シャドーイングとオーバーラッピングの違いがよくわからない…
どちらも、「実際の音声に合わせて発声する」というトレーニング方法なので、同じように見えますが、その目的や効果には明確な違いがあります。
まず、大まかな違いを説明すると、
- シャドーイング:リスニング強化・細かい発音のニュアンス
- オーバーラッピング:リズム・イントネーションの改善
となります。
げん丸じゃあ、どっちからやった方がいい?
これは、現在のレベルや目的にもよりますが、まずはオーバーラッピングから始めることをおすすめします。
ただ、その前に基礎的な音読ができるようになっている必要があります。
そこで今回は、こちらのテーマについて解説していきます。
- 音読・オーバーラッピング・シャドーイングの違い
- どちらを先にやるべきか—行う順番と流れ

この記事を書いた人
- 英語学習歴20年以上
- 3年間のアメリカ留学を経験
- ネイティブと英語Podcast配信
音読・オーバーラッピング・シャドーイングの違い
まずは、それぞれの違いを整理しましょう。
音読に関しては、音声を使わない方法もありますが、今回は音声の後に真似して読む「リピーティング」として扱います。
| 音声 | スクリプト | |
|---|---|---|
| 音読(リピーティング) | 音声が終わってから読む | 見る |
| オーバーラッピング | 音声と同時に読む | 見る |
| シャドーイング | 音声の少し後を追う | 見ない |
難易度は、上から順に上がります。
シャドーイングの最大の特徴は、スクリプトを見ないことです。それにより、難易度が他の二つに比べて跳ね上がります。
なお、オーバーラッピングは「テキスト付きシャドーイング」や「パラレルリーディング」と呼ばれることもあります。
では、それぞれの特徴と鍛えられる能力を見ていきましょう。
音読(リピーティング)
音読で鍛えられる能力
- 基礎的な発音
- リスニング力
- 会話力
音読では、まずスクリプトを見ながら、英語の音声を最初から最後まで聴きます。
その後に、スクリプトを見ながら、その音声をできるだけ忠実に再現するように、声に出して読みます。
ただ、あくまでも、自分の言葉として発話するようにしましょう。できれば、内容の意味を理解し、状況をイメージしながら、感情をこめて読むと、実際の会話で効果を発揮します。
音読(リピーティング)は、リスニングと発声を別々に行うため、リスニング力と基礎的な発音を鍛えることはできますが、オーバーラッピングやシャドーイングのような瞬発力の向上はあまり期待できません。

オーバーラッピング
オーバーラッピングで鍛えられる能力
- ナチュラルスピードで読む力
- リズム・イントネーション
- 音の強弱
オーバーラッピングは、流暢さに特化したトレーニングです。
スクリプトを見ながら、英語音声にピッタリと合わせるように、声に出して読みます。
今までのように、1単語ずつしっかりと読んでいたのでは、到底間に合いません。
そのため、ナチュラルスピードについていくためのリズムやイントネーション、音の強弱といった要素が自然と叩き込まれます。
初見ではついていくのが大変だと思うので、スクリプトをある程度暗記しても構いません。
ただ、音声に自分の声を合わせるので、細かい発音のニュアンスは拾いきれず、リスニングの練習にはなりにくいという弱点があります。
シャドーイング
シャドーイングで鍛えられる能力
- 細かい音の違いを聞き分ける力
- ナチュラルスピードに対応する力
- 自然な発音
シャドーイングは発声練習のように見えて、実はリスニングトレーニングの側面が強いです。
まず、シャドーイングでは基本的にスクリプトは見ずに、聞こえてきた英語を瞬時に聞き取って再現します。
しっかりと細部まで聞き取らないと、再現できないため、自然とリスニングの感度が上がり、細かい発音のニュアンスも認識できるようになります。
リアルタイムでそれぞれの音を細かく聞いていくので、音に対する瞬発力が上がり、普段の会話でも処理スピードが向上します。
ただ、発音の基礎ができていないうちからシャドーイングをやっても、なんとなくで読んでしまうため、期待した効果は得られません。

どちらを先にやるべきか—行う順番と流れ
オーバーラッピングとシャドーイング、私がおすすめする順番は次のとおりです。
おすすめの順番
- まずは、音読(リピーティング)で基礎的な発音を固める
- 次に、オーバーラッピングでリズムやイントネーションを体に馴染ませる
- 最後に、シャドーイングで細かい発音のニュアンスを修正する
詳しく見ていきましょう。
まずは、音読(リピーティング)で基礎的な発音を固める
使う音声素材は、30秒から1分程度のものがおすすめです。
まずは、スクリプトを見ながら英語音声を聞いて、全体的な流れを把握しておきましょう。
わからない単語があったら、軽く調べてもいいです。
次に、音声を流さず、スクリプトを見ながら、実際に声に出して読んでみましょう。
最初は、1文ずつ区切って読んでも構いません。
詰まったり、うまく口が回らない箇所がある場合は、滑らかに言えるまで集中的に練習します。
ある程度上手く言えるようになったら、音声を最初から最後まで聞く→通しで音読するを何回か繰り返します。
さらに、内容を一度咀嚼して、相手に伝えるように自分の言葉として発話すると、より効果的です。
次に、オーバーラッピングでリズムやイントネーションを体に馴染ませる
音読である程度発音の基礎が固まったら、オーバーラッピングに移ります。
スクリプトを見ながら、音声にピッタリとくっついて音読します。
この時意識するのは、音の強弱、リズム、イントネーションといった、英語のライブ感です。
正直、細かい音のニュアンスの違いは拾いにくいので、ここはある程度目を瞑ります。
バンドで言うと、ドラムやベースのリズム隊のパートを練習するイメージです。
速すぎてついていけない場合は、再生速度を落としてもOKです。
ある程度ナチュラルスピードについていけるようになるまで繰り返します。
最後に、シャドーイングで細かい発音のニュアンスを修正する
オーバーラッピングがある程度滑らかにできるようになったら、シャドーイングに移ります。
今度は、スクリプトを見ずに、音声の少し後に続いて、聞いたまま自分の声でなるべく忠実に再現します。
スピードについていくことだけに集中せず、聞こえてきた音をできるだけ正確に再現しましょう。
うまくできない箇所は、音声を止めて聞き直し、短く区切ってもOKです。
また、シャドーイングを録音して、自分で聞き直すのも効果的です。
スクリプトは暗記してしまっても問題はありません。
初見の素材でいきなりシャドーイングするのは、難度が高すぎるため、よほどの上級者でない限り、おすすめはしません。

おわりに

リピーティング、オーバーラッピング、シャドーイング、それぞれ一長一短ありますが、個人的にはリピーティングが合っています。
いざ台本なしで自分の言葉で喋ろうと思った時、自分の言葉として発声する練習をしていないと、うまく喋れません。
リピーティングは、聞いた音声を一度咀嚼して、相手に伝えるつもりで練習すると、実際の会話に活かせます。
一方、オーバーラッピングとシャドーイングは、一語一句忠実に真似する練習なので、英語をネイティブのように流暢に喋りたい人には最適なトレーニング方法です。
その目的によって、選ぶ方法も違ってきます。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
初心者には音読アプリという選択肢も

