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AI時代に価値が上がる人材3選|『Deep Work』徹底解説【3】

の記事では、現代のビジネスパーソンには、高いクリエイティビティと継続的な学習が求められているというお話をしました。

そのため、深い集中でベストなものを生み出す「Deep Work」の必要性が高まっています。

では、なぜそこまでDeep Workの価値が上がっているのでしょうか?

この問いに答えるためにはまず、これからの時代はどのような人材が求められるのかを知る必要があります。

そこで、今回は、

というテーマについて、深掘りしたいと思います。

それでは、始めていきましょう。

今回紹介する本はこちら

最高の集中を手に入れたい人へ

『Deep Work』表紙

Deep Work
Rules for Focused Success in a Distracted World

英語の難易度:

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ページ数:304ページ

著者:Cal Newport

発売日:2016年1月5日

日本語訳版はこちら

『大事なことに集中する』表紙

大事なことに集中する
気が散るものだらけの世界で生産性を最大化する科学的方法

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ページ数:240ページ

著者:カル・ニューポート

翻訳:門田 美鈴

発売日:2016年12月9日

本記事の内容は、本書を読んで私自身が解釈・要約したものであり、著者の意図や原文を忠実に再現したものではありません。また、理解を深めやすくするため、一部の実例などに変更・補足を加えている場合があります。

Contents

AI時代に価値が上がる人材・スキルとは?

なぜ現代では、そのような高いパフォーマンスが要求されているのか?

その理由は、これからのAI時代の経済において、価値が上がるとされている人材は次の3つのタイプに集約されるからです。

AI時代に価値が上がる3つのタイプ

  • ハイレベルな技術者
  • スーパースター
  • オーナー

それぞれ解説していきます。

ハイレベルな技術者
The High-Skilled Workers

これからの時代、高い技術を必要としない仕事は、AIやロボットによってオートメーション化され、一般職と言われているほとんどの職業は無くなります。

そして、今後職業としての価値が高まっていくのは、

  • データ可視化(Data visualization)
  • データ分析(Analytics)
  • 高速通信(High speed communications)
  • ラピッドプロトタイピング(Rapid prototyping)

といった、デジタルのデータを抽象的な領域で扱うハイレベルな技術職です。

猛スピードで進歩する機械の知能をうまく扱える技術者のみが生き残る

In other words, those with the oracular ability to work with and tease valuable results out of increasing complex machines will thrive.

Deep Work, P24

スーパースター
The Superstars

「スーパースター」と聞くと、アーティストやスポーツ選手といった人気商売を思い浮かべるかと思いますが、ここでのスーパースターとは、それぞれの分野において、抜きん出た才能を持った人たちのことを指します。

インターネットが普及した現代では、物理的な距離の制約がなくなり、

  • コンサルタント
  • マーケッター
  • ライター
  • デザイナー

といった、リモートワークが可能な職種であれば、「才能」は世界中から買うことができるようになりました。

また、AIは良くも悪くも、及第点・平均点より少し上のグレードのものを出してきます。

そのため、平凡な仕事では相手にされず、人間の仕事に求められるのは、AIでは考えつかないようなユニークでハイクオリティな仕事です。

よって、本物の才能を持った一部のハイパフォーマーたちに仕事が集中し、そのレベルに達せなかった人たちは淘汰されていきます。

なぜこのようなことが起きるかというと、才能は大量に買ったり、足し算したりすることができないからです。

満足する結果を得るには、ベストな才能を一度に1つ買うしかない

In other words, talent is not a commodity you can buy in bulk and combine to reach the needed levels: There’s a premium to being the best.

Deep Work, P26

オーナー
The Owners

そして、3つめのグループは、新しい技術やサービスを所有する人たちです。

技術の進歩によって人件費は大幅に削減されていますが、革新的な技術やサービスの経済的なポテンシャルは上がり続けているので、それらを所有してる人たちのリターンは莫大なものになります。

例えば、インスタグラムは最終的に10億ドルで売却されましたが、当時の従業員の数はわずか13人でした。

この現象は、これまでの労働集約型の産業ではあり得ないことで、我々は今まさに大規模な「経済再編成(Great Restructuring)」の真っ只中にいます。

つまり、小規模なスタートアップ企業だとしても、価値ある技術やサービスを提供すれば事業として成り立ち、そして投資家の人たちにとっても、ローリスク・ハイリターンな投資先が増えるということになります。

革新的なものを作り出せば、誰でもゲームチェンジすることが可能な時代

As digital technology reduces the need for labor in many industries, the proportion of the rewards returned to those who own the intelligent machines is growing.

Deep Work, P27

『Deep Work』はAudibleで聴けます

まとめ

AI時代に価値が上がる人材【まとめ】

  • ハイレベルな技術者
    • デジタルのデータを抽象的な領域で扱うハイレベルな技術職
    • 猛スピードで進歩する機械の知能をうまく扱える技術者のみが生き残る
  • スーパースター
    • それぞれの分野において、抜きん出た才能を持った人たち
    • 才能は大量に買ったり、足し算したりすることができない(ベストな才能を一度に1つ買うことしかできない)
  • オーナー
    • 新しい技術やサービスを所有する人たち
    • 革新的なものを作り出せば、誰でもゲームチェンジすることが可能

この3つのグループに所属している人材を一言で定義すると、次の優位性を持った人たちということになります。

  • 人工知能に精通し、かつ創造的に扱える人
  • その分野で最高レベルのパフォーマンスを持つ人
  • 資産を動かせる人

このうち、③の「資産を動かせる人」は、元々の経済的なハンデが強く影響するため、誰でもなれるわけではありません。

しかし、他の2つに関しては、誰にでもなれるチャンスがあります。

そして、その鍵となるのがDeep Workです。

最後に、本書ではこのようにも伝えています。

この3つのグループに入れなかった人は、絶対に成功できないということではありません。

ただそれは、「この3つのグループの人たちよりは、不安定で不確実な道になることは否定できない」というニュアンスのことを言っています。

ここでの焦点は、「いかにこの2つのグループに入って、新時代の勝者になれるか」というところにあります。

次回は、「これからの時代に求められる2つの能力」というテーマについて、深掘りしたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。

AI時代に通用する本物の英語力を身につける

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