すべての行動を見える化「Habits Scoreboard」とは?
習慣で人生を変えるには、まず普段何気なく行っているすべての行動を可視化してから、戦略を立てた方が効率的です。
本書では、「Habits Scoreboard(ハビット・スコアボード)」というテクニックを用いて、自分が無意識で行っている行動を顕在化する方法を提案しています。
そこで、今回は、
- 「Habits Scoreboard」で普段の行動を可視化する方法
について、詳しく解説していきます。
それでは、始めていきましょう。
『Atomic Habits』シリーズ記事一覧
- 完全要約版|The Complete Summary
- 習慣とは|The Fundamentals
- 習慣化の法則【1】|Make It Obvious
- 習慣化の法則【2】|Make It Attractive
- 習慣化の法則【3】|Make It Easy
- 習慣化の法則【4】|Make It Satisfying
- 習慣のその先へ|Advanced Tactics
習慣で人生を変えたい人へ

Atomic Habits
Tiny Changes, Remarkable Results
英語の難易度:
ページ数:319ページ
著者:James Clear
発売日:2018年10月16日
日本語訳版はこちら

すべての行動を可視化する重要性
なぜ、普段の行いを見える化する必要があるのでしょうか?
私たちの習慣的な行動はすべて、
- Cue(きっかけ・動機)
- Craving(欲求)
- Response(反応・行動)
- Reward(報酬)
の4つのステップで構成されています。

ここで問題なのは、私たちが普段何気なく行っている行動のトリガーは日常生活に溶け込みすぎていて、自分ではなかなかその「Cue」に気づけないということです。
例えば、
- キッチンカウンターの上にあるおやつ
- ソファに置いてあるテレビのリモコン
- ポケットの中のスマホ
というように、私たちはその無意識の衝動に逆らえない環境に身を置いているため、そのままの状態だと悪習慣を断つのが非常に難しくなります。
そのため、習慣で人生を変えようと思ったら、まずは習慣の棚卸しをして、現在の環境を整備する必要があります。
Before we can effectively build new habits, we need to get a handle on our current ones. This can be more challenging than it sounds because once a habit is firmly rooted in your life, it is mostly nonconscious and automatic.
Atomic Habits, P62
すべての習慣を分類する|Habits Scoreboard
習慣をコントロールするためにはまず、自分がどのような状況で、どのような習慣を行なっているのかを明確にする必要があります。
そこで、有効なテクニックが、すべての習慣を分類する「Habits Scoreboard」です。
まず初めに、現在行なっているすべての習慣を洗い出し、次の3つのカテゴリーに分類します。
- 良い習慣
- 悪い習慣
- 普通の習慣(生活する上で必要不可欠な習慣)
例えば、下記のように分類します。
- 良い習慣(+)
- 体重を測る
- 入浴する
- フロスをする
- 緑茶を飲む
- 悪い習慣(ー)
- スマホをいじる
- スナック菓子を食べる
- タバコを吸う
- 酒を飲む
- 普通の習慣(=)
- アラームを設定して起床する
- トイレに行く
- 洗濯をする
- 着替える
習慣の良し悪しは人によるので、実際には「良い習慣」や「悪い習慣」というものはありません。
ここでの良い・悪いというのは厳密にいうと、その人にとって効果的かそうでないかという基準です。
げん丸目指している人物になるために、プラスになるかマイナスになるかってことブヒな
えいじうん、例えばeスポーツの選手を目指している人にとっては、ゲームをプレイすることは良い習慣だからね
現在行っているすべての悪い習慣を急に止めるのは現実的ではないと思いますが、このようにして良い習慣と悪い習慣を改めて認識することによって、自分の行動を客観視することができ、今後の行動指針の手助けになります。
The Habits Scoreboard is a simple exercise you can use to become more aware of your behavior.
Atomic Habits, P67
指差し確認で習慣を強化|Pointing-and-Calling
もし、あなたに、
えいじどうしてもやめられない習慣がある…
という場合は、指差し確認(Pointing-and-Calling)が有効です。
指差し確認とは、日本の電車やバスの車掌が行う、対象物を指差しながら声に出す確認動作です。
このシンプルな動作は一見馬鹿げているように見えますが、実はかなり効果的です。
例えば、あなたがどうしてもチョコレートを食べるのがやめられない時、
えいじこれを食べることによって体重は増え、健康を害することを私は知っていますが、それにもかかわらず今まさに私は目の前にあるチョコレートを食べようとしています…
というように、あなた自身の声で改めて言及されることによって、より現実感が増し、その行動に対する抵抗が徐々に増えていきます。

このテクニックは、良習慣をサボりたくない時にも有効です。
例えば、あなたが明日ジムに行く予定だとします。
そこで、あえて、
えいじ私は明日午後6時にジムに行ってトレーニングをします!
と実際に声に出して言うと、自分に対しての宣言となり、サボる確率が下がります。
Hearing your bad habits spoken aloud makes the consequences seem more real. It adds weight to the action rather than letting yourself mindlessly slip into an old routine.
Atomic Habits, P67
まとめ

習慣を可視化する【まとめ】
- 習慣を効果的に使っていくために、まずは習慣の棚卸しが必要
- 私たちは無意識の衝動に逆らえない = 今の環境のままだと悪習慣のCueに気付けない
- 「Habits Scoreboard」で習慣を分類
- 「良い習慣」「悪い習慣」「ニュートラルな習慣」の3つに分類
- 自分の行動を客観的に認識することが目的
- 「Pointing-and-Calling(指差し確認)」で習慣を強化
- どうしてもやめられない悪習慣がある場合は、その行動を起こす時に声に出して状況を説明する
- このテクニックは、良習慣をサボりたくない時にも有効
習慣の棚卸しによって、自分の行動を丸裸にしてみると、いかに無駄な動きや生産性のない時間を無自覚に過ごしていたかがはっきりと見えます。
私たちの脳は、何かと理由をつけて、今行っている習慣を正当化しようとしてきます。
しかし、ここで客観的なデータがあなたの頭の中にあれば、そのエゴの声に立ち向かうことができます。
そして、そのために有効なのが、今回紹介した「Habits Scoreboard」と「Pointing-and-Calling」です。
私も実際に、英語の学習時間を捻出するために、1週間すべての行動を15分単位でスプレッドシートにはめ込んでみて、そこから不要な行動を削っていくということをしたことがあります。
これをやると、かなり頭が整理され、やるべきことが明確になるので、
えいじやりたいことがあるけど、時間が足りない…
と悩んでいる人にはおすすめのテクニックです。
次回は、「習慣と条件を紐付ける『Habit Stacking』」というテクニックについて、詳しく解説したいと思います。
それではまた、次の記事でお会いしましょう。

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