AudibleとKindleを同時進行すると何が起こるのか?【多読多聴】

英語中級者の人がブレークスルーを起こして上級者になるためには、ボリュームを稼ぐことが最重要課題であり、多読と多聴は欠かすことができません。

しかしながら、多読と多聴はどうしても効果が出るまでにある程度の時間を要します。

日々を忙しく過ごしている人たちにとっては、英語学習の時間を確保するのはものすごく大変なことです。

そこで、多読と多聴を同時に行い、時短を実現しながらも双方のメリットを二重取りしようではないかというのが今回のコンセプトです。

もちろん、2つのことを同時に行なっているので、厳密にいうと全く同じ効果というわけではありません。

しかし、多読多聴を同時進行で行うことによる相乗効果もあります。

今回はAudible×Kindleでの多読多聴同時進行のすすめを紹介します。

こんな人におすすめ
  • 中級者の壁を超えてブレークスルーを経験したい英語学習者
  • 楽しみながら英語力を維持をしていきたい上級者
  • 使える英語を本気で会得したいと思っている人
  • 英語を生涯学習として継続して行うと心に誓った人
  • 趣味で英語学習を続けている人
  • 1日の学習時間が限られている社会人
目次

Audible×Kindleで多読多聴を行うメリット

音声を文字で補完しながら読み進めることができる

聞き取れなかった箇所を文字で補填する

多読多聴それぞれを単体で行った場合、多読より多聴の方が難易度が高いため、同じ文章でも多聴単体で行うと全く理解できない場合があります。

しかし、多読を同時進行で行うことによって、耳から入った情報を文字で補完しながら読み進めることができるため、多聴単体では挫折してしまうような本も容易に理解ができるようになります。

リスニングは音の連なりを単語またはチャンクとして捉えることができないと認識ができないので、リアルタイムでの文字補完は極めて有効です。

また、このテクニックは文章を見ながらシャドーイングをする時にも活用できます。

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スペルを確認しながら読み進めることができる

未知語に出会ったときも、多聴単体だと単語の認識すらできない場合がありますが、文字を同時に読むことによって、瞬時にスペルや単語の持つ印象を脳裏に焼き付けることができるので、別のシチュエーションで再度出現した場合も、強い既視感と共にすぐに想起することが可能です。

また、後から辞書で意味を確認する場合も、スペルをある程度覚えているので、検索しやすいとという利点もあります。

次に来る単語をある程度予測しながらリスニングすることができる

文字を読み進める際、慣れないうちは単語を1つずつ追っているかもしれません。

しかし、ある程度慣れてくると、自然と数語ずつ同時に見ながら進めていくようになります。

そうすると、ある程度先の展開を予測しながら読み進めることができます。

事前情報がわずかに入っている状態でリスニングすることになり、聞き漏らす確率が下がります。

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文字だけではわからない発音やトーンの違いを認識することができる

文字だけだと、発音やその文脈に適したトーンなどは自己流の想像になってしまいますが、実際のナレーションを聴くことによって、常に正しい発音とトーンで読み進めることができます。

特にトーンやイントネーションの置き方は、非ネイティブの我々からすると、違いがあいまいすぎて、習得が難しい部類に入ります。

しかし、ナチュラルな英語を聴きまくることによって、自然とそのトーンの持つ意味合いを理解できるようになっていきます。

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一度完読したAudible作品はながら聴き多聴で再利用できる

一度完読した作品はすでに内容がある程度入っている前提なので、スキマ時間に行うながら聴きでの多聴に最適です。

2回目以降ではストーリーを追う必要がないので、なんとなく聴いていても結構内容が入ってきます。

また、1回目では得られなかった気づきや新たな発見があるので、闇雲にいろんな素材を聴くよりも学習効果が高くなる可能性があります。

また、いちいち素材を探す手間が省けるので、スムーズに学習に取り掛かれます。

没入感

ナレーターの役作りが秀逸

文字だけの多読では、それぞれのキャラクターの話し方の特徴やアクセントなどは、あくまでも自分の想像で形成されます。

しかし、Audibleではプロのナレーターが役作りをして、キャラクターとごとに声色やアクセントや話すスピードを巧みに変えながら、とても一人の人間が演じているとは思えないほど、それぞれのキャラクターに憑依しています。

文字だけでは味わえない世界観の広がりを感じることができます。

なお、ビジネス書やハウツー本などの実用書だと、この恩恵を受けることができないので、この学習法を行う場合は小説をお勧めします。

文字とナレーションをリンクさせることによる効果

文字と音声を同時にインプットすることによって、それ以外の余計な情報が入り込む隙間がなくなり、自然とその世界観に浸らざるを得なくなります。

また、音の持つ力と文字の持つ力が合わさり、場面場面の印象が脳内で増幅され、イマジネーションが豊かになります。

集中力が高まりイマージョンがうまくいくと、まるでその世界の住人かのように感じることができます。

時短になる

ボリュームを稼げる

多読と多聴を同時に行なっているので、同じ時間で単純に2倍の学習量を稼ぐことができると言えます。

多読多聴をそれぞれ単体で行う場合に比べ、個々の集中度は下がるので、結局あまり効率的ではないのではないかと思う人もいるかもしれません。

しかし、文字と音声でお互いを補完しながら進めるので、各々単体で行う時よりも学習の質は上がり、結果的に効率よくボリュームを稼ぐことができます。

素材を選ぶ手間が減る

1冊あたりのページ数(再生時間)が長いので、完読するまでかなり時間が掛かります。

一般的な小説の場合、大体再生時間が10時間前後のものが多いので、毎日20分行なったとしても、1ヶ月ほどかかる見込みです。

なので、一度素材を選べば、次の素材を選ぶまでの時間が結構あるので、いちいち素材選びに迷うことが少なくなり、副次的な時短効果を得られます。

半受動的な活動なのでむしろ多読のみの時より捗る

多読のみの場合、完全に能動的な活動なので、疲れている時ややる気が出ない時などは、全くページが進まない時があります。

しかし、Audible×Kindleの多読多聴同時進行であれば、流れる音声に合わせて読み進めるだけなので、半ば強制的にページが進みます。

なので、むしろ疲れてやる気が出ないときにこそ、サクッと行える学習法です。

えいじ

今日は疲れて何もできなかったけど、1章(15分程度)やって寝るか

という感じで、全く何もやらなかった日救済措置としても活躍します。

内容が濃いので、たとえ短時間でも充実感を得ることができ、モチベーション維持に貢献します。

また、音声に合わせがなら文字を読み進めることによって、

  • 辞書は引かない
  • 分からないところは飛ばす
  • 合わないと思ったら投げる

という多読三原則を強制的に守らざるを得ないという利点もあります。

スマホひとつで利用できる

AudibleとKindleを併用することによって、スマホひとつで完結し、出先で不意に時間ができた時などでも、イヤホンさえあればどこでも学習が可能です。

私の場合は、多読のみを行う場合は紙の本を読むことが多いですが、Audibleと併用して読む場合はKindleで読んでいます。

実際にはKindle Voyage(廃盤)を普段使用していますが、端末を忘れてしまった時などはiPhoneのKindleアプリを使用して読んでいます。

げん丸

スマホだとどうしても目が疲れるブヒな

以前Kindle端末を購入する際、Kindle Paperwhiteと迷ったのですが、当時のモデルは画面の淵に段差があるのが気になり、上位モデルのKindle Voyageにしました。

残念ながら、Kindle Voyageは現在廃盤となっています。

しかし、現在のモデルは段差がなくなっているので、今の端末が壊れたら今度はPaperwhiteにするつもりです。

Audible×Kindleで多読多聴を行うデメリット

同じ内容のものに費用が2冊分かかる

多読多聴を同時進行で行うメリットは計り知れません。

しかし、純粋にコンテンツとして見た場合は、同じ内容のもの別のフォーマットでを2つ購入しているという感覚になります。

これを良しとするかどうかは、目的を英語学習に主眼を置いているのか、またはエンタメの延長線上に英語学習を置いているのかによるところかと思います。

もし、エンタメや教養の趣味の延長線上で行っているだけなので、純粋にコンテンツを楽しみたいと言う場合は、必ずしも同時に行う必要はありません。

ながらでできない

多読多聴を同時進行で行うのは非常に高い集中力を要します。

音声に合わせて常に文字を追いかける必要があるので、片時も目線を他のものに移すことができません。

一瞬でも目線を外したら、たちまち現在地を見失うので、おちおちコーヒーを飲んだり、おやつをつまんだりもできません。

なので、リラックスしてカフェで読書という雰囲気で臨むとストレスを感じます。

長時間行うのは集中力がもたず効率が悪くなっていくので、行う時は短時間で集中して行うようにしましょう。

私の経験上、1章が15〜20分くらいのものが多いので、キリよく1章読んだら終わることをお勧めします。

げん丸

章の途中から再生するとまず追いつけないブヒな

コストが高い

Audibleは素晴らしいサービスですが、一冊の価格がKindleや紙の本など文字の媒体に比べ、かなり割高に設定されています。

一冊あたり大体2,000〜4,000円くらいし、高いものだと5,000円を超えるものもザラにあります。

ただ、あれほど長時間でハイクオリティのナレーションを作成するのには、膨大な労力と時間がかかっていることは、容易に想像できますので、ある意味では仕方のない事かと思います。

残念ながら、日本ではオーディオブック自体がまだそこまで普及していないため、それも低価格での提供が難しい理由の一つでしょう。

しかしながら、Audible会員に登録すると、対象商品はすべて読み放題で利用できます。

また、対象外の商品でも、30%のディスカウントを受けられるものが多数あります。

一度に複数購入する場合は、通常購入するよりもお得になる可能性があるので、無料体験を利用してまとめて購入するのもアリです。

Audible×Kindleで多読多聴を行うコツ

リスニングとリーディングの集中度の比率は6:4をキープ

基本的にこの学習方法はややリスニングに主眼を置いています。

文字は音声の補足的役割なので、リスニング6:リーディング4くらいのバランスで進めると双方のメリットを最大限に享受できます。

慣れないうちは、どうしても文字にフォーカスしてしまい、リスニングが疎かになってしまいがちなので、意識して音声に集中力を注ぐよう気をつけてください。

ただし、多読をナチュラルスピードで読む訓練を目的とする場合はリーディングへの集中度を優先します。

この場合は、音声をペースメーカーとして扱い、細かい聞き取りはせずに、文字に集中します。

わからない箇所があっても引っかからない

多読多聴を単独で行う時同様、わからない単語や表現はとりあえずスルーして、どんどん進めていきます。

むしろ、一度引っかかるとたちまち置いてけぼりにされるので、必然的にわからないところで止まる癖が直ります。

この学習方法は聞こえてきた英語の音声を文字とリンクさせて、認知力を高めることを主な目的としたトレーニングなので、内容把握に関してはある程度の割り切りが必要です。

音を聞いた少し後に文字を追うように読み進める

読み進めるタイミングはほぼ音声と同時と言ってもいいのですが、感覚的にはまず音声を聞いてから、すぐ後に文字が付いてくるという意識をもつとスムーズに進行できます。

もちろん、常に一定の距離感を保って読み進めることは難しいので、あくまでも目安として捉えてもらえばと思います。

チャンクごとに俯瞰で文章を読み進める

文字は単語ごとに追いかけるのではなく、ある程度のかたまり(チャンク)ごとに捉えていきます。

この感覚は数をこなせば自然と身につきます。

なぜなら、単語ごとに追いかけていると全然音声に追いつけないからです。

そもそも英語は日本語と違い、単語ごとに区切って発音することは稀なので、必然的にネイティブのような捉え方ができるようになってきます。

この感覚は、映画や海外ドラマを英語字幕で観た時にも活かせるので、ぜひマスターしてほしいと思います。

文章を見失ってもある程度並走して音に追いつくようにする

音声にやや比重を置いて読み進めていると、わずかに集中が途切れた時や、ページを切り替えた時などに、現在地を見失うことがあります。

しかし、音声への集中を切らさずに、視線をやや俯瞰に移し、聞こえてきた音声からキーとなる単語やフレーズを頼りに、速やかに音声と文字を一致させます。

もし完全に見失ってしまった場合は、一旦再生を停止して、仕切り直しましょう。

素材の難易度はやや低すぎるくらいがちょうどいい

多読であればゆっくり考える時間があるので、ある程度難易度の高いものでも、内容の把握に支障がありません。

しかし、この学習法は流れてくる音声に置いていかれないように必死で文字を追いかけながら進めるため、内容を整理しながら読み進める余裕がありません。

なので、選ぶ素材の難易度は少し簡単すぎるかなと思うくらいがちょうどいいです。

音声を聞いた瞬間にその情景が浮かぶくらいでないと、内容がまるで入ってきません。

もちろんある程度の負荷は必要なので、あまり退屈になる素材もよくありませんが、無理をせずまずは児童書などから始めることをお勧めします。

Audibleについて

AudibleAmazonが提供するオーディオブックサービスです。

会員登録すると、対象の書籍であれば月額料金のみ追加料金なしで何冊でも読み放題です。

通常価格だとだいたい数千円するAudibleなので、たとえ月に1冊しか読まなくても元が取れます

対象外の書籍でも割安価格(30%OFF)で購入できる場合が多いので、月に2〜3冊以上購入する場合は、通常購入するより会員登録して購入する方がお得になる可能性があります。

また、自分の読みたいと思っていた作品が割引対象のものが多ければ、無料体験を利用して、まとめて割安価格で購入するのもお勧めです。

えいじ

一度購入した書籍は、退会後も消えずに残っているよ

端末に作品をダウンロードして、オフラインでも再生が可能なので、場所を選ばす、どこでもストレスフリーで作品を楽しむことができます。

洋書だけでなく、日本語の作品も多くの商品が対象になっているので、仮に洋書を読まない月があったとしても、十分に特典を享受できます。

いつでも退会可能なので、まずはその素晴らしさを体験してもらえればと思います。

Audible×Kindleで英語学習のほぼ全てをカバーできる

Audible×Kindle同時進行で行う多読多聴は最も負荷の高い部類の学習法に入ります。

その分学習効果は抜群なので、たとえ1日1章ずつ進めたとしても、毎日継続して行えばかなりの英語力向上が期待できます。

もし負荷が高すぎるようであれば、過去に一度多読した作品のAudible版を購入して、多読多聴同時進行に取り組むのも悪くありません。

もちろん、この学習と並行して、多読のみや多聴のみを別途行なっても問題ありません。

むしろ、多読には多読の、多聴には多聴の良さがあるので、それぞれの利点を活かして、バランスよく学習計画を立ててもらえればと思います。

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この記事を書いた人

1982年東京生まれ・蟹座・血液型A型。
20代の頃にアメリカ・カリフォルニア州オレンジカウンティに留学。グラフィックデザインを専攻する。
趣味は洋書多読。難易度はあまり気にせず、興味のあるものからどんどん読んでいる。
英語学習歴は20年以上。
相棒はフレンチブルドッグのげん丸くん。

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