インターネットが発達した現代では、オンライン英会話が普及し、24時間いつでも好きなだけネイティブとの英会話をすることができます。
また、SNSなどを通じて、現地の情報をリアルタイムで知ることができますし、Netflixなどの動画配信サービスで映画や海外ドラマを通して、現地の文化や雰囲気をより身近に感じることができます。
そのため、
もはや、高いお金をかけて留学に行く意味はないのでは?
と、一昔前よりも留学の希少性が薄れているように思うかもしれません。
しかし、私は断言できます。
留学は確実にあなたの人生を変える、と。
私が留学に行ったのは2004年なので、今のようにスマホもなく、日本との連絡も国際電話を使っているような時代でしたが、たとえ私が今の時代に留学に行ったとしても、間違いなく留学に行ってよかったと思っているでしょう。
の記事で、私の留学体験談を綴っているので、併せて読んでいただくと、留学のリアルな空気感をより感じていただけるかと思います。
この経験を踏まえて、今回お話しするテーマがこちら、
- 留学経験者が語る「留学でしか学べないこと」
それでは、始めていきましょう。
留学生活でしか得られないもの
ここでは、私の留学生活を通して感じた「留学生活でしか得られないもの」をまとめてシェアしたいと思います。
留学でしか得られないもの6つ
- リアルな英語環境
- やればできるという自信
- 視野が広がる・寛容になる
- 外国人としての経験
- 日本の素晴らしさに気づく
- 日本のおかしなところにも気づく
詳しく解説していきます。
リアルな英語環境
まず、日本国内で経験する英語環境と留学での英語体験では、天と地ほどの差があります。
もちろん、日本にも外国人はいるので、ストリートでネイティブと話す機会はあるでしょう。
しかし、日本にいる外国人と本国にいるネイティブの人たちでは、日本人の英語に対する受容度がまるで違います。
日本にいる外国人は、元々日本人や日本の文化に興味があって日本に来たという人がほとんどです。
また、たとえ仕事の都合で日本に来たという人でも、日本で日本人に囲まれて生活をしているうちに、なんとなく日本人や日本人の英語への耐性ができてきます。
しかも、日本では彼らは外国人としてのアイデンティティがあり、国際的な感覚も持ち合わせているので、日本人があまり英語ができないことに対しても、おしなべて寛容で、親切ですらあります。
ですが、当時の私のように、「日本国内で外国人相手に少し英語が通じる」くらいのレベルで、そのままの感覚で海外に行くと、確実に打ちのめされます。
まあ自分の英語が通じないこと。そして、相手の英語が全然理解できません。
スタバでコーヒーを頼むといった最も簡単なやり取りでさえ、最初はつまずきます。
彼らのほとんどは、「人生で一度もその国から出たことがない」という人で、特にアメリカの場合は、「英語を話すのは当たり前」で、「アメリカ以外の世界は他の惑星」くらいの感覚があります。
なので、こちらが理解できないからといって、ゆっくり喋るとか、わかりやすい言葉に言い換えるという発想はありません。
この気づきは、実際に海外に出て、グランドレベルに身を置かないと得られません。

やればできるという自信
留学に行った人が必ずと言っていいほど味わう挫折感ですが、それでもおめおめと日本に帰ることはできないので、変な汗をかいて、恥もかきながら、その都度頭をフル回転させて、なんとか生き延びていくうちに、

やってやれないことはないな
という、大きな自信が芽生えてきます。
日本国内にいるうちは、このようなサバイバル環境に身を置くことはほぼありません。
もちろん、友人やホストファミリーの助けを借りることもありますが、基本的に自分の問題は自分で解決するしかありません。
すると、自然と他責思考から自責思考にシフトし、「自分の人生の舵取りを自分で行なっている」という意識が生まれます。
そして、それがどんどん喜びになっていき、チャレンジすることに対してポジティブになれます。
この経験は、今でも私の人格形成の大部分を占めています。
何かに挑戦する時、いつもこの留学時代のことを思い出し、

あれができたんだから、これもきっとできるだろう
と、常に前向きな姿勢で取り組むことができています。

視野が広がる・寛容になる
今まで日本で生まれ育ってきた私たちは、無意識にその土地での常識的な感覚で、物事を捉えたり、判断したりしています。
特に日本人というのは、世界の中で見ても、かなり独特の価値観があり、それをそのまま海外に持っていくと、色々と不具合が生じます。
なので、自然と自分の価値観の殻を破ることになり、一つ上の視点から物事を見れるようになります。
そして、今まではイラッとしたり、受け入れられなかった他人の行動も、すんなりと受け入れられるようになり、

まあ、そういう人もいるよな
というように、すべてのことに対して寛容になることができます。
もちろん、明らかに悪意のある行動は別ですが、それ以外のことは大概スルーする技術が身につきました。
この感覚は、日本に帰ってきてからも持っていて、明らかに価値観が違う人に出会っても、

まあ、人種が違うんだな
と、イライラがMAXになることなく、さらっといなすことができるようになりました。
外国人としての経験
今まで自分たちは日本人として、日本で暮らしていたので、日本人以外の人を見ると、無意識的に「外国人」というフィルターを通して接しようとします。
人によっては、奇異の目で見たり、部外者としての対応だったり、ひどい場合だと差別的な言動をとることもあるでしょう。
海外に出ると、今度はそれらがすべて自分に降りかかってきます。
幸い、私はそこまであからさまな差別は受けた経験はありませんが、現地の人と話をしていても、どこかお客さん扱いで、けっして踏み込んでこないボーダーラインのようなものを感じることがあります。
特にアメリカの場合は、地元の人同士でも、人種ごとにコミュニティが分かれている感があります。
白人は白人同士、黒人は黒人、そしてアジア人というように、完全ではありませんが、なんとなくの境界があり、そのさらに外側に我々外国人がいるという構図になっています。
なので、日本的な感覚で、空気を読んで大人しくしていると、いつまで経っても彼らの輪の中に入っていくことができません。
ここはもう、自分は外国人なんだということを自覚し、開き直ってある程度ガンガン食い込んでいく気概が必要になります。
そして、外国人の気持ちがわかっているので、日本に帰ってきたときの外国人に対する接し方が変わります。
自分の中のフィルターを外して、もっとフラットに、一人の人間として接するようになります。
それは相手にも伝わるようで、よく外国人の人から、「とても自然で話しやすい」と言われることが多くなりました。
日本の素晴らしさに気づく
海外に出ると、日本にいた時には気づかなかった日本の素晴らしさに気づくことができます。
ありきたりですが、街の綺麗さやスタッフのホスピタリティなど、すべておいて「ちゃんとしている」という印象です。
よく、店員さんに「態度がなってない」とか「客をなめている」とかいう人がいますが、海外に出るとそんなレベルではありません。
例えば、スーパーの店員などは基本的にやる気ないですし、ずっとスタッフ同士で喋っています。
レジの前にいくら行列できようがお構いなしで、おしゃべりに夢中です。
商品も結構乱暴に扱うので、パッケージが店頭に並んでいる時点ですでにボロボロということも珍しくありません。
ただ、現地のアメリカ人でもこのようなスタッフの意識の低さには辟易している人が多く、そのような人たちが日本に来て、そのサービスレベルの高さを目の当たりにし、

いや、そうだよな、普通こうあるべきだよな
と、痛く感動するのだと思います。
日本のおかしなところにも気づく
日本の素晴らしさを改めて気付かされると同時に、日本人の独特な感覚や価値観も客観的に見えてくるようになります。
私は海外に出る前でも、割と自由で典型的な日本人の感覚からは少し離れているなという自覚がありました。
しかし、いざ日本を出て、海外で実際に暮らすようになると、そんな自分でも日本人的な感覚の枠に収まっていたということを気付かされます。
特に、私が住んでいたカリフォルニア州のオレンジカウンティというところは、土地柄フレンドリーでリラックスした雰囲気の人が多く、さらに日本人の気質との対比がわかりやすく出ました。
このギャップは、人それぞれ感じ方が違うと思うので、ここでは具体的な違いについては言及しませんが、共通して言えることは、その後の人生において、取捨選択の幅が広がり、意思決定の精度が確実に上がるということです。
私の場合で言うと、日本とアメリカの良い面と悪い面の両方を比較することができ、より自分に合っている方を採用できるというアドバンテージがあります。
つまり、この時私は日本人的な感覚の枠から飛び出て、一つ上の視点から世界を見ることができています。
おそらく、これが私が留学の経験を通して得た最大の恩恵だと思います。
これにより、幼少期から感じていた私の中での「生きづらさ」がかなり解消されたという実感があります。

おわりに

多くの人にとって、留学へ行く一番の目的は語学習得かと思います。
しかし、実際に現地に根を下ろして生活をするようになると、言語というのはあくまでもコミュニケーションツールの一つで、本来の目的はその土地の空気感を肌で感じることだということに気がつきます。
もっとディープな話をすると、その土地の振動数と自分の発する振動数が、日が経つにつれて同調していき、今まで知らなかった新しい自分に生まれ変わるという経験をします。
もはや、留学に行く前の自分と行った後の自分が同じ人物だと思うことができません。
この経験は、確実に私の人生のターニングポイントになっており、実際に過去を振り返るときでも、「留学前」か「留学後」かというカテゴリーが自分の中でできています。
ですので、語学習得に興味がある人はもちろん、
自分の人生の向かう先を決められないでいる…
という人は、一度日本を出て、じっくり自分の人生と向き合う時間を作ってみることをお勧めします。
海外で働きながら生活ができる「ワーホリ(ワーキングホリデー)」という制度もあるので、必ずしも語学学校に通う必要はありません。
昔と違い、今では格安で留学・ワーホリができるサービスもあるので、海外生活へのハードルはぐんと下がっています。
私が調べた限りでは、
の2つが、費用やサービス面で良さそうだな感じました。
今、自分の胸に手を当ててみて、

なんか、ワクワクしてるな
と感じている人は、その心の声を無視しないでください。
まずは、「無料カウンセリングの予約を取る」という、簡単すぎると思う行動を起こしてみて、自分の中でどういった変化があるのか観察してみましょう。
その小さな一歩が、あなたの人生の航路を大きく変えることになるかもしれません。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

