なぜ小さな変化は大きな結果を生むのか?
人生で何か大きなことを達成したいのであれば、何かを継続的に行う「習慣」の力を借りる必要があります。
では、なぜ同じことを毎日続けるだけの「習慣」にそこまでのパワーがあるのでしょうか?
それは、習慣の持つ複利効果の力を知ると納得がいきます。
そこで、今回は、
- 習慣の持つ複利効果の力とは?
というテーマについて、お話をしていきたいと思います。
それでは、始めていきましょう。
『Atomic Habits』シリーズ記事一覧
- 完全要約版|The Complete Summary
- 習慣とは|The Fundamentals
- 習慣化の法則【1】|Make It Obvious
- 習慣化の法則【2】|Make It Attractive
- 習慣化の法則【3】|Make It Easy
- 習慣化の法則【4】|Make It Satisfying
- 習慣のその先へ|Advanced Tactics
習慣で人生を変えたい人へ

Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results
英語の難易度:
ページ数:319ページ
著者:James Clear
発売日:2018年10月16日
日本語訳版はこちら

習慣の持つ複利効果の力
習慣の持つ複利効果を理解するためのポイントが2つあります。
習慣の複利効果2つのポイント
- 1日1%成長すると、1年後には約38倍成長している
- 習慣の複利効果はネガティブな変化にも作用する
- すべての結果は小さな習慣の集合体
詳しく解説していきます。
1日1%成長すると、1年後には約38倍成長している
- 英語学習
- 筋トレ・ダイエット
- 楽器の演奏
など、継続的な努力や技術を要するアクティビティには次のような共通点があります。
- 最初のうちは変化を感じる事ができない
- ある地点を境に急に変化する
例えば、
- リスニングを毎日続けていると、急に英語がクリアに聞こえるようになる
- 筋トレを数ヶ月続けていると、如実に身体が変化し始める
- 難しいギターのフレーズを毎日練習していて、急にコツを掴んで弾けるようになる
といったブレークスルーが起きるのは、習慣の積み重ねは株式投資の複利の原理と似ているからです。
まさに、習慣の積み重ねとは自己投資なのです。
辿り着きたい未来があるのであれば、1日1%成長する事を意識して、それを毎日継続する事です。
最初のうちはほとんど変化が見られません。
しかし、複利の原理が働いているので、毎日コツコツと1%の成長を続けていれば、雪だるま式に増えていき、1年後には約38倍成長している計算になります。
今日の時点を1とすると、
1 × 1.01 = 1.01
になります。
すると、明日は1.01から1%成長するので、昨日の1%よりも成長度が若干上がっています。
習慣による成長率の変化
1.01×1.01 = 1.021
1.021×1.01 = 1.030301
1.030301×1.01 = 1.04060401
1.01365 = 37.78
このように、最初の数ヶ月は誤差の範囲を出ませんが、半年後あるいは1年後には変化が顕著になっていきます。
こちらの表は期待される成長線と実際の成長線のギャップを表したものです。

このように、最初のうちはポテンシャルの潜伏期間があるので、忍耐が必要です。
しかし、腐らずに継続していれば、いつか臨界点に達して、ブレークスルーが起こります。
えいじそこから先は加速度的に伸びていくよ
Habits are the compound interest of self-improvement. The same way that money multiplies through compound interest, the effects of your habits multiply as you repeat them. They seem to make little difference on any given day and yet the impact they deliver over the months and years can be enormous.
Atomic Habits, P16
習慣の複利効果はネガティブな変化にも作用する
私たちの成長は、1本の木に例えられます。
木を植えるには、まず種を蒔いて、水をやり続ける必要があります。
最初のうちは見た目に何の変化もありません。
しかし、根は着実に地面の下で成長しています。
そして、一度芽が出ると、今までの沈黙が嘘だったかのように、ぐんぐんと天に向かって伸びていきます。

ただし、この法則はネガティブな変化にも作用します。
例えば、
- 読書をしようと思ったが、このショート動画を見終わってからと繰り返しているうちに1時間が経過していた
- ジムに行こうと思ったが、「雨が降っている」「外は寒い」など言い訳をしてサボっているうちに段々行かなくなる
- ボディメイクのため自炊に挑戦していたが、段々面倒になり、結局はウーバー生活に逆戻り
といったように、習慣は、良い行動を選択し続ければ大きな結果につながりますが、望まない行動を選択し続けてしまうととことん落ちてしまうという諸刃の剣のような強力な性質を持っています。
つまり、我々は日々を生きていく中で、常にどちらの1%を選択するかを試されているということです。
But when we repeat 1 percent errors, day after day, by replicating poor decisions, duplicating tiny mistakes, and rationalizing little excuses, our small choices compound into toxic results.
Atomic Habits, P17
結果は小さな習慣の集合体
多くの人はどうしても甘い誘惑に抗えず、楽な方や今までの悪習慣の方に押しやられてしまうでしょう。
しかし、ここで意識してほしいのは、
- 能力
- 見た目
- 収入
など、私たちが今経験している結果はすべて、
数ある小さな習慣の集合体から創り出されている
ということです。
まさに、この本のタイトル「Atomic(原子・最小単位)Habits」に、この概念が集約されています。
私たちの肉体は無数の原子から構成されていますが、私たちの精神・アイデンティティ・能力も小さな習慣から形成された塊です。
また、個々の習慣は、あなたという人間を動かしているオペレーションシステムの一部でもあります。
目標を立てることは大事ですが、一度目標を定めたら、あとは「どうすれば今日1%成長できるか」ということに集中し、それを達成するためのシステム作り(環境設定)に注力すべきです。
Habits are like the atoms of our lives. Each one is a fundamental unit that contributes to your overall improvement. At first, these tiny routines seem insignificant, but soon they build on each other and fuel bigger wins that multiply to a degree that far outweighs the cost of their initial investment, They are both small and mighty. This is the meaning of the phrase atomic habits—
Atomic Habits, P27
まとめ

習慣が複利で伸びる仕組み【まとめ】
- 1日1%成長すると、1年後には約38倍成長している
- 最初のうちは変化を感じる事ができない
- ある地点を境に急に変化する
- 習慣の複利効果はネガティブな方向にも作用する
- 常にどちらの1%を選択するかを試されている
- 結果は小さな習慣の集合体
- 目標を達成するためのシステム作り(環境設定)に注力する
習慣が続かない最大の理由は、すぐに変化が現れないからです。
しかし、習慣を継続している間、あなたの内部では着実に変化が起きています。
なので、どんな習慣でも、一度やると決めた習慣は、ブレークスルーとまではいかなくても、せめて最初の小さな変化が現れるまでは続けてみるといいのではないでしょうか。
次回は、「習慣を変えるための正しい順序」について、お話をしていきたいと思います。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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