多読初心者でも効果を感じやすい英語素材の正しい選び方

英語多読に効果があるのはわかったが、実際何を読めばいいのか？

多読が良いというのを知って、いざ始めようと思っている人もいるかと思いますが、

選択肢が多すぎて、何を選んで良いかわからない…

と、なかなか前に踏み出せないという状況にハマってはいないでしょうか？

結論としては、どんな素材を選んでもOKなのですが、私個人の多読の経験を通して、多読に向いている素材とあまり向いていない素材の傾向が見えてきました。

そこで、今回お話しするテーマがこちら、

それでは、始めていきましょう。

英語多読におすすめの素材3選

多読において、素材（コンテンツ）選びは非常に重要です。

素材の良し悪しで、多読ヘのモチベーションや得られる効果が著しく変わってきます。

例えば、ペーパーバックの場合ですと、大体200〜400ページほどのボリュームになります。

途中で読むのをやめても良いという気軽さが多読の良いところではありますが、洋書は比較的高額なため、素材選びはある程度慎重に行った方が良いでしょう。

小説

まずはじめにおすすめしたいのは小説です。

私が、英語をインプットする上で最も大切だと思っている没入感を最も実感できるのが小説です。

多読で一番大事なのは、いかに臨場感を持ってその英語に触れているかということです。

その世界に深く入り込んで読むことによって、脳はその情報を今目の前で起こっている事と認識し、その瞬間のイメージや感情、さらには言語表現を通してイメージした匂い・味・音など五感を刺激することによって、記憶の定着が促されます。

このようにして身に付けた単語や表現は、後に自分が似たような状況に置かれた時、反射的に自分の言葉として出てきます。

ただし、小説は少々人を選びます。

• 普段小説を読む習慣がない
• 物語では感情移入しにくい

という人は、伝記や歴史小説など、実際にあった話、あるいは史実に基づいたリアルなフィクションの方が夢中になれるかもしれません。

いずれにしても、文章がある程度ナラティブな方が、没入感を得やすく、三次元（空間）または四次元（時系列）で状況を認識できるので、記憶が定着しやすくなります。

ビジネス書

次におすすめなのが、ビジネス書・自己啓発本・ハウツー本・実用書（以下総称してビジネス書）です。

ビジネス書では、難しいことや新しいアイデアを、誰にでもわかるように説明する必要があるため、表現がストレートで、使われている英語も非常に平易です。

もちろん、内容によっては見慣れない専門用語が出てきますが、そもそも覚える必要性が高くないレア単語ばかりです。

まず、ビジネス書は、本のタイトルが内容そのものを表していることがほとんどなので、自分の読みたい内容のものを選びやすく、小説よりは当たり外れ（合う合わない）が少ない傾向にあります。

ビジネス書はタイトルごとにテーマが絞られているので、必然的に特定の単語の出現頻度が高くなり、いつのまにか重要語を覚えてしまうというメリットがあります。

また、ビジネス書には、その章で一番伝えたいことや要点は、段落の一行目に書かれているという傾向があり、小説ほどの集中力や想像力を必要としません。

さらに、文章が体系的に構成されているため、テンポよく読み進めていくことができ、必要がないと思えば、その章を飛ばしても、後の章にあまり影響がありません。

• 小説は冗長すぎる・ベネフィットを感じない
• 実生活に直結するものを読みたい
• 効率よくインプットしたい

という人には、ビジネス書がおすすめです。

雑誌

英語多読には基本的に、小説かビジネス書が最もおすすめですが、さらにライトに読める素材としては、雑誌やムック本（以下総称して雑誌）がおすすめです。

写真やイラスト・図が多く、余白をたっぷり取ったり、文字の大きさに変化をつけているので、非常に読みやすく、活字が苦手という人でも、すんなり読むことができます。

特にクリエイティブ系の仕事をしている人にとっては、アイデアやインスピレーションのインプットにもなります。

また、

• 視覚的な補助があることによって、本文の理解が深まる
• 本文を理解することによって、そのビジュアルの理解もまた深くなる

という相乗効果があります。

ビジネス書よりもさらにテーマが細分化されているので、気軽に気になった記事だけをピックアップして読むことができます。

• 毎日定期的に多読の時間を取れない
• 空き時間にサクッと読みたい
• ビジュアルも楽しみたい

という人には、雑誌がおすすめです。

英語多読にはあまり向いていない素材3選

新聞・WEBニュース

英語を学習している人の中には、英字新聞を読めるようになることに憧れている人もいるかと思います。

実際、多くのサイトでは、おすすめの多読の素材として英字新聞が挙げられています。

確かに、最新の情報を効率よく得る方法としては優秀です。

また、雑誌と同じように読みたい記事だけをピックアップしたり、見出しのみをさらっと見てから気になる記事だけじっくり読むということもできるので、その人のレベルや興味に合わせて柔軟に活用できる方法です。

しかしながら、私は下記の理由から、多読の素材として、新聞（WEBニュース）はあまりおすすめしません。

感情移入しにくい

新聞という媒体の特性上、情報を簡潔に最小単位で伝える必要があり、どうしても文章が無味乾燥になります。情緒性に欠けるので、感情移入がしにくく、没入感（イマージョン）を得にくいです。

新聞固有の表現・文法

新聞では見出しや記事ごとに使用できる文字数が限られているため、

• 過去形はすべて現在形に
• 未来形はTo不定詞に
• Be動詞は省く

など、新聞特有のルールがあり、慣れていないと非常に読みづらく、そのまま日常会話に適用しにくいという特徴があります。

メディアの影響を受けやすい

新聞はその他の媒体に比べメディア色が強いため、どうしても恐怖や不安を煽られやすく、知らずにネガティブな感情に支配される危険性があります。

私個人の意見として、「新聞を読んで世の中の情勢を知ることがビジネスパーソンとして欠かせないこと」としている風潮には懐疑的です。また、人間はどうしてもインプットした情報に影響されてしまう生き物なので、メディアの情報からはある程度距離を置いた方が精神衛生を保ちやすいと思っています。

普段から新聞を読む習慣がある人やニュースが好きな人は、割とすんなり入れるかもしれないので、チャレンジする価値はアリです。

最初は、

• The Japan Times
• Japan Today

など、日本のことを取り扱っている新聞・ニュースが良いでしょう。

また、最初から英語オンリーはハードルが高いという人は、

• The Japan Times Alpha

のような、英語学習者向けの英字新聞で、新聞特有の語彙や表現に慣れていくというのもいいかと思います。

絵本

絵本は確かに難易度は低いので、

• 高校レベルの英語に自信がない英語初心者の人
• 小さい子供

には良いかもしれません。

しかし、いくら英語の勉強のためと言えど、大人の我々が純粋に絵本に熱中するというのは、なかなか難しいのではないでしょうか。

また、絵本には、ポエムのようなリズムや詩的な表現を使っているものが多く、なんとなくの理解しかできない場合があります。

個人的には、英語学習の素材として、絵本はあまりおすすめできませんが、

• 絵本を読むと童心に帰れるから癒される
• メルヘンな世界観が大好き
• 子供と一緒に英語を学びたい

という人には、取り入れてみる価値はあるかと思います。

興味のないジャンル・題材

英語多読の素材として小説を選ぶ際、まずは難易度があまり高くない児童書や恋愛ものがおすすめです。

使用されている単語の数も少なく、専門用語などの難解な単語もあまり出てきません。

しかし、人によっては、どうしても肌に合わない題材になってしまう可能性があります。

例えば、あなたが30代・40代の男性だった場合、

• 子供同士の友情や学校の話
• 動物や架空の生き物が主役のゆるいファンタジー
• ティーンの甘酸っぱい恋愛ストーリー

といった題材のものを楽しむのはさすがに厳しい、という人もいるでしょう。

そのような場合は、無理に難易度を優先して、興味のない題材を選ぶ必要はありません。

例え内容が難しく、理解度が50％程度だったとしても、興味のあることや好きな題材であれば、十分に楽しむことができます。

私も多読を始めた頃は児童書から始めましたが、ある程度英語の本を読むことには慣れたと感じてからは、本当に興味のある題材を選ぶようにしました。

当然、難易度は高くなりますが、心から読みたいと思う内容なので、途中で挫折しにくいです。

さらに、内容自体が自分にとって価値があるのものなので、英語以外のベネフィットが得られ、結果的にモチベーションアップにつながっています。

おわりに

多読の素材に関しては、人によって合う・合わないがあるので、最初は色々なジャンルのものを試してみて、自分に合う素材を見つけていただければと思います。

個人的には、やはり小説が一番おすすめです。

まず、ストーリーがよく練られていて、読者を飽きさせない工夫が随所に散りばめられているので、ページを進める手が止まりません。

なにより、英語のみで自分の頭の中の映像が展開されていることに感動を覚えます。

面白い場面では思わず吹き出しますし、感動のラストシーンでは自然に涙が溢れてきます。

最初はどうしても読書体力がないため、すぐに集中力が切れ、1日数ページしか進めないかもしれません。

しかし、少しずつでも毎日継続していれば、徐々に慣れてきて、読むスピードと量がグングン伸びていきます。

そして、一冊の小説を完読するという体験をしてほしいです。

あなたの英語学習に対するリミッターが外れ、

という大きな自信につながります。

ここからが英語学習の本当のスタートです。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。