その後の行動を決める決定的瞬間とは?
の記事では、習慣を行うまでの労力を最小限に抑えて、行動を起こす時の心理的抵抗を小さくすることが有効というお話をしました。
しかし、いくら習慣のための環境を整えても、ある重要なポイントでの選択を誤ると、軌道修正が効かなくなることがあります。
そのポイントとは、決定的瞬間(Decisive moments)です。
そこで、今回は、
- その後の行動を決める「決定的瞬間(Decisive moments)」
というテーマについて、深掘りしていきたいと思います。
それでは、始めていきましょう。
『Atomic Habits』シリーズ記事一覧
- 完全要約版|The Complete Summary
- 習慣とは|The Fundamentals
- 習慣化の法則【1】|Make It Obvious
- 習慣化の法則【2】|Make It Attractive
- 習慣化の法則【3】|Make It Easy
- 習慣化の法則【4】|Make It Satisfying
- 習慣のその先へ|Advanced Tactics
習慣で人生を変えたい人へ

Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results
英語の難易度:
ページ数:319ページ
著者:James Clear
発売日:2018年10月16日
日本語訳版はこちら

決定的瞬間(Decisive moments)
習慣は流れの中に存在する
習慣とは高速のインターチェンジのようなものです。
一度入り口に入ってしまえば、立ち止まったり、後戻りすることはできません。
そして、合流車線から徐々にスピードを上げていき、本線へスムーズに合流します。
この時、たとえ道を間違えたことに気付いたとしても、次のインターまでその流れを止めることはできません。
習慣も同じように、中断して何か別のことに着手するよりも、一度始めてしまったことをそのまま続ける方がはるかに簡単です。
例えば、
- どんなにつまらない映画でも、途中で止めることができず、結局最後まで見続けてしまう
- スナック菓子を食べ始めると、お腹がいっぱいにも関わらず延々と食べ続けてしまう
- 一瞬だけスマホをチェックしようと思ったら、結局20分ダラダラとスクロールし続けてしまった
など、心当たりがあるのではないでしょうか?
一度行動を起こして流れを作ってしまうと、軌道修正が難しくります。
だからこそ、行動を起こす前によく考えて選択することが大切です。
Habits are like the entrance ramp to a highway. They lead you down a path and, before you know it, you’re speeding toward the next behavior.
Atomic Habits, P160
その後の行動を決定する選択
我々は一日を過ごす中で、たくさんの選択に遭遇しますが、個々の選択は小さいものが多く、ほぼ無意識で選択してしまいがちです。
しかし、その選択ひとつひとつが今日という一日の良し悪しを決め、やがて未来の結果に大きなインパクトを与えます。
例えば、
- 食事をテイクアウトで済ますか、自炊をするか
- 車で行くか、自転車で行くか
- 宿題に着手するか、ゲームのコントローラーを手に取るか
など、日常のあらゆる場面で決定的瞬間(Decisive moments)が訪れます。
この決定的瞬間での選択が未来のあなたの行動を決めます。
例えば、「レストランに行く」というのは決定的瞬間です。
なぜかというと、これからあなたが何を食べるのかというのを確定させるからです。
厳密にいうと、そのレストランで何を食べるのかという選択権はありますが、そのレストランに入った以上、そのメニューの中からしかオーダーすることしかできません。
ステーキハウスに行ったなら、サーロインかリブロースを選ぶことができますが、寿司は選ぶことができません。
この決定的瞬間での選択によって、その後の行動が制限されます。
We are limited by where our habits lead us. This is why mastering the decisive moments throughout your day is so important.
Atomic Habits, P162
習慣とは行動の導入部分
私たちの行動は、一つ一つの習慣が導く方向によって制限されており、一日に何度も訪れる決定的瞬間をいかに制するかが非常に重要です。
習慣とは導入部分であり、最終地点ではありません。
ジムでトレーニングするのが習慣なのではなく、ジムに行くという行動及びその道のりが習慣なのです。
Habits are the entry point, not the end point. They are the cab, not the gym.
Atomic Habits, P162
まとめ

決定的瞬間(Decisive moments)【まとめ】
- 習慣は流れの中に存在する
- 一度行動を起こして流れを作ってしまうと、軌道修正が難しくなる
- その後の行動を決定する選択
- 決定的瞬間(Decisive moments):未来の行動を決める選択ポイント
- 習慣とは行動の導入部分
- ジムでトレーニングすることではなく、ジムに行くこととその道のりが習慣
決定的瞬間での選択が未来の行動を決めますが、決定的瞬間での選択は何によって決められるのでしょうか?
それは、あなたのアイデンティティです。
したがって、決定的瞬間では、あなたの中ではすでに答えがほぼ決まっていて、そちらの方向に行くことを抗えないようになっています。
むしろ、しっかりとしたアイデンティティがあれば、間違った選択肢が決定的瞬間に上がってくることすらありません。
例えば、あなたがボディメイクに真剣に取り組んでいて、日頃から食事管理を徹底しているとします。
そのような人が、
えいじ今日のランチは何を食べようかな…
という決定的瞬間に立った時に、カツカレーやラーメンという選択肢は上がってきません。
考えられる選択肢としては、「焼き魚定食にするかステーキ定食にするか」くらいの範囲でしょう。
しかし、そんな人でも、たまには唐揚げやハンバーガーを選んでしまうこともあるかもしれません。
実は、この人にとってのポイントはもっと前にあり、「ランチは外食にするか自炊にするか」というところが真の決定的瞬間です。
そこで、鶏むねとブロッコリーを茹でたものを自分で作って持っていけるかという選択肢を迫られています。
そして、一度その選択を採用してしまえば、その後の無用な選択や誘惑は一切なくなります。
この例は極端ですが、本当に自分の目指す姿に向かうと決めたら、習慣という川の源流にある真の決定的瞬間を見つけなければなりません。
次回は、「先延ばしを防ぐ『2分ルール』」について、詳しく解説していきます。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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- 習慣のその先へ|Advanced Tactics
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