なぜAudibleだと内容が頭に入りにくいのか?
最近では、その便利さから、Audible(オーディオブック)で本を聴くという人が増えてきました。
しかし、今まで文字で情報を得ていた人の多くが感じているは、「オーディブルだと本の内容が頭に入らない」ということです。
これは実際に、Audibleヘビーユーザーである私も常々感じていたことです。
げん丸じゃあ、結局Audibleでは身にならないってこと?
と思うかもしれませんが、Audibleでのインプットを諦めるのはまだ早いです。
これから紹介する7つの対処法を実践すれば、Audibleでも効果的な学習が可能です。
そこで、今回は、
- なぜAudibleだと内容が頭に入りにくいのか?
- Audibleを生産的な学習ツールに変える7つのコツ
というテーマについて、深掘りしたいと思います。
それでは、始めていきましょう。
なぜAudibleだと内容が頭に入りにくいのか?
Audibleだと内容が頭に入りにくい理由は主に7つあります。
Audibleが頭に入らない理由は7つ
- 受け身の「ながら聞き」で集中力が続かない
- 音声は止まらず流れ続けるから処理が追いつかない
- 学習メカニズムの違い
- 内容を振り返りにくい(名前・数字・ロジックなど)
- 長時間のリスニングで疲れてしまう
- 聴く環境が整っていない
- 自分の学習スタイルと合っていない
それぞれ解説していきます。
受け身の「ながら聞き」で集中力が続かない
まず、「書籍でのリーディング」と「Audibleでのリスニング」の最大の違いは、その行動に対する能動性です。
本を文字で読む「読書」は、自分で文章を認識しながらでないと先に進めない、極めて能動的なアクティビティです。
そのため、自然と内容を咀嚼しながら読み進めることになり、内容が頭に入りやすくなります。
一方、本の内容を音声でインプットする「聴書」は、自分の理解度に関係なく進んでいく、受動的なアクティビティです。
また、マルチタスクができない「読書」に対し、「聴書」は目と手が空いているため、どうしても他のことをしながら聞いてしまいがちで、その分集中力が分散してしまいます。

音声は止まらず流れ続けるから処理が追いつかない
本を文字で読む場合、自身の理解度に合わせて、読むペースを変えたり、立ち止まって考えを整理したりすることができます。
しかし、オーディオブックはそのような融通が効きづらく、基本的には一定のペースで止まることなく進んでいきます。
そのため、情報の処理が追いつかず、「ただ音声を聴いているだけ」の状態になってしまい、内容が頭に入ってきません。
学習メカニズムの違い
ある研究では、集中して意識的にインプットした場合、文字で読むのと、音声で聴くのとでは、記憶の定着率に優位差は見られませんでした。
ただ、実は私たちは、自分では集中していると思っても、ランダムに浮かんでくる思考に引っ張られて、一瞬フォーカスが外れて、またすぐに戻るという波を繰り返しています。
これは、文字を読んでいるときにも起こりますが、無意識的に視線が少し前の文章に一瞬戻って、この空白期間の記憶を自動的に補填しています。
この目の動きは、全体の10〜15%に割合で起こっているとのことです。
つまり、単純計算で音声学習の方が10〜15%ほど記憶のロスが大きいということになります。
これが、Audibleだと頭に入らないと感じる大きな理由の一つです。
“About 10 to 15% of eye movements during reading are actually regressive—meaning [the eyes are] going back and re-checking,” Willingham explains. “This happens very quickly, and it’s sort of seamlessly stitched into the process of reading a sentence.”
Are Audiobooks As Good For You As Reading? Here’s What Experts Say
内容を振り返りにくい(名前・数字・ロジックなど)
Audibleの場合、何か思い出したいことがあっても、以前のページを振り返って読むことができないという弱点があります。
Audibleにはワンクリックで30秒ごと戻れる機能がありますが、ピンポイントで特定の内容を振り返ることは難しいです。
特に、
- 固有名詞
- 数字
- ロジック・概念
などの情報は一度で覚えることが難しく、一方通行のAudibleではなかなか頭に入ってきません。

長時間のリスニングで疲れてしまう
読書は完全な能動的アクティビティなので、疲れてきたらそれ以上読み進めることができないため、集中力に応じた適切な読書時間をキープできます。
しかし、Audibleでのリスニングは受動的な活動のため、自分の集中力の低下に気づきにくく、つい惰性で長時間聞いてしまう傾向にあります。
そのため、余計に内容が頭に入らなくなってしまいます。

聴く環境が整っていない
Audibleでの音声学習をする人は、
- 移動中
- 軽作業中
- ちょっとした空き時間
など、スキマ時間を利用するケースが多いかと思います。
しかし、多くの場合、
- 電車
- 街中
- 飲食店
といった、騒音があったり、人の出入りが激しい場所での使用が想定され、そもそも集中して学習できる環境ではない可能性が高いです。
また、心理的にも「スキマ時間にちょこっと」というマインドなので、「集中して何かを学ぼう」というメンタルになりにくいのも原因の一つです。

自分の学習スタイルと合っていない
これまで、本を読んで知識や情報を得ていた人は、音声でのインプットに慣れておらず、脳が学習モードに入らないことが考えられます。
本での学習に慣れている人は、メモをとったり、マーカーでハイライトしたりして、自然と記憶の定着をするとともに、その行為自体が学習モードへのスイッチになっていたと考えられます。
また、実はこのような人は、文字の意味から内容をインプットするだけでなく、文字そのものから受けるビジュアル的なイメージも一緒にインプットすることで、右脳を使った情報処理を同時にしていた可能性があります。
つまり、同じ内容を音声で聴いても、視覚的な補足がないため、記憶に定着しにくいということです。
Audibleを効果的に使う7つのコツ
記憶の定着という観点から見れば、確かにAuidibleには分が悪い面がありますが、そうかといってAudibleでの学習を諦めるのは早計です。
この章では、Audibleを効果的に使う方法を7つ紹介します。
Audibleを効果的に使う方法7つ
- ながら聞きではなく、意識的に聴く
- 再生速度を調整して、自分のペースに合わせる
- Kindleと併用して視覚情報を加える
- メモ・アウトラインで構造を可視化する
- セッションを短く区切って、集中力を保つ
- 聴く環境を整える
- 復習用の素材として使う
それぞれ解説していきます。
ながら聞きではなく、意識的に聴く
マルチタスクでの「ながら聞き」ではなく、Audibleの音声だけに集中します。
この時、一切の認知活動を行わないようにします。
理想は目を瞑って聴くことですが、それだと寝落ちしてしまうという人は、軽く散歩しながら聴くのも有効です。
できれば、情報量の多い街中より、大きな公園や自然の中をゆっくり歩きながら聴いた方が、より集中できます。
そして、最も大事なのは、「意識的に聴く」ことです。
ただ音声に集中するだけでは、内容を頭に入れるのには不十分です。
そこから、意識レベルをもう一段階上げて、「内容を理解してインプットする」という能動的姿勢で音声を聴くことが大事です。

再生速度を調整して、自分のペースに合わせる
「ナレーターの朗読が速すぎて情報の処理が追いつかない」という人は、初めから再生スピードを遅くしておきましょう。
また、場合によっては、30秒巻き戻しで繰り返し聴いたり、再生を一時停止して、内容の咀嚼にたっぷり時間を取りましょう。
現在の社会は、なんでも早送りで聴いて情報だけ素早く取り入れるような、タイパ重視の傾向がありますが、情報のインプットと内容の咀嚼は別物と考えましょう。
情報だけ取り入れても、自分の中にそれを落とし込まなければ、あまり意味はありません。
Kindleと併用して視覚情報を加える
個人的に一番おすすめの方法が、Kindleと併用してAudibleを聴くことです。
音声だけでは拾いきれなかった情報を、文字で補完するによって、取りこぼしをなくすことができます。
そして、文字を同時進行で追うことによって、他のことができなくなり、自然と内容に集中することができます。
もちろん、同じコンテンツに2冊分の料金が発生するので、一見コスパは悪く見えますが、内容の頭の入り方がまるで違うので、長い目で見たらこれほどコスパ・タイパの良い学習方法はありません。
特にAudibleでの英語学習を考えている人は、試してみる価値があります。

メモ・アウトラインで構造を可視化する
これまで、読書時にメモやノートを取っていた人は、Audibleの学習でも同様にペンとノートを用意して、気になることがあったら一時停止して、じっくりと考察をしましょう。
また、チャプターが終わるごとに、その章の概要・アウトラインを簡単にまとめるのもいいでしょう。
そうすることによって、全体的な理解が深まり、音声のみでも身になる学習ができます。
セッションを短く区切って、集中力を保つ
Audibleでの音声学習は集中力低下に気づきにくく、ついつい長時間聴いてしまいがちなので、あらかじめ短いセクションに区切って、それ以上は一度に聴かないようにします。
ビジネス書は多くの場合、チャプターが細かく区切られ、体系的に構成されているので、「1章読んだら終わり」といったルールを適用しやすいかと思います。

聴く環境を整える
まず、Audibleでの学習を本気で行おうと思ったら、「スキマ時間でサクッと学習」というマインドセットを捨てる必要があります。
なので、いくら時間や手が空いていても、あえてその時間では学習を行いません。
その代わり、「この時間はAudible学習」という時間を、15分でも30分でもいいので、固定で確保します。
そして、静かで落ち着いて学習できる環境に移動し、粛々と行っていきます。
普段マルチタスクに慣れている人は、手持ち無沙汰を感じると思いますが、何回かやると慣れます。

復習用の素材として使う
これは、同タイトルの書籍を読む前提にはなりますが、Auidible学習はスキマ時間に繰り返し聴く「復習用」の素材として割り切って使う方法です。
復習用であれば、そこまでの集中力を必要としませんし、むしろ耳でなんとなく聴く方が、潜在意識への刷り込みは効果的です。
ただ、これは「何度でも聴きたい」と思えるほどの名著でないと成立しませんが、ハマれば相当パワフルな方法になります。
余談ですが、斎藤一人さんは、デール・カーネギーの「人を動かす」と「道は開ける」を100回づつ読むことを推奨しています。
私も100回とはいきませんが、数回読み、大変感銘を受けました。
まとめ

Audibleが頭に入らない理由と対策
- 受け身の「ながら聞き」で集中力が続かない
- ながら聞きではなく、意識的に聴く
- 音声は止まらず流れ続けるから処理が追いつかない
- 再生速度を調整して、自分のペースに合わせる
- 学習メカニズムの違い
- Kindleと併用して視覚情報を加える
- 内容を振り返りにくい(名前・数字・ロジックなど)
- メモ・アウトラインで構造を可視化する
- 長時間のリスニングで疲れてしまう
- セッションを短く区切って、集中力を保つ
- 聴く環境が整っていない
- 聴く環境を整える
- 自分の学習スタイルと合っていない
- 復習用の素材として使う
私はAudibleに出会って、飛躍的に成長スピードが上がったのを実感しています。
私は主にKindleと併用して洋書の小説を読んでいますが、単体で読んでいた時よりも、記憶の定着や視覚化の精度が上がったと感じています。
これからは、さらに新しいことをスピーディに学ぶ能力が要求される時代になりますが、Audibleをうまく活用することによって、さらなる自己実現の手助けになるでしょう。
今なら、Audibleを1ヶ月無料体験することができるので、ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?
それではまた、次の記事でお会いしましょう。
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