趣味にせよ勉強にせよ、読書をする場合は一冊の本を読み終えてから次の本を読むと言うのが一般的かと思いますが、実は複数の本を同時の読み進めた方が効率よく読むことができて、読書へのハードルも下がると聞いたらどうでしょうか?
読書を習慣にしたいと思っても、なかなかペースが上がらず一冊読むのも大変という人もいるかと思います。
ほとんどの人は、
一冊でも大変なのに何冊も並行して読むなんてとてもじゃないけど無理だよ…
と思うでしょう。
しかし、読書習慣がなかなか定着しないと言う人にこそ試してほしいのが並行読書です。
今回は、並行読書のメリット・デメリットや効果的なやり方について解説していきます。
並行読書とは
並行読書とは読んで字の如く、複数の本を同時並行的に読み進めることです。
英語ではパラレルリーディング(Parallel reading)というよ
同時並行とありますが、すべての本を同じタイミングでスタートし、同じペースで読み進める、という意味ではありません。
ランダムに、雑多に、その時の気分で気軽に本を選んで読む、要するに一冊の本を読み終える前に別の本を読み始めるのが並行読書の定義です。
並行読書のメリット
並行読書をすることで様々な効果を得られますが、主なメリットは次の5つです。
- 様々な視点を持つことができる
- 集中力が持続する
- 知識が広がる
- 記憶力が向上する
- 状況によって柔軟に本を選ぶことができる
詳しく解説していきます。
様々な視点を持つことができる
同様のトピックの本を複数読むことによって、様々な角度から物事を捉えることができ、そのテーマに対しての理解がより深くなります。
例えば、歴史に関しての本を読む時、勝者側から描いた作品と敗者側から描いた作品をそれぞれ読んだり、同じ時代や人物を扱った別の著者の作品を読むことによって、その事件や歴史背景についてより深い考察を得ることができます。
こうだからこうという二元的な考えではなく、物事や事象を全体として捉えて360°的な視点を持つことができるようになります。
集中力が持続する
集中力を継続する上で、最大の敵は退屈です。
複数の本を切り替えながら読むことによって、マンネリや燃え尽きを防ぐことができ、常にフレッシュな状態で読書に臨めるので、高い集中力を持続できます。
集中力を維持するという観点では、複数の本を1日の中で振り分けるのではなく、日替わりで読む本を変えていく方法もお勧めです。
知識が広がる
様々なジャンル・テーマ・著者の作品に触れることで、一見関係ないと思われる分野からそれぞれの共通点やヒントが点と点で繋がり、より深い知性を得ることができます。
また、洋書多読の場合、同じ本の中で同じ単語や表現に何回も出会うよりも、別の本で出会った時の方が、脳が喜んで、その定義を深く理解することができます。
記憶力が向上する
様々なストーリーやアイデアに触れ、異なる種類の刺激を受けることで記憶の定着が促されます。
また、ある本を読んで、次に別の本を読み、また最初の本に戻るということをすると、ストーリーの流れや臨場感を脳に一時記憶させることを繰り返すので、神経伝達物質が強化されて、記憶を整理する能力が向上します。
これは子供の頃に少年ジャンプや少年マガジンなどの漫画雑誌を毎週読んでいた人ならわかると思いますが、ある作品を読み終えて次の作品に移っても、前回まで何が起こっていたかすぐに思い出し、一瞬でその世界観に浸れていたのではないでしょうか。
逆に、1冊の長編小説を一気に読んでいると最初の方や中盤の展開をあまり覚えていないことがありますが、これは異なった刺激のON・OFFと一時記憶ポイントが少なかったため、記憶が定着しなかったと推測されます。
状況によって柔軟に本を選ぶことができる
その時の気分や興味の度合い、時間的制約などによって相応しい本を柔軟に選ぶことができ、読書への心理的ハードルを下げたり、モチベーションを維持できます。
また、読む本の選択肢が増えることによって、読むか読まないかの二択ではなく、
どれでもいいから読むか
という、何でもいいから何かを読むという軽いマインドになるので、完全に読書をやらなくなるリスクが下がり、モチベーションを維持できます。
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並行読書のデメリット
並行読書は読書の効果や効率を上げる素晴らしいテクニックですが、いくつかデメリットになり得ることもあります。
- 没入感や満足感が減る可能性がある
- 混乱する可能性がある
- 読了までの時間が長くなる
詳しく解説していきます。
没入感や満足感が減る可能性がある
複数の本を少しずつ読み進めることによって、小説を一気読みする時に感じるような深い没入感を得にくいというのがあります。
また、複数の本を同時に読み進めることによって一冊の本に対しての集中度が下がったり、興味を失う可能性があるので、一冊の本に対してとことん向き合いたい人にはあまりお勧めしません。
混乱する可能性がある
複数の本を同時に読んでいるので、似たようなストーリーやシチュエーションに出会った時に頭の中で話の流れが混ざってしまい混乱が生じる可能性があります。
また、読む本の数が多すぎて入ってくる情報量が脳のリソースの許容範囲を超えてしまうと、本を読むのが嫌になってしまうかもしれません。
読了までの時間が長くなる
読む本が専門的な知識や技法を学ぶような内容の場合は、それを習得するまでの時間や労力が分散してしまい、すべてが疎かになってしまう可能性があります。
一冊の本を読み終えるまでに時間がかかるので、特に読後の達成感を重視している人にとってはストレスになってしまうかもしれません。
並行読書の本の選び方
並行読書を効果的に行うためには、本の選び方にもいくつかポイントがあります。
- 様々なジャンルやトピックの本を選ぶ
- 様々な難易度の本を選ぶ
- 様々なフォーマットの本を選ぶ
- 自分の興味や目的から外れない本を選ぶ
詳しく解説していきます。
様々なジャンルやトピックの本を選ぶ
偏りや混乱を避けるために、それぞれ異なったなジャンルやトピックから本を選びます。
そうすることによって、一冊の本だけを読んでいた時には選ばないような本も選ぶようになるので、新たな領域を開拓できるという効果もあります。
例えば、実はずっと読みたいと思っていたくだらない本も、他に真面目な本を1冊読んでいれば、罪悪感を感じにくく素直に選べるようになります。
様々な難易度の本を選ぶ
その時のやる気や体力に応じて本を選べるように難易度もばらけさせます。
例えば、朝のフレッシュな状態では少し難しめの自己啓発書やビジネス書などを集中して読み、夜のリラックスタイムには少し簡単な小説をまったりしながら読むといった感じです。
様々なフォーマットの本を選ぶ
利便性やマンネリ防止の観点から、書籍のフォーマットも分けるとより効果的です。
例えば、朝の通勤時間は電子書籍で、夕方の帰宅時間は疲れているのでオーディオブックを聴きながら目を休め、夜寝る前の読書タイムではスクリーンを避けて紙の本で読むといった感じです。
自分の興味や目的から外れない本を選ぶ
いろいろなジャンルや難易度の本を選ぶ方がいいといっても、興味のないものや全く関連性がないものは選ばないようにします。
完全にランダムに選ぶのではなく、それぞれの本から何を学びたいのか、どうしてその本を読むのかという目的を意識すると自ずと選ぶ本の道筋が見えてきます。
並行読書の効果的なやり方と注意点
並行読書はただ闇雲に乱読するのではなく、次の4つのポイントを押さえて行うとより効果的です。
- 1日の読書時間の目標を定める
- 大体の読了時間の目標を定める
- 隙間時間をうまく活用する
- 緊急性と興味を優先する
詳しく解説していきます。
1日の読書時間の目標を定める
並行読書ではどの本にどれくらいの割合で時間を費やすかというのは柔軟に変えてもいいのですが、1日の合計読書時間はその日に行うタスクとして固定した方が継続しやすいです。
例えば1日1時間は読書に費やすと決めたら、その合計時間のノルマは守りながら、その中で難しいものや簡単なものをその時のコンディションによって使い分けていくと言う形です。
大体の読了時間の目標を定める
また、並行読書にはその時々の状況によって読む本を選べる柔軟性がありますが、完全にその時の気分で選んでしまうと全く読まない本が出てきてしまうので、ある程度読了までの時間設定を意識して行うようにします。
おすすめの方法は時間帯や状況である程度条件付けをして読む本を固定してしまうことです。
例えば、出勤前はビジネス書を読む、移動中はオーディオブックを聴くなど、選択肢をあえて固定してしまうといちいち選択に脳のリソースを割かなくて済むので楽です。
隙間時間をうまく活用する
並行読書を行う場合、複数の本を連続で切り替えて読むのはあまりお勧めしません。
例えば、一日のどこかで30分読書時間が取れる場合、3冊の本を10分ずつ読むのではなく、ストレートに1冊の本を集中して30分読んだ方がいいです。
それでは他の本はいつ読めばいいかというと、隙間時間や細切れの時間を利用して少しずつ読んでいきます。
なので、本を選ぶ際はある程度まとまった時間で集中して読む本と、隙間時間に軽く読めるものをバランスよく選択しましょう。
緊急性と興味を優先する
先程、ある程度一冊の本にかける時間を定めた方がいいと言いましたが、これはある程度興味の度合いが分散している場合です。
急にあることについて知りたくなったり、知識が必要になった場合は、他の本をしばらく中断してでも現在の緊急度を優先します。
その間に完全に興味がなくなったら今後読むのをやめても構いません。
せっかく買ったからもったいないという意識は捨てて、常に今の自分のアンテナの方向にチューニングを合わせて、今の自分に響く本を選びましょう。
並行読書は何冊までOK?
では、並行読書では実際何冊まで読んでいいのでしょうか?
もちろん、人それぞれ読書スピードや読書にかけられる時間が違いますので一概には言えませんが、現実的には3冊、多くても4冊までが効果的に並行読書を行うことができる上限ではないでしょうか。それ以上はメリットよりデメリットの方が大きくなる可能性があります。
ただし、初心者の人がいきなり4冊から始めてしまうと挫折してしまうので、まずは2冊から始めて、慣れてきたら3冊に挑戦することをお勧めします。
例として私が実際に行っている並行読書のパターンを紹介します。
- 出勤前に紙の本で自己啓発書(洋書)を30分集中読書
- 昼食後にAudible×Kindle同時進行で小説(洋書)を15分多読多聴
- 夕食後にペーパーバックでやや簡単な小説(洋書)を15〜30分まったり読む
- その他の隙間時間で日本語のビジネス書を少しずつ読んでいく
ポイントとしては、一番集中できて予定が固定できる朝の時間帯に最も難易度と重要度が高い本を選び、必ず毎日行うようにします。それ以降は段階的に難易度と重要度が下がっていくので、気分が乗らなければやらない時もあります。
また、2と3、3と4はその時の気分や興味の度合いによってスイッチすることもあります。
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最後に、並行読書を効果的に行う秘訣としては、常に自分の興味や目的、ライフスタイルにマッチした本の選択と読書機会のアレンジを意識することと、多様性や雑多感を受け入れて何でも楽しむというオープンなマインドセットを持つことです。
あとは、ガチガチに読書プランを固めないということも並行読書を楽しんで行うには重要です。その時々の状況や気分に応じて一番読みやすい本を読んでいきましょう。一番残念なのは目標を高く設定しすぎて、読書が嫌いになってしまい、本を読まなくなってしまうことです。
並行読書は正しく行えば、読書をより楽しく、楽に行える素晴らしいテクニックだと信じていますので、あなたの読書ライフがより素晴らしいものになることを願っています。