引き寄せの法則とは？｜エイブラハムの教え『Ask and It Is Given』【第6章・前編】

引き寄せの法則とは一体何なのか？

前回の記事、

では、「引き寄せを成功させる3つの基本原則」についてお話をしました。

しかし、

という、引き寄せの法則の正体については、まだ深く掘り下げていません。

そこで、今回は、

引き寄せの法則とは何なのか？

ということについて、解説していきたいと思います。

それでは、始めていきましょう。

引き寄せの法則とは？

エイブラハムは、この章の冒頭で「引き寄せの法則」について、次のように定義しています。

Every thought vibrates, every thoughts radiates a signal, and every thoughts attracts a matching signal back. We call that process the Law of Attraction.

Ask and It Is Given, P25

要するに、引き寄せの法則を一言で表すと、「周波数一致の法則」です。

この宇宙はすべて波動でできており、同じ周波数のものを引き寄せ合うという性質があります。

この法則は、物質・非物質に限らず、すべての存在・エネルギー・出来事に適用されます。

これは、ラジオの周波数を特定のラジオ局の周波数と合わせるのと同じような原理です。

ラジオプレイヤー ＝ あなた
ラジオ局 ＝ ソース
ラジオ放送 ＝ あなたの経験している現実

つまり、あなたが望む現実とあなたが宇宙に放射しているエネルギーの周波数をマッチさせなければなりません。

例えば、今あなたが経済的に困難な状況からなかなか抜け出せないのだとしたら、それはあなたの発する周波数が「不足」の周波数に合ってしまっているからです。

そこから抜け出すには、意識的に「豊かさ」や「安心」といった周波数にチューニングする必要があります。

あなたが宇宙に放射している願いは、次の4つの要素から成り立っています。

願いの要素は4つ

• あなたが意識を向けていることの周波数
• あなたの願望に対する感情の周波数
• あなたの思考の強さの周波数
• あなたが信じていることの周波数

流れとしては、

1. この4つの要素から発生した周波数が、あなたの願いとなって宇宙に放射される
2. その願いを受け取ったソースが反応する
3. その周波数にマッチする現実があなたに起こる

というのが「引き寄せの法則」のメカニズムです。

詳しく解説していきます。

あなたが意識を向けていることの周波数

まず、あなたの願いの基本となるのは、あなたがどこに意識を向けているかということです。

これは、あなたの周りの対象物という客観的な意識の向けどころではなく、現実の中のある事実に対して、あなたがどの要素を抽出しているかという主観的な意識の向けどころという意味です。

あなたの願望がまだ叶っていない状況でも、「あなたは近い将来それを手に入れている」という「ある」というところに意識を向けると、そのような現実が引き寄せられます。

逆に、「今現在それを持っていない」という「ない」というところに意識を向けると、それもまた、そのような現実が引き寄せられます。

この周波数の違いは、AかBかという二元的な選択ではなく、どちらの方により意識が集中しているかというバランスによって最終的な周波数が決まります。

例えば、あなたが誰かと交際しているとします。

あなたが、その交際相手について感謝していることに対する意識が強ければ、「ある」の方向に現実が振れていきます。

逆に、

という、不足の部分に対する意識が強ければ、「ない」の方向に現実が振れていきます。

このように、ある一つのことに対して、どの部分をピックアップするかということが重要になります。

この意識の持っていき方は、タフティの重要なメソッドの一つの「アドバンテージ・メソッド」で鍛えることができます。

Whatever you are giving your attention to causes you to emit a vibration, and the vibrations that you offer equal your asking, which equals your point of attraction.

Ask and It Is Given, P26

あなたの願望に対する感情の周波数

あなたが何かを望むとき、願望そのものの周波数ではなく、あなたがその願望に対してどのような感情を抱いているかでその周波数が決まります。

例えば、あなたは「今よりももっとお金を稼ぎたい」という願望があるとします。

その時のあなたの願望に対する感情が、

• 生活がさらに充実する
• 買いたかったものが買える

というような、お金が手に入ったときに経験できるポジティブな感情であれば、その状況を引き寄せます。

しかし、もしその願いが、

という、ネガティブな感情から発生しているならば、「羨ましい」「ずるい」と感じさせられる現実がさらに引き寄せられます。

このように、一見同じ内容の願望でも、それに対する感情によって、引き寄せられる現実が大きく変わってきます。

Now, by paying attention to the way you feel, you can easily know if you are giving your attention to your desire or if you are giving it to the absence of your desire.

Ask and It Is Given, P26

あなたの思考の強さの周波数

願望は大きく分けて2種類あります。

• 欲しいものを手に入れること
• 欲しくないものを避けること

例えば、

と思うことは、

という感謝の波動ですが、

と思うことは、

という不安の波動を発生させることになります。

あなたの潜在意識は、願いの文言の肯定系・否定系では判断せず、その裏に潜んでいるあなたの思考の強さで判断しています。

「思考」というのは、「イマジネーション」とほぼ同義で、あなたは将来について思考するとき、同時にその状況をビジュアライズしています。

つまり、あなたが思考することは、あなたの将来のプランを立てていることになります。

Nothing can occur in your life experience without your invitation of it through your thought.

Ask and It Is Given, P27

あなたが信じていることの周波数

あなたが願ったものを受け取れるかどうかの最終的な要素は、あなたの願いとあなたと信じていることの周波数がマッチしているかどうかです。

「信じていること」というのは、英語の「Belief（ビリーフ）」に相当するものですが、私の感覚ですと、Beliefを完璧に表している日本語の単語が見当たりません。

このBeliefという概念は、単に「信じていること・信念」という意味だけではなく、

• 個人のアイデンティティ
• 文化的アイデンティティ
• 思考パターン
• 習慣
• DNAの傾向・特徴
• 魂の目的
• カルマ

といった要素が複雑に重なり合った、現在の「あなた」という存在を定義するものです。

そして、Beliefはあなたの潜在意識に深く根付いている、あなたの現実に対する反応のパターンとも言えます。

したがって、いくら「意識の向け先・感情・思考」の周波数を整えようとしても、この根本の「Belief」の周波数があなたの願望の周波数とマッチしていなければ、現実化は起こりません。

逆に、この「Belief」さえ変えることが出来れば、あとはスムーズに望む現実がやってくると言えます。

つまり、まずは、

あなたの現実感覚の中に、あなたの望む世界を存在させる必要がある

ということです。

例えば、あなたが「今よりも、もっとお金を稼ぎたい」という願望を持っていたとしても、あなたの中に、

というメンタルブロックがある状態では、いくら引き寄せメソッドを行ったとしても、現実化は起こりません。

また、

このような非物質世界がこの世界の裏側に確かに存在し、引き寄せの法則も存在する

ということを信じ切った上で、このメソッドを行うことも重要です。

この件については、タフティも、意図の三つ編みを使ったメソッドの説明の中で、

そのやり方が非現実的だと思っているうちは、コントロールできません。

タフティ・ザ・プリーステス 世界が変わる現実創造のメソッド, P54

と、強調している部分であります。

そして、この「Belief」を強化するには、

いかなる時もあなたの願いはソースに届いていて、あなたは常にそれを受け取っている

ということを意識して、日々を過ごすことです。

Your desire and your beliefs must be a vibrational match in order for you to receive that which you desire.

Ask and It Is Given, P29

まとめ

今回の要点をまとめると、

• 引き寄せの法則とは「周波数一致の法則」という宇宙の法則である
  • あなたが望む現実とあなたが宇宙に放射しているエネルギーの周波数をマッチさせる必要がある
• あなたが意識を向けていることの周波数
  • 「ない」ではなく、「ある」に意識を向ける
• あなたの願望に対する感情の周波数
  • 願望そのものではなく、あなたがその願望に対してどのような感情を抱いているかが重要
• あなたの思考の強さの周波数
  • 「望む・望まない」にかかわらず、その願いに対するあなたの思考の強さで周波数が決まる
• あなたが信じていることの周波数
  • 「Belief（ビリーフ）」はあなたの現実に対する反応のパターン
  • 引き寄せの法則を非現実的だと思わない

となります。

エイブラハムの引き寄せの法則の理論をそのまま当てはめると、あたかもすぐに現実化が起こるような印象があるかもしれませんが、実際には、何でもかんでもイメージしたらすぐに現実化するというものではありません。

その理由は、

• 願いのオーダーが現実化するまでにはタイムラグがある
• このタイムラグの間に、願いのオーダーとキャンセルのオーダーが繰り返されている
• その最終的な結果が、実際の現実化に収束していく

というのが実際のメカニズムではないかと考えられるからです。

また、我々の潜在意識には、ホメオスタシスという自己防衛機能が備わっているので、「Belief」で形成されたセルフイメージやマインドセットの範囲外のことは起きにくくなっています。

ですので、今の自分の「Belief」を超える現実を望んでいるのであれば、少しずつコンフォートゾーンの外に自分の身を置くようにして、「Belief」をアジャストしていかなければなりません。

あなたが今、どんな「Belief」によって世界を見ているのか—

少し意識を向けてみるだけで、現実は静かに変わりはじめるかもしれません。

---

次回は、「All-That-Is（すべてなるもの）」や「Well-Being（ウェルビーイング）」というキーワードを通して、「あなたが宇宙の創造に欠かせない理由」について深掘りしたいと思います。

それではまた、次の記事でお会いしましょう。