精読の効果は多読をしている時にこそ現れる【どっちも大事】

当ブログでは、多読を中心に英語学習を行なっていくことを推奨しています。

では、精読を全く行わなくても良いかというと、そうでもありません。

精読を適度に行うことで、多読をしている時にも精読的な捉え方ができるようになります。

精読的な捉え方とはどのようなことかというと、

  • 文法や構文を意識しながら読むことができる
  • 文章を注意深く読む癖が付く
  • わずかな表現の違いや違和感に気付くことができる

というように、多読でありながら、個々の単語や表現をある程度認識しながら読み進めることができるようになります。

精読を全く行わずに多読だけ行っていると、どうしてもなんとなく読む癖が付いてしまいがちです。

全体の内容を把握しつつ、ある程度文章を分解しながら読めるようになると、さらに全体の理解が深まります。

そこで、今回お話しするテーマがこちら、

それでは、始めていきましょう。

精読と多読

まずは、多読と精読の基本的な考え方について、

ポイントは3つ

  • 精読と多読の違い
  • 多読と精読に要する時間の差
  • 多読と精読と最適なバランス

詳しく解説していきます。

精読と多読の違い

まず、多読と精読とは何なのかを理解する必要があります。

その都度意味を調べながら、完全な理解を目指す精読

わからない箇所は無視、または前後の文脈から推測して、どんどん先に進んでいく多読

どちらも重要な勉強方法ですが、上級者を目指すには大量のインプットが欠かせないので、英語力が上がるにつれて、多読の割合を徐々に増やしていく必要があります。

しかしながら、

  • 英語を一から学び直したい
  • 高校レベルの英語に不安がある

という人は、あせらずに、単語帳や参考書などで精読・精聴を地道にこなしていくことをお勧めします。

精読は多読の4倍時間がかかる

では、実際に精読と多読では、どのくらいかかる時間に差があるのかというと、体感的には4倍くらいの差があります。

内容の難易度が上がるにつれて、さらに要する時間の差は広がります。

両者の違いは、単純にわからない単語を調べるか否かだけではありません。

精読の手順
  • まずは全文を通して読み、全体的な理解度を確認する
  • 先頭に戻り、わからない単語やフレーズを一つ一つ確認していく
  • ボキャビルを同時に進める場合は単語帳アプリなどに転記する
  • 再度先頭に戻り、全体的な意味が理解ができているか確認する
多読の手順
  • わからない単語や表現はそのままにして、とにかく読み進める

このように、精読と多読では掛かる負荷と要する時間がかなり違ってきます。

精読をひたすら続けるのも決して無駄ではありませんが、ボリュームが重要となる中級者以上の英語学習者にとっては、あまり効率が良くありません。

多読と精読の最適なバランスは8:2

では、実際にどの程度の割合で精読を取り入れれば良いかというと、全体の学習の2割程度で十分効果があります。

中級者以上の人にとって、精読はあくまで、メインの学習である多読の学習効果を底上げするスパイスのような位置付けなので、そこまで負荷を掛けて行う必要はありません。

むしろ、精読の割合を上げすぎると、ボリュームが稼げなくなるので、週1回1時間など時間を決めて集中して行うのが良いでしょう。

ただし、

  • もう少しボキャビルに力を入れたい
  • リスニングが弱いので音と文章を徹底的にリンクさせたい

というような場合は、もう少し精読や精聴の割合を増やしても良いでしょう。

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精読におすすめの素材

精読はどんな素材で行えばいいでしょうか?

基本的には、ある程度しっかりした英文であれば、どんな素材を使用しても構いませんが、特に効果が期待できる方法を2つ紹介します。

オススメは2つ

  • TED
  • 多読で使った素材

詳しく解説していきます。

精読の素材はTEDがダントツでおすすめ

精読に適している素材の条件は下記のようなものがあります。

  • 文章が長すぎない
  • 興味深いトピック
  • ある程度フォーマルで洗練されている文章
  • 音声素材が入手可能(精聴も同時に行う場合)

これらの条件にすべて適合しているのは、今のところTEDしか見当たりません。

しかも無料で、日々新しい動画が更新されています。

TEDを1エピソード精読精聴するだけで、様々な学習効果を得ることができます。

  • 精読によるリーディング力の向上
  • 精聴によるリスニング力の向上
  • ボキャビルによる語彙力の増強
  • 知識獲得によるインテリジェンスの向上

また、TEDでは一般的な単語や表現を使っていることがほとんどなので、ビジネス書などで多読をしている時でも高確率で出会います。

えいじ

覚えたての単語が出てくるとちょっと嬉しいよね

TEDを使った精読精聴の具体的な方法については、

の記事を参照してください。

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多読で使った素材で精読を行うのもアリ

一度多読で使用したお気に入りの本で精読するのもおすすめです。

  • 一度多読しているので、全体的な内容を把握している
  • 再読することによって、より深い理解や気づきを得られる
  • お気に入りの本なので、再読することが苦痛ではない

というように、全く新しい素材よりも、かなり効率的かつ楽しんで精読を行うことができます。

さらに、著者ごとに使用する単語や表現に共通性があるので、一冊しっかり精読をしておくと、今後同じ著者の別の書籍を読んだ時にも、初見ですんなり内容が入ってくるようになります。

ただし、長編小説で精読を行うとかなり時間がかかるので、全編通して精読を行うのは厳しいという場合は、

  • 最初の数章
  • お気に入りの章
  • 多読した時には理解が難しかった章

など、的を絞って行っても良いでしょう。

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多読と精読のよくある間違い

洋書を丸々読むといった多読は、日本ではあまり馴染みがないため、精読と多読に対する認識が正しくない場合があります。

よくある認識の違いとしては、次のようなものが挙げられます。

  • 精読は集中して読み、多読はさらっと読むもの
  • 多読は英語に慣れるために行うもので、英語力そのものを向上させる効果はない
  • 精読こそメインの学習方法で、多読は趣味程度の息抜きで行うもの
  • 多読は英語上級者が行うもので、一般的な英語学習者にはハードルが高い

詳しく解説していきます。

精読と多読の誤った認識①:集中度について

精読は集中して読むけど、多読はなんとなく読めばいいんですよね?

多読の方が高い集中度を必要とします。

精読・多読という呼び方から、

精読は集中して行う必要があるが、多読はそこまで集中してやらなくてもよい

という認識をされることがあります。

しかし実際は、多読の方が精読よりも高い集中力を必要とします

理由は3つ

  • 多読は辞書を使わないので、わからない箇所は想像力を使う必要がある
  • 多読は読むスピードとテンポを一定に保ちながら読む必要がある
  • 多読は返り読みをしないので、一発で状況を理解しなければならない

むしろ、精読の方が逐一止まって何度でも行うことができるので、求められる集中度はそこまで高くありません。

精読と多読の誤った認識②:学習効果について

多読をしても英語に慣れるだけで、実際の英語力向上にはつながらないですよね?

多読でこそ本物の英語を身につけることができます。

多読は、わからないところを飛ばして読むという性質から、

多読は聞き流しと同じで、学習効果はあまり期待ができない

という捉え方をされることがあります。

しかし実際は、多読の方が精読よりも高い学習効果が期待できます

理由は2つ

  • 一つの単語を習得するには、別のシチュエーションで何度も出会う必要がある
  • 言語習得には単語単体の持つ意味よりも、文脈の中での役割を理解することが重要

むしろ、精読の方がゆっくり丁寧に行うため、英語に慣れるという意味合いが強くなります。

精読と多読の誤った認識③:優先度について

単語や文法を気にしないで読み進める多読は趣味程度に行うものですよね?

精読はあくまでも多読を補助するものであり、多読こそメインの学習方法です。

返り読みをしないで一気に読み進める多読に対し、単語の意味や文法的な作法を細かく調べながら行う精読は、どうしても「やった感」が強くなります。

そのため、

多読は息抜き程度に行うのがちょうどいい

という程度にしか思われていないことがあります。

しかし実際には、多読で得られる効果がかなりクリティカルなのに対し、精読の効果はあくまでも補助的な役割に留まります。

理由は2つ

  • 英語学習はボリュームが最重要
  • 多読を行うことで初めて精読の効果を実感できる

そのため、精読は多読を行うための準備運動のようなもので、多読こそがメインのトレーニングとなります。

精読と多読の誤った認識④:難易度について

ネイティブ向けの洋書を読む多読は、英語上級者が行う学習方法ですよね?

多読はどんなレベルからでも始められます。

日本語を全く介さない英語多読は、日本語の説明がある単語帳や参考書での精読しかしていない人にとっては、敷居が高く感じられ、

洋書多読は帰国子女や英文科の学生など、一部の英語エキスパートががやるもの…

と、そもそも選択肢に入っていない可能性があります。

しかし実際には、多読は全ての英語学習者にお勧めできる方法です。

理由は2つ

  • 多読は中級者の人に爆発的な効果を発揮する
  • 多読は上級者になるための必須学習法

また、一度洋書を完読する体験をすれば、そこまでハードルが高くないことに気づきます。

ですので、まずは簡単すぎると思われる本から試してみて、着実に自信をつけていきましょう。

おわりに

多読と精読を完全に切り分けて考えている人もいるかと思いますが、実際には多読と精読に明確な違いはありません。

精読では必要に応じて日本語の補助も入りますが、どちらも同じ言語を使ったリーディングですし、最終的には英語を英語のまま理解するという目的は変わりません。

多読を行っている時も、要所要所で精読的なアプローチをすることもあります。

精読を行う際も、全ての単語の意味を調べた後、必ず全体の内容の把握が必要になります。

したがって、多読と精読の間に明確なボーダーラインがあるのではなく、グラデーションでどちらの要素が強いかという具合です。

しかしながら、英語学習において一番重要なのは、文脈を通した全体的な内容の把握ボリュームなので、精読はどうしてもその補助的な役割となります。

ですが、精読をある程度定期的に行うことによって、多読の効果にも良い影響を与えるので、精読も軽視できません。

自分が心地よいと思うバランスで、多読と精読を日々の学習に活かしてもらえればと思います。

それでは、次の記事でお会いしましょう。

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