめ
以上、英語多読におすすめの素材3つ+あまり向いていない素材3つを紹介しましたが、合う・合わないは人それぞれなので、最初は色々なジャンルのものを試してみて、自分に合う素材を見つけてください。
個人的にはやはり小説が一番おすすめです。
まず、ストーリーがよく練られており、読者を飽きさせない工夫が随所に散りばめられているので、ページを進める手が止まりません。
なにより、英語のみで自分の頭の中の映像が展開されていることに感動を覚えます。
面白い場面では思わず吹き出しますし、感動のラストシーンでは自然に涙が溢れてきます。
そして、一冊のペーパーバックを読み終えた時には、長い夢から覚めたような喪失感と、大作を読み切ったという達成感が入り混じり、単なる英語学習という枠を超え、人生においてとても貴重な体験をしていると感じさせられます。
最初はどうしても読書体力がないため、すぐに集中力が切れ、1日数ページしか進めないかもしれません。
しかし、少しずつでも毎日継続して読んでいれば、徐々に慣れてきて、読書体力が付き、読むスピードと量がグングン伸びていきます。
そして、ぜひ一度は一冊の小説を完読するという体験をしてほしいです。
あなたの英語学習に対するリミッターが外れ、「大概のものは読めるな」という大きな自信につながります。
私はここからが英語学習の本当のスタートだと実感しています。