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Deep WorkとShallow Workの違い|『Deep Work』徹底解説【1】

今回紹介する本はこちら、

Deep Work
Rules for Focused Success in a Distracted World

いかにも生産性が上がりそうなタイトルですが、「Deep Work」は、著者のカル・ニューポート独自の表現なので、

げん丸

Deep Workって何?

という人がほとんどかと思います。

また、「Deep Work」の対比として出てくるワードが「Shallow Work」です。

本書では、この2つのワークの性質の違いを明確にすることが大事だと述べています。

そこで、今回は、

について、詳しく解説していきます。

それでは、始めていきましょう。

今回紹介する本はこちら

最高の集中を手に入れたい人へ

『Deep Work』表紙

Deep Work
Rules for Focused Success in a Distracted World

英語の難易度:

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ページ数:304ページ

著者:Cal Newport

発売日:2016年1月5日

日本語訳版はこちら

『大事なことに集中する』表紙

大事なことに集中する
気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

書籍タイプ商品ページ
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ページ数:240ページ

著者:カル・ニューポート

翻訳:門田 美鈴

発売日:2016年12月9日

本記事の内容は、本書を読んで私自身が解釈・要約したものであり、著者の意図や原文を忠実に再現したものではありません。また、理解を深めやすくするため、一部の実例などに変更・補足を加えている場合があります。

Contents

「Deep Work」と「Shallow Work」の違い

本書では、タスクの性質の違いを集中度によって、

  • Deep Work(深い仕事)
  • Shallow Work(浅い仕事)

という2つのカテゴリーに分類しています。

そして、ネット全盛の現代では、「Shallow Work」過多になり、「Deep Work」に取り組みにくい環境になっていることを危惧しています。

詳しく解説していきます。

Deep Workとは

Deep Work」は、著者のカル・ニューポートによる造語ですが、本書では次のように定義しています。

Deep Work: Professional activities performed in a state of distraction-free concentration that push your cognitive capabilities to their limit. These efforts create new value, improve your skill, and are hard to replicate.

Deep Work, P3

要約すると、

  • 気が散るものを一切排除した状態で、
  • 己の認知能力をキャパシティ限界まで使うような高い集中力で、
  • 新しい価値を創造したり、スキルを磨くような、
  • 代用の効かないプロフェッショナルなアクティビティ

となります。

Deep Workの具体例
  • 新しいビジネスの戦略を練る
  • 重要な書類の作成

Shallow Workとは

対する「Shallow Work」は、次のように定義されています。

Shallow Work: Noncognitively demanding, logistical-style tasks, often performed while distracted. These efforts tend to not create much new value in the world and are easy to replicate.

Deep Work, P6

要約すると、

  • 認知能力をあまり必要としない、
  • 流れ作業的なタスクで、
  • 気が散る状況で行われることが多く、
  • 新しい価値を生み出さない、
  • 代用が効く単純労働

となります。

Shallow Workの具体例
  • メールの送信・確認・返信
  • SNSの閲覧・リプライ
  • ニュースフィードのチェック

現代はShallow Work過多

インターネットが普及した現代では、「Shallow Work」の割合が急増し、集中して何かに取り組むことが非常に難しくなっています。

例えば、Eメールが普及したことによって、レスポンスまでの許容時間が大幅に短縮され、特にビジネスの世界ではレスポンスが早いほど良いとされています。

さらに、今ではSlackなどのビジネスチャットツールが登場し、よりリアルタイムに近いレスポンスが要求される時代になりました。

そのほかにも、SNSやネットニュースなど、リアルタイムで次々に情報が流れてくるツール(Shallow Work)に囲まれていて、私たちは普通に暮らしているだけでも、脳のリソースが常に消耗されてしまう環境にいます。

このように、現代の世界に住む私たちは、常に「distraction(気が散るもの)」に囲まれており、改めて「Deep Work」の価値が認識されてきています。

そして、問題なのは、一度Shallow Work過多の状態に慣れてしまうと、Deep Workで集中することが難しくなることです。

Spend enough time in a state of frenetic shallowness and you permanently reduce your capacity to perform deep work.

Deep Work, P7

『Deep Work』はAudibleで聴けます

まとめ

Deep Work vs Shallow Work【まとめ】

  • Deep Workとは
    • 気が散るものを一切排除する
    • 認知能力をキャパシティ限界まで使う高い集中力
    • 新しい価値を創造、スキルを磨く
    • 代用不可の高い専門性
  • Shallow Workとは
    • 認知能力をあまり必要としない
    • 流れ作業的なタスク
    • 気が散る状況で行われることが多い
    • 新しい価値を生み出さない
    • 代用が効く単純労働
  • 現代はShallow Work過多
    • SNSなどのリアルタイムツールによって、常に脳のリソースを消耗している
    • Shallow Work過多の状態に慣れると、Deep Workが難しくなる

現在の経済環境では、新しい価値を創造したり、専門性の高い技術やサービスを提供することでしか、自分の価値を証明することができない世界になってきています。

そして、現代社会において、Deep Workが難しくなっている要因のほとんどはスマホに起因するものです。

つまり、世の中はDeep Workでしか価値を生み出せなくなっているのに、Shallow Workの罠から抜け出すことが難しくなっているので、両者のギャップがどんどん広がっています。

このギャップこそが、今の人たちを苦しめている「無価値感」や「虚無感」の原因ではないでしょうか。

次回は、「なぜ今、知的労働者に深い集中(Deep Work)が必要なのか?」というテーマについて、深掘りしたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

リモートワークでDEEP WORKする

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